「穴だらけのストーリー。穴だけに。」#マンホール ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
穴だらけのストーリー。穴だけに。
どうして、最初に警察に連絡しないんだと疑問を呈している人が山ほどいますが、寝てたのか?としか思いようが無い。
ちゃんと終盤で理由が明かされているではないか。
ただ、そんな私でも、解せなかった点はいくつかあり、
まず川村が、SNS上で助けを求める、という展開がどうにも釈然としない。
確かに現代的といえばそれまでだが、まるで最終手段のように縋っているのは違和感があった。
例えば、川村がSNS好きである、とか、そういう設定が欲しかった。
あと、加瀬はどうなったのか。
そしてボウガンは、いくらなんでも無理くりすぎて当惑した。
とどめに、例の爆発のシーンは解せなかった。
所謂、ワンシチュエーションスリラー映画は、これまでにも枚挙にいとまがないほど作られてきた。
しかしこれが邦画では意外と珍しかった気がする。
あの手この手で状況を打開しようとする痛快性、
疲弊していくフィジカル、
スマホを駆使しするという現代性、
次第に帯びていくサスペンス性、更にタイムリミット要素もこれを加速させる。
欠点は多いものの、それでも、埋もれさせるには勿体無い一作だと感じた。
なによりタイトルバックが良かった。
開始たった5分で事が動き出すと言うこの簡潔さが素晴らしい。
100分という尺も丁度良い。
奇しくも、地上600メートルの高さで孤立してしまったスリラーの「FALL/フォール」と同年に公開されている。
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