夜明けまでバス停でのレビュー・感想・評価
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リスク
自作のアクセサリーを販売しながら、夜は焼き鳥店で住み込みのバイトをしていた三知子。しかしコロナの影響で焼き鳥店を解雇され、仕事も見つからず路頭に迷うことに。心配する人に現状を伝えず、ホームレスの人と知り合い、夜はバス停で休んでいたが。
実際の事件に着想を得た物語。親の長生きリスクも少し挿入されている他、住み込みというのは仕事と住むとこを一挙に失いかねないリスクがあって怖いです。主人公はなかなか人に頼れない性分。しかし、それでも心配してくれる人がいること、そしてその事件と結末が違っていてホッとしました。
板谷由夏のスタイルと、それとは別に役のうまさが良かった。去年「月はどっちに出ている」を観たばかりなので、ルビー・モレノおばちゃんぶりに驚きました。
おめ今言うごどでねべ と秋田弁で毒づく
レンタル110
プレミアムフライデーは準新作110円なのだ
いつもは利用できないが今日は年末休み
既に先週2本借りているが重ね借り
公開時に観たかったが
上映期間が短くて時間が合わなかったと記憶
この監督の作品は初めてかも
TATOOありってこの監督だっけかな
大みそかから3回に分けて鑑賞
90分というオラが一番好きな尺だ
実際の事件を下敷きにしていて
その時が迫る構成と顛末は
タラのワンスアポンナタイムを思い出した
こういう裏切りは大歓迎なのだが
事実を思い出してどんより
時どき挟まれる無能首相の歴々
ガースーの就任会見 自助発言に怒り再燃
おめ今言うごどでねべ と秋田弁で毒づく
エンドロールの議事堂爆破で溜飲が下がった
スタッフが一番言いたかったことは
優等生でいるな
いざという時は誰かに甘えろ
ということではないか
オラは強くそう思う
年末から年始にかけていい映画鑑賞だった
腹腹時計と連帯と
タイトルからしてこれは実際に起こった、渋谷ホームレス殺人事件を題材にしたものなのは知っていました。
冒頭、犯行のシーンから始まるので、やはり骨組みは事実に基づいて描かれるのか、と思いきや最後の最後での、でんぐり返し。いやはや鮮やか。板谷由夏のお腹から取り出したのは、腹腹時計(爆弾製造の教則本)。
そして店長に対して、一緒に爆弾を造ろう!、と言い放って、ディ·エンド。
一見プロパガンダのような終わり方ですが、板谷由夏のこの台詞は、半分本気半分は連帯のメッセージですかね。
とても潔くて心が震えました。
この映画の直前に、あの足立正生の「REVOLUTION+1」を見ました。例の安倍元首相銃殺事件をメディアなどで伝聞されている内容に沿って展開していきます。
ただ主人公が、死んで星になりたいが、どんな星になりたいのか解らない、という言葉が何回か繰り返され、ロッド国際空港銃乱射事件で生き残った岡本公三のことを連想されます。
低予算で時間的にも制約があったでしょうが、映画として残念ながら観れませんでした。
半世紀以上前の射殺事件で恐縮ですが、永山則夫を題材にした映画を足立正生は1969年に撮っています。「略称 連続射殺魔」略称しなければ「去年の秋 四つの都市で同じ拳銃を使った四つの殺人事件があった 今年の春 十九歳の少年が逮捕された 彼は連続射殺魔とよばれた」です。
今では死刑の判断基準の〈永山基準〉として時々マスコミで喧伝されています。
ドキュメンタリー映画で足立監督自身のナレーションのみが入っています。永山則夫の19歳までの足跡を永山の〈眼〉に映ったであろう風景をただただ丹念に撮っていくだけの映画です。具体的な事件の顛末は描かれません。
でも感情を排したナレーションのためか、映画詩のような詩情溢れる素晴らしい作品になっていました。
実際に起こった事件を題材にしモチーフは同じでも、出来上がったものは全く違います。
社会性をもった事件と映画は、どう関わったらいいのか。「夜明けまでバス停で」には深く感じ入りました。
"真面目"と"努力"は別
大変分かり易い構図で話が進むのだが、振りとオチの爽快な梯子外しにニヒルさや良い意味での"意地悪さ"を印象付ける内容で、その帰着にスタッフロール中の国会議事堂爆破シーンを挟むなど、不敵な笑みを禁じ得ない面白さと何故かノスタルジーさをも感じる作りである
確かにカタルシスを得やすい安易さは否定しないが、しかし現在の映画作品に多い複雑な構成の重層さに心の疲弊を感じていたから、今作品の安心感に救われる思いも実際有る
所々の絶妙な政治家の発言カットも奇を衒わないストレートさに、そのままの感情を引き出せる構成だ そしてそこまで観客を
油断させての梯子外しに、一杯喰わされた感を演出している心憎さ、中々である
結論として、『自分の思った通りに生きろ』という強烈なMessageを伝えることに成功した作品だと強く感じた作品であった 意図しなかったとはいえ、主人公の本当の本懐を汲み取る曲ったヒロイズムに感化された自分は"危ない"人間か?、乞うご期待w
と、通り一辺倒に入力してみたが、結局の所、幾ら努力したって、"運"でしか救われない 目指すモノが見付かろうとだ・・・ なまじ目的なんてものを追い求める"凡人"にそんな運など無い 生きる意味が無くなれば・・・後はわかるだろ?
