「【”傷ついた私の心に寄り添ってくれて有難う。忘れないよ。”今作は、クドカンの作品設定&伏線回収に長けた脚本も宜しきファンタジックな幼少期からの女性の恋物語である。清原果耶さんの魅力満載作品でもある。】」1秒先の彼 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”傷ついた私の心に寄り添ってくれて有難う。忘れないよ。”今作は、クドカンの作品設定&伏線回収に長けた脚本も宜しきファンタジックな幼少期からの女性の恋物語である。清原果耶さんの魅力満載作品でもある。】
ー ご存じの通り、今作は2021年公開の台湾映画のリメイクであるが、山下監督とクドカンは、彼の秀作を素敵にアレンジメントした作品に仕上げている。-
■長宗我部レイカ(清原果耶)は、幼き時両親を自動車事故で亡くし、一人っきり。そんな時幼き皇ハジメ(柊木陽太:「怪物」でクイアの男の子を演じていた。名子役である。)は、彼女を励まそうと笑いで、勇気づけてくれていた。
そんなハジメに対し、レイカはその後も二人だけの秘密のポストで手紙のやり取りをしていた。
今作は、矢鱈と長い苗字の登場人物が多い。重要な役である、荒川良々さん演じたバスの運転手や、ハジメの失踪した父(加藤雅也)の本名も相当長く、覚えきれず・・。
だが、その長さが本作の重要なポイントになっているのである。上手い。
◆感想
・メインストーリーはオリジナルを踏襲しつつ、クドカンの脚本は前半多くの小ネタを含めた伏線を仕掛け、後半それを見事に回収していくのである。
・秀逸なのは、時が止まる理由である。
苗字の長い人は、自分の苗字を書くのに時間が掛かる。
それを”神様が時間を返してくれる。”と言う設定である。
確かに時が止まった時に動けるのは、長曾我部レイカを始め、苗字の長いバス運転手とハジメの失踪した父である。
・ハジメは鴨川象沿いで歌を歌っていた桜子(福室莉音)に恋をするが、彼女は実は余り素性が宜しくない事にレイカは気づく。
そして時が止まった時に、ハジメを救い、幼き頃から、願っていた事をバス運転手の協力を得て実行するのである。
ー 桜子に勇気を持って直談判し、啖呵を切り、バス内で桜子のために用意した40万を掏られそうになっていたハジメのポケットから40万を一時的に預かり、天橋立で念願のハジメとのツーショットの写真を撮るのである。
清原果耶さんの抑制した演技や桜子に啖呵を切るシーン等は、最早、流石の領域である。-
■伏線回収の幾つか
1.ハジメの失踪した父がそうめんを食べる時に”茗荷が必要や・・。”と言って失踪するが、時が止まった時に、ハジメの母(羽野晶紀)の手に茗荷を置くシーン。
2.時が止まった中、レイカがハジメと母と失踪した父の”家族写真”を撮るシーン。- とても、良いシーンである。-
3.ハジメの失踪した父が去る際に、レイカに”パピコを渡してやってくれ”と言うシーン。
<ラストシーンは特に秀逸である。ハジメはレイカが居ると思い、天野橋立の郵便局に異動してくるが、彼女はいない。劇中でもレイカがトラックに撥ねられる直前のシーンが映されておりハラハラするが、彼女は漸く松葉杖を使いながら、ハジメが勤める天野橋立の郵便局にやって来るのである。
今作は、山下監督とクドカンの脚本が最良の形で、オリジナリティ作品をリメイクした作品であると思います。>
しかも、6ポイント溜まっていたので無料鑑賞でした笑 ほぼ空回しと変わりません。
本作、七夕にピッタリの大人の恋愛映画でしたね。京都を舞台にしたのが、今回の最大のポイント。おかげで岡田将生と清原果耶の笑えて可愛らしい関西弁が聞けたので、宮藤官九郎には感謝です笑
お気持ち、すごく分かります。別に慌てる必要ないのに、公開日に見たくなる中毒。レビュアーとしての謎の使命感からでしょうか。徹夜のお仕事、そして映画オタクとしてのお仕事、お疲れ様です☺️