MEMORY メモリーのレビュー・感想・評価
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ニーソンはもちろん、ガイ・ピアースの熱い演技を堪能できる一本
いつもながらのリーアム・ニーソン映画であることは確かだ。暗殺者の彼は並外れた強さを発揮し、人殺しという悪人でありつつ「エキスパート」なことに変わりはない。だがそこにツイストを少々。まずは主人公にアルツハイマーを発症させ、自らの記憶力が定かでないこと、この仕事も潮時であることを痛感させる。さらに自らの倫理や流儀を根底から否定するような出来事が起こり、彼の怒りの銃は依頼主や組織の側へ向けて火を吹くことに・・・。「007」シリーズなどを手掛けたマーティン・キャンベル作品なだけあって、剛腕監督ならではの気合いの入ったドラマとアクションが楽しめる。物語上の散らばった要素をまとめ上げる付近で演出の脆さと爪の甘さを露呈してしまうものの、普段はクセモノ役ばかりのガイ・ピアースの一直線で熱い演技が作品的な弱さを埋め合わせる。かくもニーソンとピアースによるデュアル構造の映画として見る分にはそれほど悪くはない。
「メメント」のガイ・ピアースが共演しているのがミソ
リーアム・ニーソンは舞台俳優出身で、キャリア前半はアカデミー主演男優賞ノミネート作「シンドラーのリスト」など演技派として鳴らしていた。だが、2008年に犯罪組織に誘拐された娘を単身救いに行く元CIA工作員を演じたリュック・ベッソン製作の「96時間」が大ヒットして以降、ニーソンが無双の活躍をするアクション映画がコンスタントに作られるようになり、気がつけばもう15年にもなる。現在70歳、近年はさすがにスピーディーな格闘シーンなどは減ったものの、狙撃手役を演じたり、本作のように認知症を患っている殺し屋だったりと、年相応の設定で身体的な負担を減らしつつ新味を出そうとする製作陣の苦労がしのばれる。
ニーソンが演じる殺し屋アレックスは、忘れてはならない重要な手がかりを腕にマジックでメモする。このくだり、クリストファー・ノーラン監督作「メメント」を思い出した人も多いのでは。同作で記憶障害を持ち妻を殺した犯人を復讐しようと素人探偵活動にいそしむ主人公を演じたのがガイ・ピアース。そのピアースが、この「MEMORY メモリー」では記憶障害の殺し屋を追う捜査官というひねった配役が面白い。なお、原作はベルギーの作家の小説で、2003年に同国で映画化され、今作はそのアメリカ版リメイクということになる。
モニカ・ベルッチも重要な役で出ていて、B級アクションっぽい話の割には共演陣もまあまあぜいたくだ。
リーアムおじさんらしい作品
リーアム・ニーソンらしい孤高の殺し屋を演じた、2023年のサスペンス・ミステリー作品。リーアムおじさんの作品は、どうしてもこうしたこうした作品に落ち着くものですね。歳はそれなりに重ねてきたものの、相変わらず元気なアクションもみせてくれているのは嬉しい限り。
今回のリーアムが演じたのは、これまで完璧に仕事を熟し、闇の世界では名を挙げていた殺し屋アレックス。しかし、アレックスも歳には勝てず、アルツハイマー病を患い、記憶が正しく覚えることができなくなり、殺し屋からの引退を決意していた所に最後の依頼が届く。
そのターゲットとなったのが、少女売春を強要されていた13歳の少女。『子どもは絶対な殺さない』という信念を貫くアレックスは、依頼を破棄して少女の命を助けた。しかし、その少女は、その直後に別の殺し屋によって、銃殺されてしまう。これに衝撃を受けたアレックスは、少女殺しの裏に何があるのか、独りで調査を始めると、そこには大富豪が顧客なって、財閥が運営する少女売春と人身売買の存在が明らかになっていく。アレックスは、この組織を潰すために、孤軍奮闘して乗り込んでいくのだが…。
主演のリーアム・ニーソンを脇で支えたのが、FBI役のガイ・ピアーサ。『メメント』で体中にタトゥーを入れて、尖っていた若造だったのが、髪の毛もあがり始めて、こちらもオジサンの仲間入りしたと感じた。その他にも財閥の悪の親玉に、モニカ・ベルッチが務め、こちらも、顔の皺が目立つようになり、ドスの効いた女王様を演じていた。
「正義」とは「私自身」
暗殺者にアルツハイマー病を掛け合わせた作品
ただ、物語上にアレックスのアルツハイマーが影響している部分は極めて少ない。強いて言えば、彼の「流儀」に反する依頼と病気の進行が、アレックスが行動する原動力になっているのかもしれない。
この作品は、
世界中いたるところで蔓延っている悪に対する解決手段の最終形態を描いている。
暗殺者にも「流儀」はあるのだろう。
13歳の少女などターゲットにできない。
アレックスは家系的な病気だと思われるアルツハイマーの発症を自覚、同時に暗殺の仕事を引退するつもりだった。
