1640日の家族のレビュー・感想・評価
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理不尽だけど…
フランスで里親を仕事としてやっている女性(家族有り)の話。
日本でも里親ビジネスとして暗躍している形だけの家族(この形態は知られていないけど、結構ある)はあるが、この映画に出てくる家族はお金≫愛情ではなく、本当の親に負けないくらい愛情を注ぎ、情が生まれるが…。
日本も環境より血(血縁)が大切と行政は決めてかかっているが、現在の虐待問題を考えると、血が大切というのは誤解に過ぎない。こんな行政や家裁に任せていること事態がおかしいことを皆理解すべきである。結局行政や家裁は他人事で淡々と事務的に仕事をしているだけで、子供一人一人を考えることはしないバカの集団だから…。結局は赤信号皆で渡れば怖くない論で、個別に考えている公務員もいるかもだが、公僕なのだから…
里親って絶対仕事じゃないよね
素敵な家族です。羨ましい。
子供がマオリ族(先住民)のダンスをまねるシーンがあったので、ニュージーランドにもフランス語圏の居住区があるのかな?お父さんはアラブ系だけど。なんて思ってました。庭が広い、道路が広い。近所の子供たちも一緒に遊び、近所付き合いも楽しそう。ミュージカル仕立てのダンスシーンもあり、兄弟仲が良くて、素敵なお家で、スキンシップもとても多くて、観ていてとても幸せでした。
実父がシモンを引き取りたいと申請し、ウィークエンドでの馴らしが始まると、スレ違いが生じてしまいます。
シモンのことを考えるとそんなに出かけたり、イベントしないで、おとなしくしててよと思ってしまいます。
そのほうがお金もかからないし。
LEDのライトセーバーは直ってよかったです。とてもいいシーンでした。
役所の児童課のおばさん二人がカチカチ頭。
だからお役人は嫌い。
里親、とくに母親の方は仕事じゃできないでしょうよ!
アンナがおばさんからの電話を無視したのは、どうせ反対されるにきまっていて、ハナシにならないから。
アンナは正直すぎ。 嘘も方便っていうじゃない。ばかなんだから。そんなアンナがかわいそう。
男女の平等とかジェンダーの問題が前進すると、母性自体は軽ろんじられるような気がした。
結局、養子縁組を含めて、最後まで残ってしまう問題はこの問題。
捨て子や貰い子も目の前のオモチャにつられたり、養親に気を遣ったり、差別や偏見に敏感になったりで、小さい時から苦労が絶えない。
クリスマスイブの夜中に車を走らせて、事故るんじゃないかととても心配しました。
シモンも捨て子じゃなかったし、実の母親は病死だし、アンナには二人の実子がいるからそんなにこじれなくてよかった。
妹役のバシル・バイオレットちゃんがシモンを実の弟のようにいつも気にかけるシーンにキュンキュンしっぱなしでした。
いい話
ほぼ予想してた通りの話でした。
最後が少し違ったけど。
いい話だけど、特別こなかったです。
いい話ですけどね。
家族構成や育ち方でも評価が変わるでしょうね。
里親お父さんの方は、どっかで見た事あるな?と思ってたら『キャメラを止めるな』にも出てた人でした。
あっ、この映画いい話ですよ。
シモン、ずるいくらい可愛かった。それはさておき、、、
いろいろ考えさせられた。
まずはフランスって社会的養護が必要な子を施設に入れないで一般家庭にどんどん里子に出すのですね。養子縁組前提じゃなくて。個室与えるとか危険なことはさせないとか条件はあるけど、それなりの報酬付きで。そうなると仕事みたいだけど、情が移るし大変だっていうお話。実子だろうが里子だろうが、いずれ巣立つのに、突然の別れは母性を狂わせる。
何かを引き受ける時、ルールや想定を事前に共有しておくことはとても大切。「里親をママと呼ばせてはいけない」とか「別れは突然やってくる可能性が大いにある」とか。
この映画の最大の功労者は健気で賢いシモン。理屈ではわかっていても「情」をコントロールできないアンナは本当に「正直」な人だった。
