「「衝撃の展開」が飛躍し過ぎていて、物語が破綻してしまっている」#マンホール tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「衝撃の展開」が飛躍し過ぎていて、物語が破綻してしまっている
ほぼ、マンホールの中だけで物語が進行していくが、時々挿し込まれるスマホの音声と画像(動画)の使い方がいいアクセントになっていて、飽きることはない。
ネット民の調査能力が警察よりも頼りになる反面、平気でプライバシーを晒したり、独りよがりな正義を振りかざしたりするところも描かれていて、いかにも今風な面白さもある。
と、中盤までは比較的楽しみながら観られたのであるが、「衝撃の展開」があまりにも突拍子もなくて、呆然とさせられる。
主人公が、過去に、そんな大それたことをやらかしていたのであれば、穴に落ちた時点で、当然、そのこととの関連性を疑うだろうし、穴の場所も、すぐに思い当たるはずである。そもそも、過去の企みが、そんなに簡単に成功するとも思えない。
一方の、真犯人の方も、どのようにして穴の場所を知ったのかが不明だし、それが分かった時点で、すぐに警察に通報して、法の裁きに任せてさえいれば、あんなに手の込んだ、回りくどいことをする必要はなかったのではないかと思えてしまう。
へたに「奇をてらった」がために、せっかく面白くなりそうだった話が現実味を失い、破綻してしまったのは、残念としか言いようがない。
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