劇場公開日 2023年7月7日

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「まっさらな気持ちで観て欲しい、稀代のラブコメディ」1秒先の彼 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5まっさらな気持ちで観て欲しい、稀代のラブコメディ

2023年11月10日
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鑑賞方法:映画館

昨年台湾版オリジナル「1秒先の彼女」を観て、近年のロマンティック・ラブコメディの中でも群を抜いて面白かった。そんな「1秒先の彼女」が岡田将生と清原果耶で日本版リメイク!と聞いたら観に行くしかない。

1秒早いシャオチー(女性)が岡田将生演じるハジメくんに、1秒遅いグアタイ(男性)が清原果耶演じるレイカちゃんに、それぞれ変更されている。
「せっかち」と「おっとり」の性別を入れ替えることで何か変わるのかなぁ?と思っていたけど、後半に明かされる種明かしを含め、説得力が増した感じがする。
予告編でハジメとレイカの表記がカタカナにされていることも、観終わると納得しかない。
台湾版ではその辺の説明が無くて、「なぜこんな事が起きたのか?」については明かされない。明かされないけど、起きちゃったんだもん。起きたことに文句云われても知らんよ。ってな感じで、まぁ、それはそれで良い。
そこを独自解釈で補足してるけど、その解釈が日常生活の中で誰もが一度は感じたり、自分じゃなくても誰かが愚痴ったりしているのを聞いたことがあるような、身近な要素だってところもポイント高い。

ストーリーはほとんど一緒で、所々日本にローカライズされていて、そのおかげで台湾版では「そんなもんなのか?」と流していた部分も完璧に受け止めきれる。
ただ!もしもそんなことが可能なら、オリジナル版の記憶を消して、まっさらな気持ちで観たかった!
もっと新鮮に驚きたかった!なぜ去年オリジナル版を観てしまったのか…!
もし、「1秒先の彼」を先に観ていたら…、多分大絶賛だろうなぁ。脚本も演技も最高に良かったもん。ハジメの、あの「残念なイケメン」感は岡田将生の持ち味だし、レイカらしい飾らない美しさは清原果耶の清々しさがベストマッチだし。
でも、去年「1秒先の彼女」がめちゃめちゃ面白かったから、期待感マックスで観に来たんだよなぁ。どうすればよかったのでしょうな?

今回は、ラストシーンでハジメと同じくらい色んな気持ちがごちゃまぜに押し寄せてきて、何だかホロリときてしまった…。
驚きと新鮮さは先に観た「1秒先の彼女」なんだけど、感情的な盛り上がりと納得感は「1秒先の彼」に軍配が上がる。
この映画はネタバレなしで、実際に観て愛し愛されることの奥深さを味わって欲しい。台湾版観ていないなら、観ていないままで堪能して欲しい。
観ている人は日本版で追加された謎解きに「なるほど!」と、腹落ちして欲しい。
七夕公開な所も心憎い、素敵なロマンチック・ラブコメディですとも!

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つとみ