「スパイ映画ではない。破壊映画だ。」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイ映画ではない。破壊映画だ。
前後編の構成のせいか、シリーズのクライマックスを意識しているとのコメントもあるせいか、全体的にシリアスな空気が漂っていた。
デジタル通信環境が信用できない設定であるため登場人物達は障害が立ちはだかればアナログな方法で戦うことになり、前評判通り出演陣がかなり体を張っている。ワンパターンになりがちな列車アクションであそこまで無茶苦茶ができるのは、さすがトム・クルーズとしか言いようがない。
物を壊してなんぼの気配すらあり、90年代の大味アクション作品を思わせる程。スパイ映画として、過去作のようなびっくりガジェットの登場やハラハラドキドキの潜入工作を期待していると物足りないかも知れない。だがこの怒涛の大暴れこそが「映画館で観るべき映画」の作り手としてトム・クルーズが出した答えなのだろう。
前後編ということもあり、ストーリー上の要素の殆どがチラ見せや小出しになっているため、そこに消化不良感があった。後編でこれらをどうまとめてくるか、期待している。
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