アウシュヴィッツのチャンピオンのレビュー・感想・評価
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『Arbeit macht frei』
Glenn Miller:Little Brown Jugで始まる アメリカ!
黄色い腕章に『CAPO』と書かれている。
この映画では隠す事なくはっきりとキャラクター設定している。
「囚人自主管理」とも呼ばれる囚人管理制度が親衛隊の下部組織としてあり、ある意味に於いて、戦後大問題になる。
この映画の通りであったかなかったかそれはわからないが、第三者である日本人としては、干渉することなく、真実をリテラシーとして蓄えるべきと感じる。
ストックホルム症候群の泣き所をうまく扱ったストーリー展開と思うが。お情けをかけるナチスドイツたが、ナチスドイツには変わらない。また、CAPOは主人公のファイトする姿を見て、まるでCAPO自身の性格がが入れ代わったように表現されている。しかし、ナチスドイツはナチスドイツだしCAPOはCAPOである。
歴史を覆す事は出来ない!
さて、この映画の種明かしを自分なりに考えた。なぜ???この主人公が生き長らえたか?
答えは
独断と
偏見
で
分析
ネタバレだよ。
彼がユダヤ系って誰が決めたのか?
オシフィエンチムにはあらゆる民族が収監されていた。
アウシュビッツと言うとユダヤ人。
まるで『負のパブロフの犬』
『タデウシュ・ピトロシュコスキ』と言うらしいが、Wikipediaしたらやはり、ユダヤ系ではなかった。
更に別件で
ポーランド軍の中尉だが少尉がスパイとしてアウシュビッツに潜伏したと言う話すらある。
そう考えると、天使の人形の少女もそれを送った少年もユダヤ系ではないと分かる。なぜなら、ユダヤ教には天使を崇拝する事はあっても、偶像は硬く硬くご法度である。
ロケ地はオシフィエンチムである。
さて、
世界遺産であるが、事前予約がないと入れない場所だった。でも、粘ったらポーランド人の女性が無理をして入れてくれた。
さて、いざ出発!!
だが、しかし、遺品の中に少女の靴と思しき物があるのを見つけた。
あ✖
一気になえてしまった。
申し訳ないけど二度と行きたいと思えない。そんな場所だった。
ホロコーストは戦争には関係ない、人道に対する犯罪
サロン・シネマ2さんで、この日の三本目。客席中央の三列21席について空席をカウントしてみた。一本目「なまず」が16/21。二本目「プアン」が15/21。三本目の本作が5/21です。ナチス・ヒトラー・アウシュビッツがネタとなると、高齢者が席を埋め入りが良い印象がありましたが、実際そうだったw
ここ数年、ナチスものが多く、かつ良作傑作は皆無だったと思ってますが、コレは良かった。一番好き。
ボクシングものに無条件に燃えてしまう習性のせいなのか。少年少女をネタにされると、どうしても感情移入してしまうからなのか。
Holocaust とは、元々宗教儀式で丸焼きにされ神に捧げられた生贄の事。
一服盛られ試合に負け、一晩吊るされていた「77番」は死体を焼いて処分する穴の底をのたうち回り、丸焼きになった木彫りの天使像を見つける。ヤネックが少女に贈った守護天使ミカエル。
人間が生まれる前は皆、天使なのだと。
絶対的な力の差。守ってやれなかった絶望感。出来る事はただ一つ。ボクシングに命を掛ける。
そうですよね、やっぱり。ボクシングものの文法でホロコーストを描いたら、こうなると。
ラストのボクシング・ジムの風景に、ポロリーンですよ。
良かった。
とっても。
アウシュビッツからの素晴らしい帰還者
第2次世界大戦中の1940年、ワルシャワのボクシング・チャンピオンだったタデウシュ・ピトロシュコスキ(通称テディ)は、アウシュビッツ強制収容所に移送された。彼には77番という呼び名が与えられ、捕虜のため十分な寝床や食事も与えられず、過酷な労働を強いられる日々が続いた。その間、老人、女性、子どもは怪しい建物に連れ込まれ、虐殺が続いていた。
そんなある日、テディは司令官や看守たちの娯楽としてリングに立たされボクシングをすることになった。負け知らずで勝つたびにパンやソーセージなどの食料や薬を貰い、囚人仲間に分け与えていた。そして、終戦までなんとか生き延び、ポーランドに帰った後は子どもたちにボクシングを教えた、という実話に基づく話。
アウシュビッツってユダヤ人の収容所かと思ってたから、ユダヤ人じゃなさそうなテディがなぜアウシュビッツの強制収容所に送られたのかと思ってたが、ポーランドに侵攻したナチス・ドイツは、愛国主義になるとスポーツを禁じ、愛国心の強い危険分子とみなしたスポーツ選手を強制収容所に送ったんだと知った。
Arbeit macht frei(働けば自由になれる)の看板はナチスの強制収容所が映る作品を見るたびに見ているが、果たして働いて自由になった囚人が何人いたのだろうか?戦後まで生きて戻れたテディは貴重な体験者だったんだと思う。
テディ役ピョートル・グロバツキが良い体を作ってて素晴らしかった。
戦中の日本も戦地でこんな事をしてなかったのか、今のロシアは?なんて事を考えながら観た。
やはり戦争はいけない。やっちゃいけない、と強く思った作品でした。
多くの人に観てもらい、戦争の悲惨さを体感してもらいたい作品です。
人は、優位になると悪魔になる!
ドイツ人は、真面目で働き者。日本人に通じる。しかし
権力を持つと残酷になる。まあこれが現実だな。
テディは、元アマチュアのボクシング選手。
ドイツ人は、基本に忠実な選手が多い。
しかし人を殺して殺して殺しまくってるね。
テディは、身体の大きな選手のパンチをかわしてかわして闘うんだな。
ラストは、戦後自分らしく生きれてよかった!よかった!
命と尊厳
第二次大戦中のポーランド。”テディ”の愛称で親しまれたボクシングの元チャンピオンはアウシュビッツに送られ、『囚人番号77番』と呼ばれることになり・・・
実話なので主人公が生き延びた事は分かっていても、警護兵の気まぐれでいつ殺されてもおかしくない状況は緊張の連続でした。
「あきらめずに希望を捨てずにいれば、きっと夢は叶う」というきれいごとは通用しない、狂った世界。いや、希望を持つのは大事だけれど、将来の事など考えられない、その日その日を生き抜く事がやっとです。
ガス室送りになる人々を見て、どこに行ったか分からない妻と息子の事を考えたでしょう。
こういう状況で正気を保ち続けることの難しさ。
「今この場で服を脱げ」と言われて拒否した少女。自分を気遣ってくれた人を攻撃することを拒んだ少年。
では、生き延びる為に憎い相手に媚を売る行為を責められるのか。
テディは人としての尊厳を守り抜いたけれど、本人の強さだけではなく、幸運だったんだろうと思いました。アウシュビッツを出られることになった時にも、テディに笑顔は無く、笑える日が来るのはもっと先なのでした。
非常に重い作品ですが、観て良かったです。
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