「みごとな翻案と思うものの」1秒先の彼 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
みごとな翻案と思うものの
原作は面白かったんだけど「それは、犯罪では」という感じが残ってしまったんだけど、男女を逆にするとそこが消えていいね。
そして前半はヒロインが映らない。「誰なんだろう?」と思いながら観てて「そうだ。清原果耶が出てるから観に来たんだった」って、出てきたときは嬉しくなったね。
そこまでの京都弁のやり取りもいいね。「京都の人、こういうことやりそう」って感じで続くの。岡田将生のアクセントはちょっと違うと思うんだけど、そこはスルーできる感じ。
「妹、いい女優さんだな」と思ってみてて、これも途中で「そうだ、片山友希が出てるから観に来たんだった」と思うのね。
エンドロールで「そうだ松本妃代……」とも思うね。
それで清原果耶パートが始まるんだけど、ここからちょっと萎える。
話は相変わらず面白いんだけど、この「一回やってみせて、その後で『実はこのとき』とやる」形式が、いまの流行りだよね。
クドカンの手にかかれば、そんな流行りの形式で、面白い話を書くのは簡単なんだろうな。
だからこそ、ここまで二つの視点を引っ張る必要なかったでしょ。失われた一日だけを異なる視点でやれば良かったはず。
それでもうまく話はまとまってると思ったんだけど、最後に清原果耶が交通事故にあうよね。これ、いる?
「清原果耶に気づいた岡田将生が一年間待ってました」って言いたいから、二人を引き離しとく必要があるんだけど、その理由で事故による大怪我ってのが安易だよね。そんな作者の都合で登場人物を苦しめないで欲しい。
作為が目についたところが「今一つ」と感じてしまうんだけど、前半の引っ張り方はすごく面白かったし、良い作品だと思うよ。