旧友のごり押しで引き受けたものの、まさかターゲットが13歳の少女だとは思わなかった。
彼は裏切り者とみなされ、その旧友が仕事の引継ぎと後始末を任される。
「悪の法則」 「カルテル」
アレックスが狙われるのはよくわかる。それがカルテルだからだ。
そして悪の象徴が「白人富裕層」
その女ボスがダバナ 不動産王
しかし、
息子の趣味のためにダバナが力を貸しているのは理解できるが、ダバナ自身の動機が見当たらない。
おまけにダバナは「寂しい」 「側近の誰も信用できない」
単なる組織の原動力
だが、
おそらくFBIの上司2名は、カルテルの「お世話」になっているのだろう。
ダバナに何かあれば、顧客情報の中に自分の名前があるかもしれない。
これこそがこの作品の「上司」の姿だろう。
最後の大どんでん返しは、マルケスの行為とリンダが囁いた祈り。
大勢の被害者が出たメキシコの人身売買で殺された少女たちへの祈り。
最後にできるのが「復讐」という悲しさ。
芋づるにはならないが、悪の根源を除去するための最後の手段。
これが現実なのかもしれない。
マルケスがメキシコで見てきた世界は、汚職まみれの汚い世界。
すべての組織が上層部でつながっている事実。
それは、アメリカでも同じだった。
マルケスは「仕事」を「使命」に置き換え遂行し続けた。
彼には異動も何もない。自分の「正義」を貫くだけ。
この作品はきれいごとを描いていない。
底辺で生きる者たちの最後の祈りのために描かれている。
以前、マイケルサンデル氏の「正義の話をしよう」が流行った。
生徒に質問を投げかけ答えを求める。そのケースごとに意見が分かれ、どちらがいいのか自分自身で考えることを求めるものだったと記憶している。
私は、正義とは「私自身」だと思っている。
今まで生きてきたバイアスに従って今を選択しているのが人だろう。バイアスとは、自分が信じる正義だ。
そしてみな自分が正しいと思うことをしているだけだ。その違いに対峙が起きるだけだ。
さて、
マルケスを支持し、ビンセントを無理やり連れだしたリンダも、腐りきった組織に対する最終手段に加担した。
それは、間違いなく彼らの正義の根幹だった。
アレックスはどうだろう?
そもそもカルテルのために働いてきた。
雇い主は知らないが、白人富裕層の後始末が目的だ。
アレックスの「流儀」 それは、彼が人間としての尊厳のかけらを持っている証だろう。
その流儀に反することはできない。狙われる前に叩くだけ。
カルテルからは逃げきれないこともよく知っている。
だが、少女の人身売買の実態を知ったからには後戻りできない。
殺されるまでやる。
これがアレックスの「正義」
ビンセント
彼はアレックスに例え話をする。
彼の家族に起きた悲劇と、正義など保証されないと絶望した過去。
腐った組織
それでも一縷の望みを持ち続けている。
その蜘蛛の糸のように細くなってしまった望みの先に見た「復讐」という手段。
それは決してビンセントの考える「正義」ではない。
ただ、
リンダの祈りの言葉を聞き、「それしかなかった」ことを知る。
腐り果てた中にあった唯一の手段の実行。
その時ビンセントは、マルケスの心の痛みに初めて触れたのだろう。
彼がメキシコからカルテルを追いかけてきた理由を理解したのだろう。
そしてビンセントはもう一度自分自身の「正義」について考えることになるのだろう。
「正義など保証されない」と落ちぶれた過去 禁断の最終手段を使った仲間…
長期休暇を強いられた彼は、FBIでまだ自分が信じる正義を遂行できるか考えるだろう。
同時に「使命」についても考えなければならない。
しかし彼のような人物が一人でもFBIにいてくれるのを願うばかりだ。
兄はアルツハイマー性の認知症を患っている。そして、アレックス自身も同じ病を患っていた。 仕事の詳細が覚えられなくなったアレックスは 今受けている仕事を最後に引退しようと思った。
動画配信で映画「MEMORY メモリー」を見た。
2022年製作/114分/R15+/アメリカ
原題:Memory
配給:ショウゲート
劇場公開日:2023年5月12日
リーアム・ニーソン
ガイ・ピアース
モニカ・ベルッチ
2003年製作のベルギーオランダ映画「ザ・ヒットマン」のリメイクらしい。
アレックスは仕事が確実で絶大な信頼がある殺し屋。
兄はアルツハイマー性の認知症を患っている。
そして、アレックス自身も同じ病を患っていた。
仕事の詳細が覚えられなくなったアレックスは
今受けている仕事を最後に引退しようと思った。
最後のターゲットが13才の少女だと判ったアレックスは仕事を断る。
だが少女は別の殺し屋に殺された。
怒りに燃えたアレックスは依頼者に対する憤りを抑えられなかった。
主役のリーアム・ニーソンが命を落としたシーンをはじめて見た。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
アルツハイマーの殺し屋!!
