「エディとアンバーの友情を描いた青春映画だった。」恋人はアンバー 風の又三郎さんの映画レビュー(感想・評価)
エディとアンバーの友情を描いた青春映画だった。
エディとアンバーは同性愛であるが、自分の性的指向に対する考え方は異なる。アンバーは自分がレズであることを当然のこととして生きるつもりだ。一方エディは自分がゲイであることを受け入れられず、ゲイであることから目をそらし否定して生きていくことを選ぶ。
後半、アンバーがレズであることをみんなが知ったとき、エディはアンバーに「レズはあっちいけ」みたいな罵声を浴びせ傷つけてしまう。自分はレズやゲイなんて認めない「フツー」の考えの持ち主であるかのようにふるまう。私は、まったくもうアンバーのこと傷つけてエディ最低ェ~ ( `Д´)/ と怒っていた。
しかし、ここでオヤっと思ったのは、いじめっ子だと思っていた男の子がエディの態度をとがめたことだ。イイやつじゃないか。エディのパパも途中からマッチョを無理強いしないし、エディがゲイであることに気づいたママも何かあったらいつでも言って と優しい。 とくに弟くんがイイ味出してた。
終盤、エディが自分がゲイであることを否定し軍に入隊する日、アンバーが町から出るために貯めたお金をエディにあげてこの町から出るように言う場面がいい。アンバーがエディに自分の思うままに生きるように訴えるところは感涙ものだ。このラストを描くために今までイロイロ描いてきたのだと思った。
最近、人物設定が同性愛であることもよくあるし、同性愛であることの苦しみや葛藤を描いた映画も多い。 だから見慣れてしまったせいか、中盤までは 「最近こういうの多いから特に衝撃的でもないな」 とか思って見てたのでラストでやられたと感じた。\(^-^)/
ここで終わると思っていたらもう1つ感動がある。エディが町から出て電車の中でアンバーにもらった缶を開けると写真が出てくる。2人で撮ったプリクラの半分がちぎって入ってる。エディがほほ笑む。この写真が今後エディが苦しいとき、悲しいとき、悩んだときの支えになる宝物になるのは間違いない。御守りみたいなものだ。アンバーと離れていてもこの写真がエディに勇気をくれるのだ。この時この映画が同性愛のことを描いたのではなく、むしろ2人の友情を描いた青春映画だったのだと気付いた。気付くの遅せー (^^) 。2人は親友というより戦友といったところか。