「清原果耶は悪くないが」1秒先の彼 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
清原果耶は悪くないが
2020年に台湾で製作されたオリジナル「1秒先の彼女」
(原題:消失的情人節 My Missing Valentine)は鑑賞済。
オリジナル版が好きだったのと清原果耶の出演作を
スクリーンで観たかったのが鑑賞動機。
しかし残念な作品だった。
男女の設定を変えたのは別に問題ない。でも脚本・演出が
違和感だらけ。宮藤官九郎は好きでも嫌いでもない。ただ、
この人の脚本は当たり外れがあるというのが自分の印象。
好きな人がいてもかまわないが自分には合わなかった。
くだらない雰囲気を出して出演者におちゃらけた話し方を
させれば面白くなるでしょ、みたいな軽薄さが漂っていて
好きになれなかった。地上波テレビでひな壇芸人が
わーわーぎゃーぎゃー騒いでいるバラエティー番組を
見せられている気分。話している内容は全然心に刺さらない。
岡田将生の演じたハジメが陽キャで清原果耶のレイカが
陰キャという対比を強調したかったのだろうが、ハジメが
ただの中身のない人物にしか見えなかった。ちょっと不思議な
恋愛物語になるはずだがこんな薄っぺらい男だったらむしろ
レイカに会わない方が良いとさえ思った。
レイカはなかなか登場しないし。ようやく登場しても全体が
軽薄な雰囲気の中で清原果耶だけまともな演技をしているもの
だから、彼女の存在だけが浮いてしまった。別に清原果耶の
せいではなくて、そういう映画にしてしまった製作陣が悪い。
コメディ・タッチを強調するならレイカの描き方も
工夫するべきだったのではないか。
ある瞬間から非日常の世界が展開するのはオリジナルを踏襲。
ただ、ラブストーリーを謳っているにしてはロマンチックな
雰囲気が足りなかった。
清原果耶の将来に期待を込めて星はおまけした。