「今だからこそ」ナワリヌイ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
今だからこそ
新宿ピカデリー、平日午前中の回はサービスデイということもあり「ほぼフルハウス」な客入り。
「ロシア(プーチン)によるウクライナ侵略」に加え、日本でも知名度が高まりつつあるサンダンス映画祭受賞作品ということで観逃せません。
さて、昨今の「ウクライナ侵略に関する報道」で見る機会が増えたプーチンという人物。彼の理解不能な論理と、あの開き直った態度はこの映画でも揺らぐことはありません。むしろ我々からしたらその人物像について確信します。
何しろ、逆らえば毒を盛られ、その証拠を突きつければ国内メディアを自在に操り「フェイクだ」「CIAによる陰謀だ」と反論にもなっていない一点張りで、しまいにはナワリヌイ氏を有罪にして懲役刑を貸す始末。恐ろしい。
しかしナワリヌイ氏は言います、「諦めるな」と。
ドキュメンタリー映画の神髄は知らないことを知ろうとする足がかりです。そして、そのことを他人事と思わず自分に置き換えてみてこそ価値があります。
考えてみましょう。果たしてこれは、ロシアという日本とは全く違う国のことなのだろうか?
いや、日本にもつい最近まで、どれだけ証拠を並べて質問をしても「その指摘は当たらない」「全く問題ない」と切って捨てる官房長官、そして質問妨害をする司会担当の官邸報道室長や、周りにいても全く意に介さない記者クラブの面々。同じ構造だ、、恐ろしい。。。
すっかり話が逸れましたが。
ナワリヌイ氏とその家族、そして仲間、支援者、皆、恐怖に晒されつつも抗い、そして行動を起こし続けます。この映画もその「行動」の一つです。
下手なスパイ映画よりもよっぽどスリルがあります。残念なことに証拠を見つけてもなお爽快感に届かないのですが、、でも見応え十分です。
さぁ、日本もそろそろ参院選ですね。きちんと投票に行きましょう。