「登山家たちの情熱に圧倒される佳作」神々の山嶺(いただき) たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
登山家たちの情熱に圧倒される佳作
渋谷ユーロライブでの試写会にて鑑賞。
登山家が命懸けで山頂到達に挑む姿は、危険極まりなく、すごいアングルで描かれたショットの連続にハラハラさせられっぱなしであった。
また、想像できないほどのアングルで登山中のサスペンス状態を見せてくれると同時に、風景を捉えたショットは「実写?」と思わせられるリアルさが素晴らしい。
「何が彼らをそこまで熱くさせるのだろうか…」と思ってしまうが、登山家たちも山に挑む理由を突き詰めるというよりは、「一度、山に憑りつかれたら、登山はやめられない」という沸々とした情熱が伝わって来るような映画であった。
この映画で綴られる「登山」は「絶壁の崖のぼり」もあり、垂直の岩壁をのぼる凄さは実写では困難。
CGを使えば映像化は可能かも知れないが、本作はアニメーションならではの温かみを感じる映画である。
自分は登山はしたことないが、井上靖の原作を読んで映画も観た『氷壁』、ザイルを切って夫殺しの容疑者にされる若尾文子の『妻は告白する』など、登山を描いた映画は幾つか観ている。
しかし、本作ほど「迫力ある登山映画」は初めてであり、観ている間、圧倒されまくった。
この映画、セザール賞の最優秀アニメーション映画賞を受賞したとのことだが、それだけの価値はある傑作と言えよう。
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