世界最強のオヤジと言われた自分だが、もう古希だ。
そろそろヒットマンも引退したい。
最近アルツハイマー病の薬を飲むようになった。
エージェントである相棒に相談すると、
「お前に引退はない」と言われ、またまたファイルを渡された。
こんなに悪い奴がいる、お前ならやれる、やってこい‼️
そう言われると断れないのだ。
こう言ったら申し訳ないですが、リーアム・ニーソンは、最近
安直なB級アクションばかりが続いてましたが、久々のちゃんとした
映画です。
監督のマーティン・キャンベルも有名どころだし、
ガイ・ピアースとモニカ・ベルッチと
有名俳優が助演を勤めています。
ガイに至ってはほぼ主演と言っても良いくらいの働きです。
《ストーリー》
伝説の殺し屋アレックス(リーアム・ニーソン)は、アルツハイマーが
徐々に重くなり、遂に引退を決意する。
最後の仕事と思って引き受けたものの、幼い少女を殺す指令にキレてしまう。
痩せても枯れても“子供は殺さない“
雇い主に言いようのない怒りが込み上げる。
黒幕は大金持ちのモニカ・ベルッチ。
警察も懐柔している裏社会の大物。
リーアムさんは刻一刻と症状が悪化、余命わずかになった殺し屋が、
FBIに追われながら、黒幕を追い詰めるタイムリミット・アクション。
ストーリーが複雑なのを、もう少し整理して、単純にしても
よかったかなあ、と思いましたが、中々重厚な作りの良い映画でした。
毎年恒例のリーアムニーソンアクション。 先日見た「マーベラス」と、...
毎年恒例のリーアムニーソンアクション。
先日見た「マーベラス」と、監督(マーティン・キャンベル)が同じで、ベテランの殺し屋(リーアムニーソンとサミュエル・L・ジャクソン)が主役で、ティーンの女の子を救おうとするところも一緒です。ストーリーが雑なところも同じかな。
別の映画つながりと言えば、どうしてもメメントが思い出されますが、今作ではガイピアースではなくリーアムニーソンが身体に文字を書いてますね。
コメントとしては
・いくらなんでも警察もFBIも無能すぎ。そして悪役もみんな弱い。
・なのに最後はガイピアースの部下2人の大胆な行動なにそれ。こんなんありなんてどんな無法地帯だよ。
てなとこですかね。
アルツハイマーの殺し屋
闇社会から信頼されている殺し屋(リーアム・ニーソン)がアルツハイマー病になり、引退を決意、最後の仕事のターゲットが子供だった。
子供だけは殺さない、という信条の殺し屋は調べ始めるが・・・。
神頼みはなんだかなぁ。
今さっき誰を殺したんだっけ?
