「この作品が世の中に出てくる過程を知りたい」ウラギリ Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品が世の中に出てくる過程を知りたい
脚本教室で生徒が発表するような脚本なの。
親友に30万円を貸したら借りパクされて、「裏切られた!」と思ってグレてんだけど実は親友は返済のために頑張ってて、「親友を裏切ってたのは私だ!」って反省して返済に来る親友を待ってたら、「親友、交通事故に遭った!」ってなってそのまま死んでお金も持ってなくて、「どういうことなんだ!」っていうと同じ会社の人が返済する金盗って親友を殺してましたって話なの。
書いてて、頭がクラクラするね。
タイトルが《ウラギリ》だし、オープニングで「私は、後悔してる」って岡田結実が走ってるから、『どんだけ凄いウラギリに遭うんだろう』と期待してみてたら、「30万円借りパクされました」ってだけで引いた。確かに、実生活であったら凄い話かも知れないけど、映画にするような話じゃない。
親友もなんでお金が必要か言わないのね。「家族のことは言えないよ」って理由にしてるんだけど、お母さんの入院費用が必要だって話なの。だから、しっかり話せばね、会社の人も貸してくれたと思うし、キャバクラで働くのも援交も必要なかったよね。無茶なんだよ。
それで、親友が会社辞めてね。主任だけは理由知ってるの。それで主任は先輩社員には理由を教えるけど、岡田結実には教えないという、なんでだ。
しかし親友はがんばって借りた30万円を返しに来た。でも、音信不通でいる必要ないね。むしろ普通に会社に勤めてた方が早く返せたのでは。
しかし、返しに来た親友は事故に遭ってしまい、そのまま死んでしまう。作者の都合で簡単に人を殺すな。
だが主人公は突然、探偵属性に目覚めた。「親友は車に飛び込んでなんかいない。犯人はお前だ!」と先輩女性社員を指摘し、しらばっくれる女性社員を「この封筒にあなたの指紋が付いているはず」と追い詰める。
先輩女性社員も「ホスト遊びに金が必要だったのよ」と自白する。30万円のために人を殺す恐ろしい世界だったよ。
でも一番恐ろしいのは、この話で映画化に耐えると思ったスタッフの皆さん。
どこかからお金を引くことができて、この脚本でも映画化できるって、楽しそうで良いなと思いました。