「三石琴乃さんの本気のセーラームーンがやっと聞ける。」劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編 REOさんの映画レビュー(感想・評価)
三石琴乃さんの本気のセーラームーンがやっと聞ける。
Crystalからのリメイク版の三石さんのセーラームーンの演技が、原作寄りにする為に敢えて90年代版の演技と変えられているのかもしれませんが、
正直、ぶりっ子オバサン感があって苦手でした。
ですが本作では次々と仲間達が戦死し追い詰められて行く中で、悲しみ、怒り、恐怖し、その中でも仲間達を取り戻すために戦うことを決意するうさぎの心情にどんどん引き込まれていき、
やっぱり月野うさぎ/セーラームーンは三石琴乃さんしか考えられない!と再確認。リメイクシリーズを見限らず、見続けていて良かったと本当に思いました。
以下、ネタバレありの感想。
☆良かった点
他の声優の皆様の演技。
文句なし。リメイク版は声優さんの頑張りがあってなんとか見れるレベルになっているので感謝しかありません。
あとうさぎのママ役が山崎和佳奈さんになっていました。三石さんの自著「ことのは」で高橋みなみさんと3人でご飯とかよく行く、と対談で話されていたので友情出演なのかな、と勝手に妄想。
原作でのうさぎママのあのセリフが和佳奈さんボイスで聞けると思うと、後編への楽しみがひとつ増えました。
劇伴、ストーリー展開。
原作のシリアスな展開をより高めて行く感じ。いい仕事されてます。
中弛みすることなくストーリーに引き込まれて行く感じがとても良かった。
前作のエターナルでもこの仕事ぶりを発揮して欲しかったと恨めしく思ったり。
★イマイチだった点
演出、カット割。
オープニングの90年代版SとSSのトレス(当時担当した演出家さんには許可はとられていたようですが)
を見た段階で、ファンサービスのつもりなのかもしれませんが
旧作の美味しい所だけ盗んで、自分達で新しく良い作品を作ろうとしないリメイクチームの姿勢がファンとして本当に悲しくなりました。
また、マーキュリーとジュピターが絶命するシーンで助けるわけでも、戦うわけでもなくただ突っ立ってる他の戦士達の描き方を見て、このコンテ担当した人はセーラームーンになんの愛情も無いのだな、と本当にがっかりしました。
作画
悪くはないけど、予告編等で既出のシーン以外は特に見るべき所はないです。ぬるぬる動く事もなく、前作エターナル程の顔アップの力の入れようもないです。
細かい所で言えばうさぎの手に顔と頬を寄せるちびちびのシーンでの比率があまりにおかしいのですが、(うさぎの手が大仏かのようにデカ過ぎ)
誰もおかしいと言えない程、作画チームは余裕がなかったのでしょうか?
色々書きましたが泣いても笑っても次回の後編で三石さんの演じるセーラームーンを観れるのは本当に最後。
心してその日を待ちます。