「SF現代西部劇」NOPE ノープ MAGUNETTOさんの映画レビュー(感想・評価)
SF現代西部劇
前提として
・予告編は視聴済
・ジョーダン・ピール監督の作品は未視聴
賛否両論ありそうですが、個人的には好きなタイプの映画です。
序盤はSFホラーのテイを成していますが、
後半はまさにSF現代西部劇。
別に西部劇的なストーリーというわけではないですが、
雰囲気と音楽が西部劇のそれです。
兄妹の物語ではあるものの、それ以上に描きたかった
"何か"がある気がします。なかなか考察しがいのある作品で、映画愛を感じる作品でもありました。
観て良かった。
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ここから先は、ネタバレありの疑問点・解釈を書いています。
ネタバレが苦手・嫌な人はお気をつけください。
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細かいシーンの感想
・前半で「宇宙人ってこんな感じだよね」っていうホラー演出をした後に、予想の斜め上をいく姿の未確認生命体(Gジャン)が出現する辺り、観客の反応が計算されてる気がしました。テクい。
・早送りで観る人が多い現代、カメラが全く動かずにゆっくりゆっくり宇宙人(の着ぐるみを着た少年)が柱の陰から顔を見せてくるシーンはグッと来ました。
よくあるフェイク映像をオマージュしたシーンなのかもしれませんが、映画好き的な嬉しさがあります。
以降、自分なりの疑問点と解釈
?どうしてOJとエメラルド兄妹が主役なのか?
初めての馬の映画は彼らの牧場が関係しています。
→初めての明確な未確認生命体の写真(特に、Gジャンが変化した姿)も彼らが撮りました。
彼らは"成功"と言ったものを手に入れはするでしょう。
しかし、いずれ誰が写真と映像を撮ったのか、馬の映画同様に分からなくなっていくという暗示なのでは……?
そういえば、黒人が主役の西部劇って意外と知らないかも。
?チンパンジー(ゴーディ)は何だったのか?
→チンパンジー=人間に忠実、友好的であるようでいて獰猛になり得る動物の象徴だとすると
馬、未確認生命体も同じ種類の動物という暗示なのでは……?
?ならば垂直に立つ靴は何だったのか?
→宇宙人が関係しているという演出……?
ちょっと思いつかない。
?ゴーディはなぜジュープを攻撃しなかったのか?
→子役の時の関わり方なのか、ゴーディなりに敬意を表したのか。理由は分かりませんが、友情を育もうとしたように感じました。
少なくともジュープがゴーディのファンになったのも何となく頷けます。
神秘性というか畏怖心というか……
未知との遭遇ショーを開こうとしたのも、その繋がりを求めようとした結果だと思います。
役割的に見ると、ジュープはGジャンとの友好的な繋がりを果たそうとするキャラなのかな。
?Gジャンはなぜ形を変えたのか?
→ゴーディのときと同じ理由ではないでしょうか。
敬意なり友情なり、何かしらの理由を持って相手と接触しようとしましたが、食べる以外に相手と関わる方法を知らなかったのかな、と考えました。
ただドレスのような姿だったり、蝶のように変わったり、四角いリボンのような口を開けたり……あのあたりにも意味があるのかも。
?Gジャンは何がモチーフなのか?
→白人モチーフ……は違うかな……?
出演するキャストたちの様々な人種に引っ張られているからなのか、ストーリーは戦争モチーフなのかなとか考えてしまいました。
チンパンジー=日本人とか。
でも詳しくは知らないし、ストーリーがかなりSFなので違うかもしれません。
?なぜ、Gジャンは世界初の馬の映画を観ていたのか?
→ただの演出……?
?元母親役の彼女はなぜ会場にいたのか(役割的に)?
→ジュープの"初恋"という発言がキーワード……?
あ、でもジュープのキャラクター的に、異形の顔となってしまった相手が初恋でも違和感ないかも。
?時折、名前だけ表示される演出(馬の名前や人の名前など)は何を描きたかったのか?
→章ごとの区切り……?
だとすると少し浅すぎるか……
予想テーマ
○真実は常に正確には伝わらない。(ゴーディの暴走事件、馬の映画、そして未確認生命体)
○黒人は成功できない……?