MEN 同じ顔の男たちのレビュー・感想・評価
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不気味でした(ネタバレあり)
ヒロインが教会で泣き叫ぶ声が不気味な音楽とシンクロするところは鳥肌もので良かったです。
ところで、ラストのカントリーハウス前で座っているヒロインは、やはり友人の助言通り輪廻した旦那をナタで殺して男性器を切断して口に咥えさせたんですかね。
恨み節は男の特権?
♪♪ あるーひ(ハッー)
森のなか(ハッ・パー)
フル◯ンに(ハッ・パー)
出会ったー(ハー、ハッ、パー)
ブキミなトンネルのーなーかー(ハー、パー)
フル◯ンに出会ったー 🎶
と軽やかにひとりで輪唱したい気分だったのに、そこは世にも不思議な、そして不気味な場所でした。
そうなのです、そこを訪れたあなたは、心の中の迷いや戸惑いを、あなたが〝一番見たくない現実〟としてホラー仕立てで突き付けられるのです。
悪夢ではなく現実として。
〝自省〟なんて概念とは無縁で、ただ自分かわいさの極致で相手に求める愛なんて.ホラーでしかない。
男の執着の醜さとおぞましさ。
昭和の時代、演歌でも中島みゆきでも、恨み節を発するのは女性ということになってましたが、ジェンダーレスの今の時代、どちらかというと、諦めが悪く逆恨みするのは男の特徴なのでしょうか。
ハイスピード輪廻転生
いきなりショッキングな映像で観客を惹きつけた後は、イギリスの美しいカントリーハウスをアート系映像で見せてくれます。カントリーハウスの周りの田園風景も極上のショットで楽しむことができるが、不穏で不気味なアンビエント・ミュージックがこの物語の行く末を暗示する。
恐怖のハイドアンドシークは、ビビった。得体のしれないヤツとのかくれんぼは、ド緊張の連続。ハーパーがヤツに一撃をかますんだけど、ヤツの反応がグロい。
でもグロさは、ここがマックスじゃない。ハイスピード輪廻転生というか、ハイパー世代交代って言っていいのか、監督が見せたかったのはこれなんだろうね。ゔー、吐きそう。
グロさに慣れた頃に、ジェシー・バックリーが、渾身の軽蔑の眼差しをヤツに送る。「お前、いつまでやってんの」そんな感じ。
最後は、物語からものの見事に放り出されちゃいました。ここまで、放り投げると気持ちいいザンス。
R15の中でも「描写のきつさ」がポイント。飲食等される方は後半ご注意を。
今年360本目(合計635本目/今月(2022年12月度)13本目)。
※ 今年の365本目はどの映画館でどの映画を見て迎えるのだろう…。個人的にはアクションものが好きなのだけど、来週(第3週)にはないのですよね…。
さてこちらの映画です。
主人公の女性がとある理由から、田舎にあるいわゆる「貸し別荘(というか、お城のように豪華…)」に住むことになったところ、今度はそこに近づいてくる人たちがみんな同じ人で、その人はそもそも誰なのか…、そして連続して起きる不可解な現象は何なのか…という趣旨の、まぁジャンル分類でいえば「ホラー」でしょうね。
一部で、聖書にまつわる教えなどを参照しているシーンがありますが(映画内でも、お城の近くにある教会にいくシーンがあります)、信者の方でなくても、一般的にカトリックでもプロテスタントでも、「一般的なキリスト教文化」の知識があると有利かな、という印象です。
また序盤は英語の聞き取りが(英語の映画の中では)比較的聞き取りがしやすく英語の学習をされている方にもおすすめ(後半は単にホラー映画と化するのでセリフ等が大半でなくなる)で、一方タイトルにも書きましたが、この映画はR15ですが、その大半は「描写がグロテスクに過ぎる」というもので(いわゆる大人の営みシーンは一切なし)、気にされるなら、ポップコーンやらチキンやら、その他の飲食物は最初の1時間で食べきったほうが良いかな、というところです。
