「大恐慌前のイギリス貴族社会」ダウントン・アビー 新たなる時代へ りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
大恐慌前のイギリス貴族社会
1928年、英国北東部ヨークシャーのダウントンで、グランサム伯爵クローリー家の亡き三女シビルの夫トムが再婚することになり、華やかな披露宴が開催されたが、屋敷は傷みが目立ち、長女メアリーは修繕費の工面に悩んでいた。そんな時、映画会社から新作の撮影に屋敷を使用したいとの申し出があった。高額な使用料をもらえると知ったメアリーは、父ロバートの反対を押し切って撮影を許可した。一方、ロバートは母バイオレットがモンミライユ男爵から南仏の別荘を贈られたことを知った。その寛大な申し出に疑問を抱いたロバートは、家族とともに現地へ向かい、事情を確認することになった。さてどうなる、という話。
テレビドラマ未視聴で字幕版での観賞となったため、最初は登場人物を覚えるのに大変だった。出来ればキャストの相関図を把握してからの観賞をお勧めします。
1928年と言えば、1929年に始まった世界大恐慌の前年。修繕費が大変とは言いながら、もっと大変な事になるより前なんだなぁ、と思って観てた。
伯爵だから貴族の中でも最高位で、屋敷だけじゃなく相当な土地も持ってただろう。屋敷だけでも執事や食事係など従業員も多数必要だったんだな、当時の状況を知れた。
メアリーが主演女優の吹替を担当したのは、そんな中でしっかりと貴族としての教育を受けてきたから出来たんだな、って納得した。
映画撮影風景も面白く、南仏の青空や海がイギリスの空とは対照的に明るく美しかった。
当時は当然ながら船旅だったようで、それも大変だった事がわかる。
なかなか面白かった。時間があれば日本語吹替版も観てみたいと思った。