プアン 友だちと呼ばせてのレビュー・感想・評価
全61件中、21~40件目を表示
あったかもしれない未来。でも、実現しなかった今。だから、どうする?
予告編を観てなんだか面白そうと、思っていた作品。
やっと観ることができた。
映画館を出ての第一印象は、『いい映画を観させてもらったな〜』、『観てよかったぁ』だった。
冒頭からしばらくは、スタイリッシュでお洒落でテンポ良く満足して鑑賞。予測してた流れ。
しかし…、そこからの展開が予測を超えた展開で……、さらに没入した。
夏目漱石や太宰治、村上春樹さんのテイストもあったし…。
脚本が秀逸。
黒澤明監督や橋本忍さんの書いたストーリーみたいだなあーと感じた(ぶれや不具合がないわけではないけど…。でも、)秀逸。
元カノ達、
(踊りが好きな)アリスさん(素直な表情や仕草がとっても美しい)、
(女優を夢見る)ヌーナーさん(もの憂げな可憐な表情がとっても美しい)、
(写真家の)ルンさん(純粋。だけど地に足付けてる感がとっても美しい)。
そして、ルンさんの娘さん(天使)。
そして、そして、プリムさん(千変万化のチャーミング。美しい)、(横浜生まれだそう)。
お母さん(ホントにお姉さんみたいで美しい)も……
みんなみんな、チャーミングで魅力的で、なによりアジアン綺麗だった。
みんな、キャラが立っていて、かつ、まったくかぶってなくて、すごい。
カクテル、カセットテープ、そこから流れてくる音楽、DJのお父さん、深夜ラジオ、車、そして景色……、も、もうひとつの魅力。あと、♪nobody knows♪の音楽も。
タイの人はああやって、手を合わせるんですね。
そこも好きでした。
善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや
したたかな構図をもった青春・ロードムービー・友情映画
前半と後半明らかに主人公たちの立ち位置が変わるのだが
それがこの映画の核になるとは・・
前半の流れからは予想もつかない。
それがどうのこうのいうより、人としての生き方が?となる
ところ。善人が誰というより、この映画様々なしかけをこら
しているものだから、愛のカオスという状態までいってしまい
時代も行ったり来たりで (なんだかなあって・・)
最後の車からみせる笑顔に救われる。決して悪人ではないが
友達としては致命的な裏切りが、すべてながれさるようないい
笑顔でした。上映時間を90分ちょいでまとめたらもっと高評価
になるかもしれない。笑
ジェンダー落ちだと思ったら、全然違った。
なんかね、予告でここまで言っちゃって、、、
どうせジェンダー落ちなんだろうと、、タカを括っていたのですが、見事にやられました。ジーンと来ました。ウォンカーウァイが肩入れするだけ有ります。
タイの映画侮りがたし。
前半この監督の得意なカメラ回しとか、外連味たっぷりなんですが、段々とシンプルな繋ぎになり、じわじわ来ます。ファンタジーも中々うまく処理されてて完全にやられました。
17キロ以上痩せて2ヶ月の撮影に臨む役者根性もリアリティを担保してます。役者にここまでやらせる、そうしたいと思わせる良い脚本です。
初めに書いたミスリードはたぶん最近のアジア映画に有りがちな邦題のせいだと思う。原題はOne For The Road....最後の一杯...観れば分かりますがほろ苦い大人の映画ですわ。
odessaなので音は文句無し。 BMW 2000 csで巡るロー...
odessaなので音は文句無し。
BMW 2000 csで巡るロードムービー。
見終わった後、あー王家衛作品やなぁって改めて思った。
タイ語の映画は語感が優しい感じがした。
エモい…エモすぎる。
余命宣告された青年、その過去の片づけのために運転手を引き受けた旧友。二人のロードムービー。今回監督じゃなく総指揮なのにウォン・カーウァイ色が強烈で、1秒残らず全編がエモい映像、音楽。それがクドくなくひたすら美しいのはさすが。ラストのNobody knowsが名曲すぎる。
そして主演ふたりがさっぱりとしたなかなかのイケメンだった…
アジアン俳優がおしゃれに描かれている映画が好きだ。
確かに映像は良いが、
話の展開としてはかなり無理があるのでは・・・
この若さでの元カノの多さ
(ほとんど付き合ってないのも入ってる?)