日本だと子どものできないカップルが里子と養子縁組するっていう図式が浮かんでしまうけど、欧米では実子と里子をフラットに扱って養育するということが一般的なのかな。そして母親はついつい実子に厳しく当たってしまい恨まれ、里子からも微妙な居心地の悪さを持たれる、みたいな、、、。たまたま最近はまっている「THIS IS US」でも、そのあたりのデリケートな母子関係が人生に影響及ぼしていると感じている。
それにしても、私のステレオタイプの理解だと、フランスってカップル社会、で子どもにそれほど執着する女性がいるってイメージはなかった。
あと邪推だけど、里子があんなシモンみたいに可愛くて健気で賢くなくて、ぶっちゃけ世話のやけるひねくれ小僧だったら、同じ状況でも里親の反応違ってたのかな、とも思った。実の親でも子どもとの相性あるって聞くので。(私は一人しか子どもいないので、その辺がよくわかりませんが)
育ての親か、血の繋がりか…
あまりにも唐突な別れ、さすがにアンナに同情する。
とはいえ、感情抜きで考えるとこれが正しい選択なのかもしれない。しかしだ、4年半も一緒に過ごすと愛情が生まれるし、まして人としての基礎を作る大事な幼少期に本当の息子のように一緒に過ごしたアンナ夫婦とシモンにとって、はいそうですか、サヨウナラって簡単に言えるはずがない。
だけど、こういったケースも想定して里親を引き受けるのであって、感情的な部分は切り離すことも必要。
アンナの少し行き過ぎた行動には、ちょっと…と思う節もあるが。。
育ての親か、血の繋がりか…
感情論か理性か…
この狭間で揺れる家族をエモーショナルに描き、観るものにも投げかけ、訴えている。
ラストのほう、胸が張り裂けそうに…泣きました。
里親制度を知れば面白い
「里親・里子制度」で育てた子供を、元の親に戻すうえでの養い親(母親)の葛藤と過ちを描いた佳作。
仕事として受け入れたはずが、自分の子と同じレベルで愛してしまった里子に対し、離れることができなくなってしまった、母親側の執着と依存が強調されていました。
フランスには子供の成長を「国として守る」意識と法制度があることを踏まえて観ると、実に面白い映画です。
ググって知ったのですが、「家庭での養育ができない場合は、まずは家庭と同様の家庭環境で養育されるように、国及び地方公共団体の責務で必要な措置を講ずるよう」にするのが原則だそうです。
親の死亡や、親が経済的・健康的・精神的に子育てできない環境になった場合はもちろん、親からの「虐待を受ける可能性がある段階での予防措置」としても、子供を保護することが最優先という法律が施行されていて。
親を失って、新たな養親の下で相続権もある子供になる場合は「完全養子縁組制度」。
元の親と新しい養親の両方に共同親権があったり、もともと叔父叔母など血縁関係があって元の戸籍のまま成人するまで育てたり、などのケースで適用される「特別・単純養子制度」。
親が事情で育てられない時期があった場合は、血縁は関係なく受け入れ、いずれ親元に返す「里親・里子制度」か「児童養護施設制度」などが適用される。
さらにフランスにおいて里親は研修を課す国家資格で、職業として成立し、養育の実費と別に報酬が生じる仕事なんですね。
そこを理解してないと、「なんて血も涙もない法の運用なんだ」と行政側の判断が理不尽に見え、また「母親らしい感情は大切」なのにかわいそうと、観客の目には写るかもしれません。
報酬を受け取る描写がないから、ボランティアか養子にしか見えないんですわ。
そして、映画だからといえばそれまでなんですが、こういう作品では「理性や理屈ではなく、感情を優先して失敗する人間」が描かれることが多く。
母親の「血縁のパパと、里親のママのどっちを選ぶの?」という無体なほどの感情の押し付けの挙句、自己の行動を正当化しようとし、法的に不利な方へとばかり選択していきます。
これが、愚かに見えてイラっとします。
また同時に、演技と思えないくらい子役の心情描写が真に迫っていて。
子どもは「遊びたい」「友達や兄弟といたい」という素朴な欲求を口にするけれども、一方では複数の大人=「実の親」「里親」の両方の気持ち・空気・利害関係を読み取って、曖昧な返事をしたり、嘘をついたりします。
