「大真面目だけどアホらしい」NOPE ノープ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
大真面目だけどアホらしい
ロサンゼルス近くの牧場で謎の飛行物体を撮影しようと奮闘する兄妹の話。
今作、「ジョーダン・ピールだからIMAXで見なくても良いっしょ」と軽い気持ちで普通のスクリーンで見に行ったら大後悔。前2作のホラー雰囲気とは一転してSF要素の方が強め。しかも舞台はだだっ広い牧場。そこに遠くの方に微かに飛行物体が見えたりするから普通の画面だと全然見えない。
さらに、何かおかしなことが起きてる微かな風の音の違いを体感する映画でもあるので、ちゃんと良い環境で見るべき。あとは、大きい画面で登場人物たちが出来ない見上げる行為を体感するべき。
前二作と違う所といえば、謎の飛行物体を「見てはいけない」という設定。アメリカの問題に目を背けるな!的な強い印象だったのに、今回は目を背けてくださいなんだと思った(笑)でも、「上を見ても食われるだけ」というのは、夢を持って上を目指しても結局富裕層に食い物にされるだけっていうメタファーにも見えて。だったとしたら、兄妹たちは最終的に何を見るのか?のシーンが良かった。
ジョーダン・ピールって真面目な雰囲気とちょっとふざけてる雰囲気のバランスで出来てると思っていて、今回そのバランスちょーーど良かった。"風船"のシーンのビジュアルもアホらしいし、兄妹達の行為も「UFO撮って大儲けしてやろうぜ!」が主な動機なのに無駄に真面目な顔してやってるのよくよく考えたら馬鹿らしい。でも、なんか凄く面白かったし壮大なものを見た感覚になった。これがジョーダン・ピール映画の醍醐味よね。
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