「砂のお山…」劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 後編 REOさんの映画レビュー(感想・評価)
砂のお山…
物語の序盤、外部太陽系戦士の安否を確認するため、まずウラヌスの城に向かうセーラームーン一行が目にしたのは、子供が砂場で作ったようなこんもりした砂のお山…
これを見た段階で、この映画は期待出来ない、と諦めモードになってしまいました。
またキャラ死亡→砂のお山出現は後編でちょいちょい出てくるので、なんかその度に冷めてしまい、折角の物語に入り込めず。残念。
また本作の舞台が銀河の中心、人智の及ばないような果てしない場所での闘いの筈ですが、原作で描かれている宇宙の最果て、死、終焉、といった感じがイマイチ感じられなかったのがまた残念。
セーラームーン最後の戦い、の筈がなんか薄っぺらい感じで終わってしまった印象です。
ファンなのでCrystal一期から見続けましたが、Crystal3期がまあまあ良かったくらいで、原作ベースの再アニメ化は失敗だったと思う。
同じ東映アニメのおジャ魔女どれみやスラムダンクといった90年代ヒット作のリブート新作映画のクオリティと比べると、セーラームーンの新作映画は格段に劣るので、ファンとしてやっぱり悲しい。
武内直子さんが旧作アニメスタッフとの関係が良く無かったから、いい人材が集められ無かったのかな。
観客層も見た感じ三十代や四十代位の古参セラムン世代が殆どで若い人はあまりおらず。
昨今のヌルヌル動く美麗アニメに慣れている若いアニメファンが金払って見るクオリティでは無いだろうな…
あんまり高く評価できる作品では無いですが、以下ファンとして良かった点をいくつか。
*オープニング
前編の旧作アニメトレスオープニングよりはオリジナリティがあって良かった。水樹奈々さんの歌うセーラースターソングはトップシンガーなだけあり流石。
ただ予告で使われていた良作画シーンがほとんどオープニングで出てきてしまい、本編での期待値が下がってしまいました。案の定本編の作画はそこまで動かず…
*ちびムーンの変身バンク
プリキュアっぽいですが、旧作トレスオンパレードのバンクシーンの中では丁寧に描かれている感じもあって好印象。またちびムーン役の福圓美里さんの劇中での悲壮感のある叫びも良かったです。
*ギャラクティカキャノン
闇堕ちしたプルートとサターンの合体技。何故か無駄に破壊力のある描写。
また闇堕ちセーラー戦士達はアニメーターさん達の筆が乗ってる感じがあっていい感じ。
*ヌルヌル飛ぶエタムン
ギャラクシアの追尾弾的なものを飛びながら避けるセーラームーン 。アニメオリジナルですが、珍しくヌルヌル動いてて良かった。ギャラクシアとの一騎打ちはこのままヌルヌル戦闘になるかと思ったが残念ながらそういう訳でも無かったです。
*エンディング直前のオリジナルエピソード
ちょっとびっくりしましたが、うさぎちゃんお帰り、と言ってあげたくなりました。
ただこれがある所為か、原作通りのうさぎとまもちゃんが一晩明かしたシーンに後ろめたさが…
また、うさぎの結婚式で他のセーラー戦士達もウェディングドレス着てるの、原作漫画だと違和感感じなかったけど、アニメだと凄く違和感感じる。
やっぱり原作とアニメは食い合わせが良く無かったのかな。