そんな子どもなりの葛藤を子役が完全に表現していたのが素晴らしかった。
二つの家族、思いはひとつ
感情表現が豊かな母親、温かくも冷静な父親、反抗期を少し迎えたぐらいの頼れるお兄ちゃん、可愛らしく友達にもなれる次男坊、そして里子のシモン。素敵な家族映画だった。
大きく脱線することもなく、102分の上映時間をめいいっぱい「家族愛」に焦点をあてて展開していく。
一家が実親とシモンを見つめる最後のシーンは、エンディングにふさわしく切なさと同時に希望を持って与えてくれるものだった。
里親も実親も、子を愛する気持ちに違いはなく。
里親制度が仕事として確立されてるフランス。実親に返すのが前提で、養育費も支給…とはいえ1歳から4年半育てた「わが子」との別離を簡単に受け入れられるはずもなく。
里親が聖人すぎず感情的にルール違反をしてしまったり、実父も決して悪い人ではない。それがとてもリアルだった。誰も悪い人はいない。子の幸せを思う気持ちに、実親も里親も関係ないのだから。だからこそ、すごく考えさせられた。これが監督の意図なのかもしれない。
慣れ親しんだ里親家族と暮らすのがよいのか、今はしっくりこなくてもやはり実親と暮らすのがよいのか(虐待や貧困が理由ではなく、妻を亡くしたショックや憔悴から養育が困難になった、という点も実父が悪いわけではないので見る側に更に迷いを生む)。
よく「子どもの気持ちが第一」「子どもの決断を尊重すべき」などとも言われそうだけど、果たしてそれも正しいか?(6歳の子にそこまで全体や未来を見越した判断が可能か?とりあえず今の里親がいいと言うに違いないだろう)
でもやっぱり、振り回される子ども自身はかわいそうだなあと思ってしまったな。
そしてとても美しいラストが心に残る。
里子のシモン役の子は公園でスカウトしたと知ってびっくり。兄弟の二人の子も演技は初心者らしく、みんな上手すぎてびっくり。
2つの家族にサチアレ!!
「食べちゃいたい位可愛い❤️」シモン君に
心・持って行かれた102分でありました!
…絵に描いたように幸せそうにプールではしゃぐ家族…人種も宗教も違う夫婦と3人の男の子達(次男君ははじめ女の子だと思ってしまった位
これ又キュート!)
末っ子のシモンが里子だとは誰にも思えない程
本当の家族にしか見えない…
里親制度の在り方、職業である事…フランスの制度は興味深かったし、もっと知りたくなった
シモンを愛し過ぎ母性愛の暴走に歯止めが効かなくなってしまった里母のアンナ
それが原因となりシモンは生活が安定した実父と週末を過ごして他日は施設で過ごせねばならなくなる…
そして別れの日…シモンも葛藤を隠せずアンナをママ!ママ!と叫び追いかける
が、お涙頂戴ストーリーとしての結末では無く
2つの家族の新しきスタートを実に誠実に前向きに仕上げた物語に紡がれている
今朝も自分の子供を死なせてしまった
哀しく心が痛む報道がテレビから流れていた…
子供を放棄してしまう愚親が増え続ける日本の現状…この制度をもっと機能させる流れがこの国でも作られれば…と、考えてしまうのだが
感動
いい映画だったなぁ〜
妻の事をいろいろと考え育児の事を思い出した
子役たちがめちゃくちゃ自然で無理なくカメラの前で撮影している。過度の宣伝をしていないから時間があったから観に行ってたまたま出会った良質な作品に1日得した気分になった。こういう作品との出会いがあるから映画はやめられない。
#60 日本ではあり得ない家族の形
日本では里親になるのは子供がいない夫婦と相場が決まっているが、こちらは2人の実子がすでにいる家庭に引き取られた男の子シモンの話。
日本なら実子が血のつながっていない子を虐めるというのが定番だが、ここの兄弟はめっちゃ弟を大事にする。
さらにママもパパも全く隔たりなく愛情を注いでいる。
それなのに一旦育児放棄した父親が、精神的に立ち直ったからとシモンを引き取ろうとするところから、里親家族とシモンの精神的葛藤が始まる。
頭ではわかっていても、シモンもママも自分の感情が先に立ってしまう。
