「憎らしいほど、美しい彼」美しい彼 eternal サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
憎らしいほど、美しい彼
驚くほどの高評価だったので、どんだけ面白いんだよと若干身構えていたんだけど、これは想像以上にヤバイ。完全に舐めてた。ビックリするくらい面白くて、名の通りものすごく美しい。今まで見てきたBL映画の中でも、今年公開された日本映画の中でも、この作品は群を抜いている。リピート確定。
原作もドラマも何も知らなかったんだけど、めちゃくちゃ楽しめた。でも、完璧に楽しめたかと言われれば、そうではないかも。あくまでもドラマの劇場版であるため、今まで見てきたファンが楽しめるような作りになってはいる。しかしながら、ドラマ未鑑賞でも分かりにくい部分はなく、そのうえ説明口調になり過ぎずにすんなり話が入ってくる。この作品からでも「美しい彼」への世界にのめり込めることが出来るよう設計された、見事な脚本。ファンも楽しめるし、ファンでない人もファンになってしまう。これ以上優れたドラマの劇場版が存在するだろうか?
主演の萩原利久と八木勇征はもちろんのこと、映像、描写、音楽等々の美しさが半端ではなく、スペシャルドラマではなく〈劇場版〉として制作した理由がめちゃくちゃ納得出来る、最高の劇場版でした。恋愛映画、人間ドラマで、これほどまでに映画館で見てよかった!と思える作品は数少ない。こんなハイクオリティな日本映画を見られたことが、幸せでならない。近年のドラマ劇場版は駄作ばかりであったために、この出来の良さには感動ものでした。
「十二人の死にたい子供たち」から印象深い演技をしていた、萩原利久。あの作品からさらに上達し、観客の心を鷲掴みにしながら、胸を打つ、言葉に出ないほど素晴らしい演技を魅せてくれました。ここまでの純粋さを出せる俳優は他にいませんよ。天使のような尊さ。日本映画の新たなるスターは彼で確定。萩原利久に新人俳優賞を。いや、ノミネート経験ないけど、飛び級で主演男優賞でもいい。そのくらい凄い表現力でした。
「HiGH&LOW」シリーズに出演している、八木勇征。正直、あの作品では特段印象に残らなかったんだけど、この作品を見るとあらビックリ。こんな美青年が日本映画界には居たのか!と度肝を抜かされました。いやぁ...かっけぇ。かっけぇが過ぎる。それでいて、このキャラ。ずりぃ。ずりぃが過ぎる。この作品が人気なわけだ。こりゃ、男女関係なく、日本中の人々が惚れてしまう。お風呂やシーツのシーンはもう死。萩原利久と八木勇征のバランスが非常に良く、彼らがいての面白さなんだなと実感。どちらも、本当にいいキャラしてる。そして、監督は観客のことよく分かってるねぇ...。
二人の関係性を深める、とても見応えのあるストーリーで、何度観ても面白い作品に仕上がっていると思う。恋人であり、同時にファンでもある。そばに居たいけど、傷付いて欲しくない。生きていてくればそれでいい、と言う平良。一方で、本当に自分は愛されているのか?たまには本能のままに来てくれよ。ファンである前に、恋人だろ?とそばにいて欲しくてたまらない清居。どちらの気持ちも分かるし、どちらも愛おしい。2人の愛は、ずっと見守りたいし、応援したくなる。
ん〜、まだまだ語り足りないくらい、魅力たっぷりな作品。ドラマを全て見て、また出直します。でも、ドラマを見ていない状態の今でも、既に満点の面白さ。BLだからなと遠ざけず、是非とも見て頂きたい。ホントに、最高です。傑作です。超オススメ!劇場で、ぜひ!