テキサス州エルパソ・・・というシーンが2回出てくる。もしやこれは観客の記憶力を試しているのでは?などと、認知機能テストに参加している気分になった。あ、このFBI捜査官セラって誰だっけ?などと腕にマジックで書いてみる。う~む、ガイ・ピアースかぁ・・・でも、モニカ・ベルッチはすぐに分かった。
認知症の3分の2がアルツハイマー型だという。第一三共の開発したアリセプトだとか、興奮・攻撃性を和らげる治療薬メマリーとか、そんな薬がありますね。メマリーなんてメモリーをもじった名前なので覚えやすいです。最近ではエーザイの「レカネマブ」という新薬も話題となっていますが、レカネマブ、レカネマブ・・・覚えられんわっ!発音も難しい・・・
そうしたアルツハイマー病の殺し屋という設定。面白いはずだとワクワクしながら観たけど、どこで記憶が飛んでいるのか分かりづらい。ましてやリーアム兄さんが主役だから困ってしまう。まぁ、ガイ・ピアースが主役でも良さそうな物語でしたもんね。終盤は意外な展開。人身売買の話から移民問題へとテーマが変わってしまったような、不思議な感覚に陥りました。
それでも無双ぶりを発揮するリーアム・ニーソン。ラウンジで知り合った女性とワンナイトラブなんてのも老齢・認知症患者とは思えないほどの凄腕ぶり・・・誰だ?お前・・・ま、いーや。あ、マヤちゃんだったか。
認知症の殺し屋…
初めて見る設定。いつもの無双リーアム・ニーソンではなく、年も年だし、リアルなんだけど、映画のテンポダウンからか、やっぱり無双が見たかった。和訳や、登場人物の設定、背景説明が分かりにくく、すんなり入ってこないがB級映画としてはまずまず楽しめる。悪玉は誰かと思えば、モニカ・ベルッチ。流石に年取ったなとは思うが、もう少し登場してほしかった。変な役が多かったガイ・ピアースが熱い捜査官を演じ、ある意味新鮮だった。
アルツハイマーの殺し屋。
アルツハイマーを患い、余命宣告までされた殺し屋アレックス。組織から引退は認められず渋々仕事を請け負うが、記憶障害は日に日に悪化してゆく。
長年非情な殺し屋として裏社会に身を置いてきたそんな彼が記憶障害の代償としてかつて失った人の心を取り戻したのだろうか。
まるで人への思いやりの心が突如芽生えたかのようにバーでナンパに悩まされる女性を救ったり、標的が少女であると知ると依頼を拒否したりする。挙句には少女が売春させられてる映像を見て涙ぐんでしまう。ゴルゴ13も認知症になるとこうなってしまうんだろうか。デューク東郷が少女を思って涙ぐむシーンは想像しただけでも笑ってしまいそうだけど。
彼はアルツハイマーによって記憶と引き換えにかつて失った人の心を取り戻したのだろうか。いやそうではなかった。彼は自分のことを悪人という。本当の悪人ならそんなことは言わないはず。
彼はたとえ金で殺しを依頼されても罪のない子供だけは手にかけはしなかった。ひどい虐待を受ける劣悪な環境で育ってきた彼はそれ故に裏社会でしか生きるすべを持たなかった。そんな自分と照らし合わせたからこそ少女が虐待される姿には耐えられなかった。彼はゴルゴ13のような冷徹な殺人マシーンではなく心優しき殺し屋なのだ。
冒頭、入院中の母親の目の前で殺した標的もいかにも悪そうな男だった。きっと彼は今まで悪人しか殺してないはず、だってリーアムが演じてるんだから。たとえ裏社会に身を置こうとも彼はやはり人間味あふれる人なのだ。悪党以外は殺さない正義の殺し屋なのだ、たぶん。警官を殺したのはあくまで弾みだったのでこの際目をつぶろう。
そんな彼が記憶を蝕まれ余命いくばくもない中で少女を食い物にした人身売買組織に戦いを挑む.。それは彼なりの自分の人生に対する罪滅ぼしだったのだろう。非情な世界に生きてきた男の贖罪の物語。
だが黒幕のシールマンは町を牛耳る不動産王であり、その顧客の中には政財界の大物もいたのであろう、捜査の手はなかなか伸びない。警察内部にも協力者がいるようだ。
アレックスは志半ばで絶命してしまうが、その遺志を引き継いだFBIのセラは彼が命に代えて守り通した証拠を提示する。しかしそれでも立件はなされない。やはり正義は貫かれないのだろうか。しかし、シールマンは何者かによって殺される。手を下したのはメキシコから来た捜査官のマルケスだった。