また、ボスのカクテルの腕が良いこと?
この二人は本当の友達だったのではないよね
自己満足っぽいところで進んでいるとしか思えない
それに、最後は理解できない(治療に関する事)
少し眠くなりました
友情の押し売りだ!(笑)
始まりはニューヨークのBAR。
オリジナルのカクテルがとても美しく映し出される。
私の様なBAR好きはそこでワクワクしたわ〜〜。
真夜中に昔馴染みからの突然の電話。
聞けば病気で余命幾許も無いとか
最後に頼みたいことがあるのでタイに帰ってきて欲しい。
で、帰ってみると本当に痩せこけた元友達。
俳優さん、何キロ痩せたんだろうか?
本当に病人に見えるほど。
そこからはタイを年代もののBMWで走るロードムービー。
車も音楽も中々におしゃれな作りだけど
病気の彼の本当の目的は何なのだろうか〜
タイとニューヨーク時代の回想シーンが
結構いったり来たりするので
少々とっ散らかるけどいいシーンも多いので
楽しめると思います。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
死を前にした男が昔、傷付けた元カノに
最後に赦しを乞うて回る。
長い人生ならそんなこともあるだろうが、
たかだか30過ぎで
何人も謝らないとならない元カノがいるって
それ、クズ野郎だろう〜〜(笑)
しかも最後に飛んでもない隠し球まである。
友達だから、最後に〇〇とかって、
私には友情の押し売りに観えるんですけど〜〜
最後にカッコ良いセリフがあったので
忘備録として書いておきます。
バーテンダー 「あなたの人生最初のカクテルに
私が最初に覚えたカクテルを〜。」
「A面」と「B面」
今年の春、シネスイッチ銀座で見るともなく見ていた本作のトレーラー。「これは?」と気にはなったものの、監督の前作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち(18)』が個人的にはあまりハマらなかった(作品の主要素である「カンニング」の方法があまりに非現実的なのが引っ掛かり、物語も陳腐に見えてしまった)こともありそのまま忘れかけていたのですが、その後よく聴くラジオ番組で何度か取り上げられていたことで興味が復活して鑑賞してまいりました。
ラジオDJだったAood(ウード)の父の放送を録音したカセットテープをBGMに、プアン(友達)のBoss(ボス)と共に元カノに会いに行くロードムービーとして始まるこの作品。前半は主にAood側の背景で語られる「A面」、オートリバースで切り替わり後半はBoss側の背景で語られる「B面」として構成されています。
「A面」序盤はAoodの病気、音楽、酒、そして彼女(オンナ)で過去が語られ、割とクラシックで(どちらかと言えば)男性好みのするロマンティックロードムービーといった感じなのですが、Aoodの体調と共に徐々に雲行きが怪しくなってきます。
そして「B面」に入るとどんどんと暗雲が立ち込め、サスペンスフルな展開から時に一触即発な状況など、序盤の雰囲気など何処へやらと言った内容で、観ている我々を最後まで飽きさせません。
ヘアメイクや衣装など、ちょっとした変化で過去と現在のBossを演じ分けるトー・タナポップの演技が良かったこともさることながら、白血病患者を演じるため17キロのダイエットで挑んだAoodを演じるアイス・ナッタラットの意気込み、凄みが感じられます。そして、周りを固める女性陣も皆さん、それぞれのキャラクターが光り、二人の過去、性格と経験を重層的に感じさせてくれています。素晴らしい。
各シーンに合わせた選曲もセンス良く、さらにタイの国民的ポップ・スター、STAMP(スタンプ)の『Nobody Knows』がエンディングに心沁みる作品に仕上がっています。
(先入観があると)展開がわかりにくくなるので注意
今年240本目(合計516本目/今月(2022年8月度)16本目)。
ここの特集や公式HPから「(タイ映画でよくある)ごく軽いボーイズラブもの」という解釈もでき、実際前半はそのテイストもありますが、後者は全然違う雰囲気に飛んでしまいます。よってその「タイ映画で時々ある軽いボーイズラブもの」という観点でいくと途中からハマリが生じます。