女性が主人公のストーリーで、ほか男性が大半を占めますが、その中の「誰が」凶悪化するかなどはネタバレになりますので回避します。なお、公式サイトからもわかる通り、現代(2020~2022)が舞台なので、普通にIT用語なども出ますが、それらは丁寧な誘導もありますし、それが理解やネタバレその他の論点になる映画でもありません。
減点対象としては、「R15の割にはややグロテスクかな」という点はあるかなという印象ですが、それとて映倫がそう指定したならそうなのでしょうし、これで引いても0.2どまりにしかなりませんので(レーティングの一つ飛ばしかなと思えるものは0.2で統一)、フルスコアにしています。
今週は明日(土曜日)見に行く「ラーゲリ」などが気になります(こちらはもっと評価が多いようで、金曜日の夕方からの事実上の(有休をとっていない)方は「ラーゲリ」の1枠という扱いで、こちらを優先された方が多かったようです)。
さて、記念すべき365本目はどの映画館でどの映画を見て過ごすのだろう…。
男の本質への批判と心のデトックスのプロセスがうまく噛み合っていない
理想の田舎暮らしが、恐怖に塗り替えられていくサスペンス描写に引き込まれる。理屈では説明できない不条理な出来事が次から次へと起こる展開からは、片時も気を緩めることができない。
それを生み出しているのが、主人公の幻覚なのか、死んだ夫の怨霊なのか、はたまた森の精霊なのかは定かではないが、ラストの吹っ切れたような表情からは、トラウマを克服し、罪悪感から解放された主人公の心情を伺い知ることができる。
誰もが同じ顔をしていて、何度生まれ変わっても同じ顔の男たちは、「女のことを見下し、支配したがるエゴイスト」という男の本質が、皆同じで、変わることはないということの暗喩なのだろう。
ただし、彼らか引き起こす悪夢のような出来事は、主人公の抱えるトラウマとうまく結び付いておらず、特に、クライマックスの修羅場は明らかに「やり過ぎ」で、呆れ顔の主人公と同じく、恐怖を覚えるよりもシラケてしまった。
そこのところが、もう少し納得のいく形で描かれていたならば、より物語を楽しめたのではないかと残念に思った。
同じ顔に見えるのは、主観か客観か
『進撃の巨人』から着想を得たと言う脚本家でもあるアレックスガーランド。今回も映像美に抜かりなく、最後まで独創性のある作品に仕上がっている。
A24が好みそうな、村の男が全員同じ顔で登場するという不気味なテーマ設定で、男性社会で誰もが経験しうる女性差別やハラスメントを描いた。
旦那の自殺から、心を癒しに来たはずの主人公ハーパー。しかしそこで待っていたのは、主人公を追い詰める様々な同じ男たちだった。サイコホラーのねっとり感を保ちながら、最終的には同じ男が再生産される様をミスティックかつ、ファンタジックに締めくくる。
アダムとイブの禁断の果実や教会の葉の仮面のレリーフなど、聖書にまつわる話を盛り込んであるので、じっくりと読み解くともう一段味わい深いものになるだろう。
トンネルのシーンでは、声が反響する様が、全体を支配するサウンドとなり、強烈なインパクトを残す。神秘的かつ不気味さを演出する印象的なシーンなので注目したい。
SEで無理くりホラー感を演出しているところは強引さも感じるので、ややマイナスな印象。
膣から男たちが出てくる映像は圧巻。主演女優も良かった。でも、物語...
膣から男たちが出てくる映像は圧巻。主演女優も良かった。でも、物語はグダグダ。ただDV男たちが気持ち悪いという感情を呼び起こさせられる。あなたは何を望んでるの?と言うセリフがキーポイント。死んでも死んでも増殖する男の支配感情が憐れ。
今も絶えず社会に深く根付く、トキシックマスキュリニティを頂点まで極...
今も絶えず社会に深く根付く、トキシックマスキュリニティを頂点まで極めまくるどころか、天井突き破った映画。女性が社会で受ける差別や暴力を、痛みや苦しみを伴いながら、これでもかと言わんばかりに糞の極みとして投げつけてくる。ラスト20分、怒涛の聖(性)なる「儀式」が始まる。
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