アンドリュー(Cooper Raiff)は大学を卒業したが目標が定まらずアルバイトをしながら実家住まいをしている。歳の離れた弟と同部屋に寝起きしつつ、母親の新しい良人につらくあたる。
ユダヤ人の成人を祝うパーティで才能を発揮した彼はコミュニティからパーティースターター(パーティの盛り上げ役)という仕事をおおせつかり、ドミノと自閉症の娘ローラに会い、はかない恋愛をへて大人になっていく。・・・。
Imdb7.3、RottenTomatoes85%と61%。
2022年のサンダンスで観客賞を獲り、AppleTVが配給権を約20億円(1,500万ドル)で買い取ったそうだ。
原作・監督・主演をこなすCooper Raiffの才能が注目されている。この感覚は外国映画ではしばしば見るが日本映画ではあまり見ない。この感覚とは・・・。
ペーソスという言葉を辞書でしらべると『なんとなく身にせまってくるうら悲しい感じ。しんみりとした哀れさ。』とあったがそこに滑稽さを加えた感じ。
間接的であたかも浮遊しているような悲しさや可笑しさ。
ビルフォーサイス風のVive。
ボネガットみたいな悲劇と喜劇の狭間。
ソフトでもハードでもないマイルドタッチの哀感。・・・。
──という感覚の気鋭らしいフレッシュな映画だった。
似たような帯域のペーソスとしてはMe and Earl and the Dying GirlとかBig Time AdolescenceとかBefore I DisappearとかThunder RoadとかAbout ScoutとかThe Peanut Butter Falconとか・・・。
滑稽さの入り混じっている愛おしさと、かなしいに悲をつかわないで哀をつかう、やさしさの感覚。・・・。
とは言えドミノ(ダコタジョンソン)は何を考えているのかさっぱり解らない女だった。勘違いさせてしまう態度にもかかわらず、ふしだらには見えない。まさしく彼女はメラニーグリフィスとドンジョンソンの中間だった。
またLadyBirdやLetItSnowにちょい役で出ていたオデイアラッシュという中東値の入った女優がやはりすごくシーンスティールする顔だった。
よかったけれどやや甘すぎるのとカメラが近すぎる。あと髭剃ってよ。