劇場公開日 2022年7月29日

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「生まれ落ちた場所に「家族」という完成形が初めから備わっているもので...」1640日の家族 朱映さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生まれ落ちた場所に「家族」という完成形が初めから備わっているもので...

2022年8月22日
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鑑賞方法:映画館

生まれ落ちた場所に「家族」という完成形が初めから備わっているものではなく、お互いがそれぞれのやり方で近づいていく関係の中に「家族」はあるのだと思った。
プールの中でシモンがアンナにしがみつき、一緒に水の中を進みながら、息を止めたり、顔半分潜ったり、水を介した冒頭の二人のシーンは象徴的である。

一時的であれ長期的であれ、子どもを育てることができなくなる事情に直面する可能性は誰にでもあるわけで、その時に子どもの人権を最優先にしながらできるだけ健やかに生活できる環境が制度としてあることはとても大事だと思う。
1640日の楽しく幸せな時間がシモンの心の糧となり、実父エディとの「家族」につながっていくことを願いたい。

朱映