日本なら母親がいる温かい家庭で育ったほうが良いという判断が下されそうなものなのに、フランスはあくまで実の親子関係の再生に全力を尽くそうとする。
もう常識が違いすぎて腹が立ってくるが、それとは関係なくシモンとママの絆部分は涙なしに見れない。
ママと呼ぶことを禁止されて「頭の中でなら呼んでいい」というところとか、最後の別れ部分はもう号泣。
今年1番泣ける作品と言っても過言じゃない。
ラスト部分が結局このフランスの制度が正しいと語りかけているのかもしれない。
泣きたい方必見のお勧め映画。
あれだけ
環境が良いと、いつまでもいたくなりますよね。愛情深いママ、明るくて楽しい義父、兄弟のように楽しい兄姉。特に母親の愛情が必要な時だから、頭では育ての母親とわかっていても、実の「ママ」になっちゃいますよね。この先のこの家族の様子が見てみたいですね。
KINO CINEMA 天神
2022年8月1日
映画 #1640日の家族 (2021年)鑑賞
仲良し5人家族かと思ったら、末っ子は預かってる里子さんでした。家族同然に育てましたが、ある日、実父が引き取りたいと言って来たところから深い人間ドラマが始まります。子どもの幸せって何だろうと考えさせられました。
三つ子の魂百までも?
物語の舞台はフランスであり、
「里親」の制度や考え方は違っていても
『是枝裕和』だったら
どのように撮ったかを考えずにはいられない。
彼の好きそうな、家族の
しかも血の繋がらない関係性を
どのように料理したろうかと。
『ドリス』と『アンナ』夫妻は
二人の実子に加え、一人の「里子」
幼い『シモン』を養育している。
国からの報酬は出ているようだが、
「里子」には独立した一部屋を与えねばならぬ、との
規則はあるよう。
それが家族内にさざ波を立てたりはするものの、
関係は概ね良好。
とりわけ『アンナ』は『シモン』を
自身の子供同様、いや、傍目にはそれ以上に溺愛している。
しかし、預かりだしてから四年も過ぎた頃、
実父『エディ』から
息子を返して欲しいとの申し入れが。
妻の死を受け入れられず、育児に対してネガティブになっていた自分は
完全に立ち直ったのだ、と。
そこからが、両家にとっての葛藤の始まり。
週末の同居を手始めに、早々に引き取ってしまいたい『エディ』と、
情が深く移ってしまい、できれば手放したくない『アンナ』との相克の日々。
果たして、最後はどのような選択と相成るのか?
しかし行政の側では、
子供をできるだけ早く実父の元に戻すのがベストとの
ゴールは既に設定されている。
なるはやの履行が求められているわけで、
そこに子供や養父母の思いが入り込む余地はない。
流れに抗う行為は指弾され、公権の介入さえ招いてしまう。
そうした始終を、本作は幾つものエピソードを重ねながら
少々センチメンタルに語る。
観ていてほだされ、或いは里親の側の心情にシンパシーを重ねるシーンもあリはする。
しかし、全体的には冗漫な場面が多く、
百分ほどの短い尺であるのに、時として長さを感じてしまう。
勿論、日々の描写が家族の関係性を理解させるのに必要不可欠とは知りつつも、
全体的に幼い子供視線のイベントが多いことから
そのように感じてしまうのかもしれぬ。
冒頭に述べた、
『是枝裕和』だったら?との想いは、
まるっきり、そのことの反映。
異なる感慨を鑑賞者に抱かせてくれるのではないか、と。
とは言え、本作の最後のシークエンスは秀逸。
幼子の順応力の高さと嫋やかさを見せられる。
去る側と去られる側では、
どちらにより思いの丈があるのだろうか?
どうなるのが正解かはわからないけれど…
里親に任せてその後にやっぱり育てる、という流れがある事を初めて知った。生みの親が登場したらこうなるわなー、と。この作品だと里親家族が良い人達ばかりすぎるのが出来過ぎだけど。展開は法律に従うままのながれで都合の良い展開はなし。その分、観た我々がいろいろ考えられるんだな、と。良作でした。
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