「美しくも儚く無情に時は静かに進んでいく」帰れない山 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
美しくも儚く無情に時は静かに進んでいく
スタンダードサイズの画角が見事にまでハマっていたように感じました。
最初スクリーンを見た瞬間、ワイドじゃないから映像には期待できないのかなーと思ったものの、終わってみれば内容よりも映像自体が素晴らしい作品だったと思えるような作品でした。
それにしても、山々をワイドに捉えるのではなく、縦にそびえているように映し出すこの手法は、かなりの発見なのでは─、別に新しいものではありませんが。
とにかく、構図がことごとく決まっていた印象でした。しかも、カットカットのテンポなども見事で、ゆったりとしっかりとしていながら、決して飽きることがないような絵つなぎ─、まさに時間はゆっくりと、しかしながら確実に進んでいるのだという印象を体感できる作品だったような気がします。結構な長尺でしたが、飽きることなくてじっくりと味わうことができた印象です。
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SHさんのコメント
2023年5月7日
素人考えだと、大自然を広々と捉えるのには横長でワイドに映し出した方が迫力があるんじゃないかなーと思うわけで、だからこの作品がはじまった瞬間、スクリーンの左右のスペースが使われていなくて「もったいな!」と思ったりしたのですが、いざ映し出される山々を見せつけられると脱帽するしかありません、といった感じだしたねー