ラストは痛快
実話に基づいてもっと救いようのない終わり方になるのかと思いきや、まさか腹腹時計が出てくるとは❗まあ、気持ち的にはわからんでもない。けれど閉塞感はあの頃よりも今の方が強い気がするのは気のせいか?
コロナ禍の中で生きる人たちに向けて、応援や励ましの想いが詰まった作品という気がします。コロナ禍の真っ只中ですが 「観るなら今」そんな内容の作品です。
コロナ禍の時代を背景にした作品。
どんな内容なのか気になってはいたものの
直視したくない内容の予感がひしひしと。
無理に観なくてもいいかなぁ と思っていたのに
気がついたら映画館の座席の上 …。 きゃー
さあ上映開始。
居酒屋のチェーン店 (大久保店) が舞台。
そこで働く人たちの日常が、コロナ過によって
奪われていく現実が、既視感バリバリに再現します。 う~ん
この居酒屋で働いている人たちが主な登場人物なのですが
前半の主なところは、↓こんな人たち。 (思いっきり省略してマス)
・女性店長 北林三知子(=板谷由夏)
・アルバイト 寺島千春(=大西礼芳)
・マネージャ 大河原聡(=三浦貴大)
色々とやりたい放題 のマネージャー
知りつつも事なかれ の店長
知った不正を見逃せないアルバイト。 あぁ そういう流れか
そしてコロナ禍。
営業時間の短縮。
そしてアルバイトの人員整理。
真っ先に仕事を無くすのが
・日本国籍をもたない人 だったり
・マネージャーに逆らう人 だったり… ああぁ
仕事を失ったアルバイトの寺島千春。
決まったと思った次の仕事もドタキャンされ…(ひどいなぁ)
寝る場所も無くなり
そしてタイトルの通りの状況に…。
# この辺りで
# 正直続きを観るのがツラくなってました。(涙)
# けど、ここまで観たんだし…。 う~
日銭を稼がねば と、公園のベンチで
手作りアクセサリーを並べて店開きしていた千春。
そこに謎の婆さん登場。
「誰に断って商売してんだい?」
この婆さん(=根岸季衣)、ホームレスなのだが
実は面倒見が良いばーさんで。
そしてさらに、ホームレス仲間に「爆弾」と呼ばれる
爺さんが登場。(=柄本明だ ♡ わーい)
この二人が登場してから
作品の雰囲気が 「がらっ」 と変わった気がします。
「ドキュメンタリー風からドラマチック展開に」
この 「爆弾じいさん」
ダテにそう呼ばれているわけではなさそう。
ビルに爆弾しかけ(未遂?『服役した前科があるらしい。 ひぇ
それを知った寺島千春。
爆弾じいさんにこんな事を取り出す。
「私に爆弾の作り方を教えてください」
”人生で一度くらい、本気で世の中に抵抗してみたい”
と、熱心に訴える千春。
根負けし、爆弾製造を教え始める爆弾爺さん。
(教材が 「腹腹時計」 ! ですよ)
やがて完成に近づく爆弾造り。
本当にやってしまうのか?
さあどうなる?
というお話。
後半、一気にワクワク感が増し
鬱な展開を払拭するエンディングに
拍手するしかありません。
観て良かった。
満足です。
◇ あれこれ
柄本明(爆弾爺さん)
バクダン造りの名人(?)。
かつては三里塚闘争にも参加していたようで
成田空港の4千メートル滑走路の下には
爆弾爺さんのサングラスが埋まっている らしい …遠い目
いかにも「歴戦の勇士」 という感じが素敵です。
※ 昔読んだ 「ぼくの村の話(作:尾瀬あきら)」のことを
思い出しました。
成田闘争を描いた漫画ですが、強烈に記憶している
コトバが 「黄金爆弾」 。
無性に読みたくなりました。
根岸季衣
ホームレスの婆さん役。
最初、誰が演じているのか分からなくて
少し立ってから 「あっ」 となりました。
怖そうに見えるけど、実は心が暖かい
そんな、人生経験豊富(元は芸者?)を熱演。
存在感が素敵です。
三浦貴大
尊大に振る舞っているけれど、実は小心者。
外国人や自分に逆らうアルバイトを
コロナ禍にかこつけてクビにしたり
退職金を着服しようとしていたり …と
「イヤな奴」の役を一手に引き受けていました。
# しかし、ここまで酷いヤツは余り見ない気も…
◇ 最後に
エンドテロップ中に出てきたワンカット映像。
…国会議事堂?