また、映画内では「プアン」という語も出ないし(登場人物の名称でもない)、原題タイトル名も違うのですが、どうもタイ語で「友達」の意味であるようです(タイ語を書くとスマホ等で文字化けしかねないので省略)。
この前提で見ると、全般はごく軽いボーイズラブもの、後半は女性をめぐってバーを舞台にいろいろなお話が飛び交うという1つの映画で2つのテイストが楽しめる展開になっていて、ボーイズラブものといっても「ごく軽いもの」ですので(行為そのものは描写すらされない)、タイ映画といえば珍しいところもありますし、迷ったらおすすめ以上です。
採点に関しては下記を考慮しました。
--------------------------------------------
(減点0.2) この映画はその性質上、タイとアメリカのシーンが交互くらいに登場しますが、妙に字幕が変で、アメリカのほうでいえば「HOTEL」だの「BAR」だの、英検3級レベルの単語にすら全部翻訳があるのに、タイ編のほうはほとんど翻訳がなく、タイ語なんて誰でも読めるものでもないので、一部の展開がよくわからない部分があります。
ただ、この点に関してはアメリカ映画等ではなくタイ映画の翻訳の字幕担当者というのは桁の数で違うことは十分理解できるので、引いてもこの程度かなと思います。
--------------------------------------------
▼ (参考/ストーリー最後のほうで地下鉄に落ちた人を助ける行為について)
・ 場所はアメリカで、日本とはそもそも法律が違うので一概に言えませんが、日本においては、「緊急事務管理」と呼ばれるもので「生命を救うなど急迫の場合」は、悪意(ここでは法律用語ではなく、通常の意味。「積極的悪害」に近い)か重過失がない限り責任を負うことはありません。
脚本が好きです。
ウォンカーワイが関係してる事。監督の前作の面白さで観ようと思いましたが、上手く融合されていい作品になっていると思いました。ラストは少しハリウッドっぽい気がしてます。脚本とカメラワークは好きですが、キャスティングがイマイチの様な気もします。
映画的魔術で乗り切った物語
「バッド・ジーニアス」がとても良かったので今回も鑑賞。ウォン・カーウァイがプロデュースだというのは直前に知る。最近全然情報を収集できていない…。
当然予告編も一切見ていない。完全に「バッド・ジーニアスの監督の作品」というだけで観た感想。
正直、粗筋だけひととおり喋ってしまうとえらく陳腐な物語ではある。余命僅かな友人、元恋人(たち)への思い出返却の旅、所謂よくあるロードムービーがA面である。ただし、皆が苦い記憶を甘い思い出に変換してくれるわけでもなく、その辺も陳腐といえば陳腐ではある。
後半でその筋の裏をなぞるように(だからB面なのか)、物語の核心が語られる。
主人公ふたりには特段共感できるところがなかった(!)。ふたりとも複雑なものを持っているはずなのに、その辺の描写を雰囲気で乗り切っているところが…。
…と観た後ならいくらでも細かい部分をごねられるのだが、「お父さんのラジオの録音が息子へのメッセージとして機能している」のがぐっときてしまった。本筋じゃないにしても要所要所でぐっとこさせるのがよい。
あと、観ていると、お互い複雑な感情はあるけれど、主人公2人の間には、確かに友情があったように思えるのだ。友情の育まれる過程をほぼ捨象しても描ける自信があったのだろう、と思う。
理屈ではない何かが映画の物語の中にあって、振り返ればとても陳腐な「お話」な気がするけれど、映画の中に入り込んでいる間はその物語を信じられる。これこそが映画というものの魔術的な部分、と感じた。
そういう意味では描写は足りないが映画的魔術で乗り切った物語、なのだろう。
演出はおしゃれというよりは…古き良き?というか、アングルなどはハッとさせられる部分もあるのだが、全体的に新しさは感じなかった。雰囲気で場を保たせているというか…、いや、まあ、もっとどろっとざらざらとしたら全然違う映画になっちゃうとは思うのだが。雰囲気第一だから…。
いる〜?
