「トムクルーズ版インフィニティウォー。」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
トムクルーズ版インフィニティウォー。
デパルマ版の1作目が好きで、そのまま惰性で観続けている。
対抗馬の女王陛下のエージェントはいつの間にか代替わりが続き一旦終了。
そんな中、トムクルーズのこちらはまだ続いている。
思えば、これがここまで長寿シリーズになるとは思わなかったし、ルーサーが体格に似合わず頭脳キャラなので長生きしているし、サイモンペグが良いエッセンスで「チームとしてのミッションインポッシブル」をうまく具現化出来ている。
対してヒロインはそれぞれ変わり続けていたももの、イルサで安定。
今作は敵が進化したAIかと思いきや謎の過去の宿敵との対峙で総決算の意味合いが強く、それだけ最強のキャラと部下を設定した!
と思いきや、ところどころで詰めが甘く、盛り上がるはずのエンディングで大した盛り上がりも感じずに終わる。
これは広げた風呂敷の収め方と、幾つかの強引なサプライズ要素に起因すると思う。
デンリンガー長官がオリエントエクスプレスに搭乗するのも唐突だし、あれだけのポジションの人物が暗殺されても誰も気づかないし、なんなら観客もすっかり忘れている。
キトリッジも黒幕かと思いきや本気で善意で交渉に来ただけだったり、ジャスパーもイーサンを逃したり追ったり二重人格かと疑う程キャラが変わる。
総じてキャラクターの設定に整合性が薄く観客も困惑する。
しかしながら、ハリウッドの荒木飛呂彦事トムクルーズの永遠のエナジーは素晴らしいと思うし、トップガンからウォーロックをさりげなく連れてきたり、アヴェンジャーズからペギーやポムを連れて来るなどこれがインフィニティーウォーなんだと再認識する。
イルサの退場の仕方や諸々の不満はあるものの、読後感は良く、来年の続編も楽しみだし、トムクルーズありがとう評価で星5。
P.s. 久々の吉祥寺プラザは昭和な映画館で相変わらず居心地が最高でした。