何かが噴きだした あれ …炎 ?
これって
もしかして
「バクダン大成功~」 … というコトなのでしょうか 。
それとも妄想のワンシーンなのか。
このシーンだけでも色々と楽しんでます。 (不謹慎)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
意外な着地点
事件からまだ2年ちょっとだから、映画化するには早いんじゃと思っていたけど、着想を得たフィクションだったのか。
バイト先だった居酒屋はコロナ関係なく、セクハラパワハラ外国人労働者など、思いつく問題を詰め込んだ、トラブルのフルコンボ。
すごく好きな役者さんだけど、三浦貴大さんがちょっと嫌いになりそうなくらい、良いところゼロな清々しいまでのヒールを好演。このところクズ役2連続。
ホームレス生活になってから、充電がてらコインランドリーに行ったり小綺麗にしてはいたけれど、ゴミ箱の残飯を漁る所は、とても切ない気持ちになった。
後半は想像していなかった方向へ。
そしてラストは“期待していたのとは違う”と言っていいのか難しいけど予想外。
91分と短いながらも、過不足なくまとめられていると思う。
『バトルロワイアル』にも出てきた腹腹時計が実在する物だとは知らなかった。
助けてという勇気
板谷さんな映画🎬
実際会った事を元に作られている映画というのを知りみました。
柄本佑くんのDAIGO役ウケる🤣
みちこが亡くなる設定じゃないのが救い
最後、そうなるの?ていう展開
三浦貴大さんのクズっぷり
前観た映画もクズ役だったので
またクズ役かぁと思い鑑賞
店長さんなかなか好きです
社会派コメディ
シリアスな社会派ドラマかと思ってましたが、後半コメディタッチなんですね。。。
とは言え、コロナ禍の日本を今一度考えさせられる作品でした。
・ルビーモレノさん出てますね。久しぶりに見ました。
・柄本親子の共演。佑さんがユーチューバーだったのは、終わった後に知りました。
・エンドロール途中の爆破シーン。嫌いじゃないです。
底が抜けた社会
板谷由夏。綺麗だしスタイルも抜群だった。ホームレスたちは毎日お祭り騒ぎだろうね。下心丸出しで支援をエサに言い寄ってくる男がひとりもいないのはちょっと残念。
居酒屋を解雇された時に一番懇意にしていた筒井真理子を頼らないのもちょっと不思議。あのアクセサリーはネット販売すればいいのにとか思ってしまう。
しかし、それでは話が進まない。店長(大西礼芳)のあの行動に結びつかない。
後半は柄本明(バクダン)と根岸季衣(パンク芸者)のコンビがメイン。
バクダンの言う「底が抜けた社会」が印象的。
経済的に破綻した人間は交友関係を築くのが下手なために孤立したのだと言い放つのは易いが、他人への遠慮やプライドのためにホームレスを選んだ三知子。ホームレスたちの暮らしは毎日サバイバルで、孤立すると身の危険に晒される。皮肉なものだ。
怒りの矛先がマネージャー(三浦貴大)に直接向かわないのは歯痒いが、あんな小物を相手にしてもしょうがないか。
元総理があんなことになることは映画を作っていた頃は想定してはいなかったでしょうから、かなり当たりがキツい内容だったけど、期せずして時代を表した記念碑的な作品になってしまって、監督はどう思ったか聞いてみたいですね。
2020年に渋谷区幡ヶ谷のバス停で起きた女性ホームレス襲撃死亡事件...