メキシコをはじめとする中南米では今でも子供たちの受難が続く。マルケスはそんな子供たちを食い物にする悪党どもを許すことはできなかった。
でもさすがに捜査官がそれやっちゃあだめでしょ。殺し屋のアレックスに感化されてしまったのだろうか、ちょっと結末は安易な方向に行ってしまったな。映画的には溜飲下がるけどシールマンを殺したところで何の解決にもなってないからね。
メキシコをはじめとする中南米からの移民が後を絶たないのは貧困と治安の悪さが原因。国際社会が経済支援するなり、治安を改善するなりして住みよい環境に持っていかなければ根本的な解決にはならない。コロナ禍ではメキシコにつくられた移民収容施設で衛生環境の悪い中、多くの子供たちが感染して苦しめられた。本作のように性的搾取されたりするケースも後を絶たない。
アメリカも壁なんか作る金あるならもっと経済支援に回した方がいいんじゃないか。もともと米墨戦争でテキサスやカリフォルニアの土地をメキシコから奪って、金や石油などの地下資源で潤ったおかげで今のアメリカの繫栄があるんだから、それぐらいしてもばちはあたらないと思うんだが。
世界で起きてる移民問題もしかりだ。特に欧州へのアフリカからの移民が後を絶たないのもかつて欧州諸国が植民地として食い物にしたがために植民地解放後も紛争が絶えなかったり、貧困も解消されず人々が逃れてくるからだ。もとは欧州諸国の植民地政策に問題があったんだから、自国民に多少不自由させても無理して受け入れるべきじゃないのか。贖罪として。
なんか映画はアルツハイマーの殺し屋の話がメインかなと思いきや、メキシコ移民の問題の方にシフトしてしまったな。殺し屋の主人公をメインにして記憶が失われつつある中で彼の人生を振り返るようなストーリー構成にした方がよかった気がする。
それでもなかなか面白かった。そのお年からアクションは無理がきかないほど体の動きが鈍ってきてるリーアム、今回は頭が鈍ってしまった役。「ファーザー」のアンソニーホプキンス同様年齢が年齢なだけに認知症の演技はシャレにならないくらいリアルだった。正直今回のリーアムの老け役は見ていてちょっと悲しくなった、実際老けてるんだけど。認知症でろれつが回らない演技なんてリアルすぎてみていて涙出そうになった。でももっと悲しかったのはモニカベルッチ、スタッフロールまで彼女だと気づかなかった。そりゃあ還暦だもんな、あのモニカが。「マトリックスリローデッド」で私の中では時が止まっていただけに今のあのお姿は一番悲しかった。
リーアム、ぼけますが、まだまだ戦い続けます
プロの殺し屋。
完璧に仕事をこなしてきたが、ある日アルツハイマーを発症。引退を決意。
最後と受けた仕事だったが、それは意に反するものだった…。
怒りに燃え、消えゆく記憶の中で巨悪陰謀と戦うは、勿論この男!
リーアム・ニーソン!
戦い続ける男の前に立ち塞がるは、何も敵や陰謀だけではない。
時に病。
ニコケイもアルツハイマーを患ったアクション映画があった。
ブルース・ウィリスはリアルで。(例に挙げるのはちと不謹慎か…)
リーアムとて例外ではない。
ましてや殺し屋なのだから一大事。
あらすじだけ見るとなかなか良さげ。
意に反した最後の仕事とは、ターゲットが子供。子供は殺さない。
やがてその裏に人身売買組織や顧客である財閥など大物の存在を知り…。
記憶が失われていく中、子供を守り、巨悪の陰謀に立ち向かっていく。
メキシコが舞台でもあり、『マークスマン』のようなベタながらシンプルなアクションと思っていた。
が…
子供を守りながらの逃避行とか『マークスマン』の二番煎じはナシ。ターゲットの子供もあっさり殺されてしまうし。
リーアムの孤高の戦いだけだったらシンプルであったろうが、そこにFBI捜査官やメキシコ警察の捜査、人身売買組織や黒幕の思惑などが絡む。
それらが巧みに交錯し、相乗効果で話やアクションやサスペンスが盛り上がっていきたい所だったが、演出や脚本の捌き方がいまいちなのか、ちと分かりづらい。シンプルにイケそうな話をややこしくもしている。
アルツハイマーの設定も巧く活かされてるのか、いないのか…。
要所要所でアキレス腱になってはいるが、終盤撃たれ腹部に重傷を負い、命の危機…。こちらの方が大事!
