「不思議な終末感を醸し出す、静謐なディザスター映画」とおいらいめい 最凶線さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な終末感を醸し出す、静謐なディザスター映画
この作品はいわゆる一般的なディザスター映画ではなかったです。
舞台は、巨大彗星が衝突することが確定している架空の日本の田舎町。
しかし、ハリウッドの地球滅亡系の映画とは違い、どこか自分の運命を悟ったような諦観を漂わせた登場人物たちが滅亡間近の田舎町でささやかな日常生活を続けているというストーリー。
今まであんまり見たことがない終末世界の描き方だったので新鮮さはありました。(もしかしたら、ラース・フォン・トリアーのメランコリアの雰囲気と近いのかもしれません。)
けれど、個人的にはあまりにも静謐すぎてちょっと退屈してしまいました。
ただストーリー的にはあんまりピンとこなかったものの、構図と登場人物の配置は本当に素晴らしかったです。
切り取った空間のなかで登場人物たちをどのように動かしたら魅力的な絵になるのか、それを理解しながら撮影をしているように感じました。
個人的に好みの作風ではなかったですが、ラストの荘厳な一枚絵を見れただけでもこの映画を観る価値はあったんじゃないかと思います。
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