2020年に渋谷区幡ヶ谷のバス停で起きた女性ホームレス襲撃死亡事件をモチーフにしているということで、かなりツラい映画だろうとの予測での鑑賞です。
居酒屋の住み込みパート従業員として働く40歳前後の北林三知子(板谷由夏)。
実家との折り合いは悪い上に、別れた夫の借金を払いつつの生活はキツキツ。
本職の自作アクセサリーを知り合いのアトリエ兼カフェで売ってもらっているが、まぁ金にはならない。
そんな中、コロナ禍となり、セクハラ・パワハラの居酒屋チェーンマネージャ(三浦貴大)は、三知子たちパート従業員のシフト勤務を大幅に削減し、最終的には休業、そして、予告もなく解雇されてしまう。
住み込み従業員であるから解雇されたので住居となっているアパートは出なければならない。
幸い次の仕事、住み込み介護士の職が見つかったので、助かったと思った矢先、介護施設にコロナ患者が出、施設は閉鎖、新規採用は中止、と通告される・・・
といったところからはじまる物語で、三知子はホームレスとなってしまいます。
そうだよね、ちょっとしたきっかけで転落するなんてザラ。
だけれど、転落するのは、社会的立場の弱い者だ。
三知子が働くチェーン居酒屋では、正社員は先述のマネージャのほかは、年若い女性店長(大西礼芳)のふたり。
社員の順列は、マネージャ、店長の順で、店長もマネージャの不正には目をつぶっている。
男性料理人たちと、パート女性の間にも溝はあり、せめてもの救いはパート女性たちの関係が良好なこと。
男性陣から最も格下の扱いを受けているのは、初老のフィリピン女性のマリア(ルビーモレノ)。
彼女が憤りをぶつけるシーンは生々しく、ルビーモレノの好演が光ります。
ホームレスにしばらくはどうにか食いつないでいた三知子だったが、ついには手持ち金は底をついてしまう。
1か月相当額の退職金の不払いがあり、その原因がマネージャの横領着服にあるあたりは、さすがにタチが悪い、と思う。
(このエピソードは、映画後半、暗喩・メタファーとして効いてきます)
欠食により昏倒した三知子を助けたのが、バクダンと呼ばれる左翼崩れの老ホームレス(柄本明)。
彼が三知子に対して、いまの政治状況への憤りをぶつけるあたりは少々説教くさいのだけれど、三知子が度々口にする「自己責任」という言葉が社会を悪化させている原因のひとつ。
ホームレスになったのは自己責任、悪いのは自分・・・・と、自縄自縛になって身動きが取れない。
「自己責任」と上の人々、周囲の人々、関係のない人々まで口にして、まるで自己責任で洗脳しているかのよう。
「自己責任」と政治家も口にするが、ならば政治家本人の「自己責任」はどうなのよ、「政治責任」という責任はどうなのよ、と憤ってしまう。
劇中、映像で流れる実際の映像で、ときの首相が口にする「自助、共助、公助。そして絆」という言葉がなんとも空々しく、先の首相とあわせて、彼らのメタファーが先述のマネージャだとわかる。
バクダンの手を借りて、権力に反旗を振りかざす三知子だが、それはある種、拍子抜けに終わるが、ホームレスになってから、あれほどハラハラしたこともなければ、腹の底から笑ったこともない。
そんな中、いつものように三知子がバス停で眠っていると、ネットでの無責任放言の感化された輩が「正義」の名のもとに三知子を襲撃する・・・
この後の展開は書かないが、ツラく陰鬱にならない結末がよろしい。
そう簡単ではないが、共に生きる、協して生き抜く、なんなら世間を変えてやる、といった感があります。
【”腹腹時計”コロナ禍以降、自助を弱き者に強いる政府に対し強烈な怒りとメッセージを発信した作品。共感より、不寛容な思想が蔓延する日本。ラストシーンは、高橋伴明監督の激しい怒りを示している。】
■三知子(板谷由夏)は、アクセサリー制作で成功することを夢見つつ、居酒屋でアルバイトをする日々。
だが、コロナ禍により、客足は激減し、三知子達は解雇される。
行き場所を失った三知子は、あっと言う間にホームレスになってしまう。
◆感想
・今作の、映画としてのクオリティは、申し訳ないが余り高くない。
だが、この映画が発信するメッセージは重い。
・ホームレスの派手なお婆さんを演じた根岸季衣や、バクダンと呼ばれるホームレスを演じた柄本明、片岡礼子、筒井真理子という個性派の名優が多数出演している事からも、それは分かる。
■腹腹時計:1970年代、極左であった東アジア反日武装戦線や狼が、爆弾の製造方法を記した教本。この辺りは「狼をさがして」で、描かれている。
・三浦貴大が、居酒屋の屑なボンボンを好演しているのも興味深い。
ー 良い人役が多いイメージがあるが、今作での彼は、パワハラ・セクハラ、使い込みなど本当の屑を演じている。-
・三知子が様々なホームレスと出会う中で、バクダンの影響を受け”腹腹時計”を作るシーン。そして、居酒屋の店長(大西礼芳:今作で、屑なボンボンの悪行を暴くさまがスカッとする。好人物を好演。)がバス停で寝ていた三知子をアプリで見つけ、彼女を襲おうとした男を追い払い、三知子に言った言葉。それを聞いて答えた三知子の言葉”爆弾を作らない?”
<高橋伴明監督が、自助を強いる政府に対し、大いなる憂いと怒りを叩きつけた作品。社会の経済的弱者の悲哀を描いた作品であるが、ラストの”ええっ、そんなシーン、描いて良いんですか!”は、監督の想いを示していると思った作品である。>
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