いつもながらツッコミ所はあるが、その最たるは早々に。そもそもプロの殺し屋がいざその場になってターゲットを知るなんて事あるの…? 入念な下調べするんじゃ…?
何だか『マークスマン』的な旨味を、『ブラックライト』的な今一つ感で打ち消してしまったような、そんなこのリーアム・アクション。
単にリーアム怒りの無双ではなく、ガイ・ピアース演じるFBI捜査官ももう一人の主人公と言っていい奮闘。
殺し屋とFBIながら巨悪打倒は同じ目的で、やがて…の王道の男のドラマ。
モニカ・ベルッチが女ボスとは意外な役所。
そしてリーアムの存在感は言わずもがな。
ここ数日のリーアム祭り。一旦これで終了。
リーアム・アクションって特別秀でたり優れたりではないが、程よいB級グルメ。何だかんだ楽しんだ。
そんなリーアムはまだまだ我々を楽しませてくれる。
『バッド・デイ・ドライブ』『探偵マーロウ』が近々リリース。『探偵マーロウ』は期待しているんだよね。
全米では『マークスマン』のロバート・ローレンツ監督と再び組んだ新作が公開中。(初登場TOP10圏外だったけど…)
今後『アイス・ロード』の続編もあるし、何より気になるのは『裸の銃を持つ男』のリブート! リーアムさん、次はコメディ転身ですか!?
たまには重厚演技のヒューマンドラマも見たいなぁ…。
我々の漢、リーアム!
ニーソンも年をとりました。
アルツハイマーが発症した殺し屋が、少女の仇を撃つべく、雇い主と抗争を繰り広げる物語。
リーアム・ニーソンが主演するアクション作品です。リーアム・ニーソン作品のレビューを書く時「大当たりはないが、外れもない」と書くのですが、残念ならがら、この作品は完全な外れでした。
この作品。主人公と雇い主の単純な抗争にせずに、色々な登場人物を用意しています。FBI捜査官、その上司。そして地元警察。彼等を物語に絡ませることで、物語を重層的に描こうとする目論見だったのだと思います。
ただ、彼等の描き方が中途半端で、それが上手くいっていない印象です。
例えば、FBIの上司。街の有力者に対する忖度で告発に及び腰に描かれていますが、この描き方では腑に落ちません。ラスボスの権力をしっかりと描く(例えば、アルカポネのように)か、賄賂を受け取るような完全な悪に描くか・・・そうしないと説得力が生まれません。
地元警察もそう。パトロール警官を殺され、主人公憎しになるのは分かります。でも、ラスボスの用心棒を引き受ける設定を作ると、訳が分からなくなります。
同僚の復讐・・・の一点をしっかりと描写すれば、まったく違った印象になるのでしょうが、少なくとも私には不十分に感じました。
そもそも主人公の設定が甘い。何十年も殺しを請け負っていたプロ。アルツハイマーを発症して自分の生末が見えたとはいえ、少女を殺すことを躊躇うのでしょうか?
例えば、娘が早世したトラウマから「子供を殺さない」を条件に長年仕事をしていた・・・
例えば、孫娘が病に倒れ、その子とダブらせて殺せなかったとか・・・
それなら、納得感があるのですが、少女の復讐譚の物語を撮るために無理をしている感が強く、感情移入が難しく感じました。
ラスボスを暗殺する結末にも興ざめ。某有名作品(ディカプリオとマット・デイモン共演)のラストもこんな感じでした。でも、ラスボスの女性に、憎たらしい程の強者感がないため、このラストでは意外性もカタルシスも納得感も得られませんでした。
私的評価は、厳しめです。
まだまだやるリーアム・ニーソン
完璧な仕事ぶりだった殺し屋アレックスは、アルツハイマーを発症し引退を決意。引き受けた最後の仕事の標的が少女だったため、信念に反するとして依頼を放棄する。しかし彼女は殺されてしまい、彼は犯人を捜し出そうとする。一方人身売買組織を追っていたFBIのセラ捜査官だったが、捜査が行き詰っていた。
リーアム・ニーソンは、もう70か。それでもアクションをこなして、多くの作品に出演しています。そして今回は年相応の役ともいえます。ただアルツハイマーの演出は、ちょっと無理やりな感じ。忘れないように腕に書いておくのは「メメント」を思い出し、ガイ・ピアーズも出演でニヤリ。結末は、少し斬新でした。もうちょっと工夫したタイトルにしてほしい。
全122件中、1~20件目を表示