いや、3人分の元カノのエピソード消化したあとにあの展開って、そこまでの話いる〜?って思っちゃったよ。全然関係なくない?
映像的には良い感じではあるんだが、ウォン・カーウァイっぽ過ぎた…
ちょっと期待しすぎたかな。
激甘口。
ビターな青春譚に見えて激甘口。
お坊ちゃま故の苦悩に同調できず幕。
そんなに苦悩でもなくね?
美女を数人渡り歩けた痩せ型モテ男、
難病罹患の後に本気でしたと泣き言言われても
何だかなあ。
こうなると泣かせあざとい系タイトルも鼻に付く。
尤もらしいが要はツマラン。
友だちって呼んでいいと思う。
元カノに会いにいくロードムービーと思いきや、後半の意外な展開がよかったし、女優さんそれぞれとても魅力的でした。
何より主演の2人のことをどんどん好きになりました。
それぞれの人を表すカクテルがとってもおしゃれでカクテルが飲みたくなる映画です。
カクテルは綺麗な色だったり甘かったり酸っぱかったり苦かったりするけど、それぞれがよい思い出でありこれからの関係も表しているのでしょう。
カセットテープというレトロなアイテムが風情があり良いスパイスになっています。
音楽にもう少しインパクトがあったらもっと良かったかも。
撮影が始まるまでは、ウォン・カーワイがプロデュースして関わっているとの事で何となくその雰囲気は伝わってきました。
友だちかどうかは相手がどう思ってるかにもよるので、友だちと呼ばせてという謙虚な副題はちょうどいい感じに思えました。
サントラほしい。。
ウォン・カーウァイのプロデュースということで、期待値高しで😅
バッド・ジーニアスが面白かったので、それもありで。
場面の切り替わりとか、なんとなく懐かしい感じ。。ウォン・カーウァイよりなのかな。
カセットテープと共に旅するのも、ノスタルジー。
シネスイッチ銀座、混雑してました、。待合何とかならないかなあ。と、思いながら帰宅😅
元カノめぐり映画の新境地
元カノたちのところを訪ね歩く映画は、男が考える物語って印象がある。「ハイ・フィデリティ」とか好きな映画なのだが、男のウジウジした感じが全開の、でもとても愛おしい映画だった。そう、やはり男はこんな感じで元カノの思い出を頭の中に大切に置いていたりする。
本作はそんな元カノめぐりの映画と思わせて、意外と後半のどんでん返しメインの話だった。ウードの父が持っていたBMWでかかるラジオ番組の録音テーブ(流れる曲もいい)や、カセットテープのA面(ウード)とB面(ボス)の構成はなかなかいい演出だった。元カノめぐり映画の新境地だ。
でも、ウードの行動と女性の描かれ方がどうにもしっくりこない。ウードは自分が死にそうなときにいろんなことを告白していたが、それは自分がNYからタイに戻るときに言うことなんじゃ?って気になってしまう。そして自分からフッた女性がいつまでも自分のことを待っててくれると思うのはなんて図々しい考え方だろうとも。
だから本来もっと感動するラストなのにまったく心が動かなかった。そうなんですか、へぇ、そりゃよかったですねって感じ。それでも点数を3にしているのは、自分でもよくわからない。やはり元カノめぐり映画が好きだからなのかも。
全61件中、21~40件目を表示