「何が陰謀なのか、何がフェイクなのか」ナワリヌイ ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
何が陰謀なのか、何がフェイクなのか
ナワリヌイ暗殺計画に関わった人間の特定に最大の功績のあったクリスト・グローゼフですら、始めはナワリヌイの存在をロシアの最大の敵を演じるフェイクかもしれないと思ったと語っている。何のために?なぜ?とにかく何でもありなのだ。世の中に「陰謀」と「フェイク」が蔓延り、そして不利な状況になればすべてを「陰謀だ、フェイクだ」と主張する。プーチンはナワリヌイをCIAから送り込まれた存在そのものが陰謀だと主張する。またナワリヌイがナワリヌイ暗殺計画の首謀者としてプーチンを批判すれば、プーチンはその証拠となる映像を始め、何もかもがフェイクだと平然と開き直る。
しかし一連の騒動と暗殺計画を暴露したSNSによってナワリヌイはロシアの正義と民主化の象徴としてさらに広く強く認められる。ナワリヌイは語る。「存在が大きくなればなるほどプーチンは手を出しにくくなる」と。そういう理屈もあるのか。
今ナワリヌイはロシアの塀の中に。プーチンは相変わらず政権に居座り、そしてウクライナ侵略へ。
ナワリヌイは最後に語る。「悪が勝つのは善人が何もしないからだ」。
ナワリヌイとプーチンの戦いはまだまだ続く。ロシア国民よどうする?
こういう言い方は不謹慎かもしれない。が、敢えて言おう。とにかく興味深く面白い!
上映館が増え、この映像が多くの人々の目に触れることを期待したい。
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