「どこかもどかしいハッピーエンド」恋人はアンバー 加田瀬恋さんの映画レビュー(感想・評価)
どこかもどかしいハッピーエンド
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従来のような男性主人公と女性ヒロインという位置付けであれば、一般的なハッピーエンドは両者が結ばれることにある。実際、エディとアンバーはぎこちないながらも、途中までは共依存の関係である。しかし、同性愛者である2人が作品の最後に結ばれることは、同性愛の否定を意味する。それが例え友情という形であっても、作品上では同性愛者から異性愛者への転換を意味する。
また、アンバーは自身が同性愛者であることを受け入れ精神的に自立している一方、エディは同性愛者であることを自覚しながらも、受け入れられず自立できていない描写は、男性(的)だから女性(的)だからでは片付けられない描写である。あくまでも、エディとアンバーの個性であり、2人だからこその関係性である。
さらに、2人を取り巻く環境が同性愛に対して否定的であるということを最大限に描写する(例えば、協会による性活指導や離婚法の可否など)ことで、2人の孤立感を強調し、より観客が2人に共感し応援できるような作りとなっている。
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