「4回鑑賞済。目黒さんの発言により没入感薄れる。が…」わたしの幸せな結婚 れいさんの映画レビュー(感想・評価)
4回鑑賞済。目黒さんの発言により没入感薄れる。が…
続けて4回鑑賞しました。
小説途中まで既読。
コミック既読。
映画化発表前から原作を知っていただけに正直、これを実写化?出来るのか?大丈夫?(キャスト、世界観もろもろ)と、不安な部分がありましたが、開始すぐに映画の世界観に引きこまれました。
まず、原作の知識ナシで観ると(相関図と用語をある程度理解していないと)途中で、ん??と理解が追いつかないまま、ストーリーが進んでしまう部分があります。
見鬼の才、帝室や蟲、映画の冒頭に出てくる天井から吊るされた青い花の奥津城(オクツキ)墓など。
原作を知らない方は、劇場パンフレット(説明あり)やネットで事前に、関係図、用語等を理解してから観る事を、強くオススメします。(冒頭、津田健次郎さんのとても耳心地の良いイケボな声でナレーション?はなされます。が、映像に気を取られ聞き流してしまうとアウト)
◆映画での大まかなストーリーは、
名家のお嬢様として異能の家系に生まれながら、その能力を受け継がず、家族から愛されず虐げられて育った斎森美世(今田美桜さん)が、異能持ちの名家中の名家で冷酷無慈悲と噂される軍人、久堂清霞(目黒蓮さん)と政略結婚することに。
この2人を軸に物語が始まります。
※のちに美世は、夢見の才(人の眠りの中に入り込み夢を操ったり、精神を操作し洗脳すら可能とし、夢の中で過去現在未来の全てを見通す事も出来き、帝の天啓すら凌駕しうる力)を開花させる。美世の死んだ母親の薄刃澄美(土屋太鳳さん)が、美世の夢見の才を、帝などに利用されるのを恐れ、美世の力を封印していたが、斎森家(木)が焼失したことを機に、その封印が解かれた?様。
またそれと同時に、久堂清霞を取り巻く物語も展開されていきます。
◆枢木忠則(尾上右近さん)?が何者かに命じられ?奥津城(青い花の墓)から、蟲(死んだ異能者の魂)を意図的に暴き、帝都に放出。
※蟲は人の精神に入り込み、体を乗っ取り、他者へ感染る。顔(口)から感染り、ゾンビ化する感じ。
◆蟲が放出された事により、近く帝都に戦乱が起こると、未来を予知する天啓の異能を持つ帝(石橋蓮司さん)が病床の中、予言。
◆そして、この争いを収める為、国民の盾になるよう、帝から命じられ命を賭して戦う久堂清霞。
→しかし、帝の思惑としては、斎森美世が夢見の才を開花する事を予知し、斎森美世と久堂家が結ばれれば、帝室を確実に脅かす力を持つ存在になるだろうと恐れ、この戦いで、久堂清霞に死んで欲しいと目論んでいた。が、これもまた、次代の帝位を継ぎ帝室の最高権威者になる若い息子の堯人(大西流星さん)を考えての親心でもあった。堯人は、のちに、帝(父親)の目論みを久堂清霞に謝罪している。
また、斎森美世のいとこ、鶴木(薄刃)新(渡邊圭祐さん)の出現で、また物語も動いていきます。
◆久堂清霞は蟲に侵された部内(仲間)と戦い、殺しあう他無いところを、斎森美世が夢見の才で助け、ハッピーエンド。
実写化では、主演が目黒蓮さん、しかし原作では美世(今田美桜さん)が主人公の為、事務所の力が匂ってきて、なんだかなぁ。と正直思っていましたが、ストーリー構成は原作通り、きちんと美世を軸としていて、主演の目黒蓮さんを全面に出す訳では無く、絶妙に2人を描いており製作陣へ、とても好感が持てました。
久堂清霞役の目黒蓮さん、斎森美世役の今田美桜さんのお2人の演技がとてもとてもよかった。
ずっとずっと観ていられる。
佇まいが絵になり見惚れます。
演技は勿論ですが表情の出し方が、お2人とも良かった。
過去、ハツラツとした気の強い役を演じられているイメージが強い今田美桜さんが、虐げられている美世を演じている想像がつきませんでしたが、、。
普段の華やかしいオーラを一切消し去り、今にも儚く、消えてしまいそうな守りたくなる美世がそこにいて、とても驚きました。
そして最初から最後の美世の表情、雰囲気の変化を無理なく自然に演じ(しかも順撮り出来ていないのに)今田美桜さんの新たな役の一面をみる事ができ、改めてすごい女優さんだなぁと感じました。
自尊心を酷く傷つけられ自己肯定感は皆無で、ただ息をしている状態から、清霞と出会い、一切表へ出さず仕舞い込んだ、耐えて得た強さを、自然に徐々に、内から滲み出させる演技。生きている感じが伝わって来て、とても良かったです。
映画で使われた組紐(清霞の髪を結ったもの)は、実際に今田さんが習いに行き作ったものと知り、裏側の映らない部分にも役作りが表れていて。髪を結う時の表情を観たら、、。それはもう愛しすぎます。とにかく可愛い。あんみつを食べるシーン、お弁当を届けるシーン、鶴木にお茶を淹れて振り返るシーン、傘を届けるシーン、ラストシーンは特に。自然で絵になる、お2人が観られます。お着物姿の変化も良いです。
清霞の冷酷無慈悲な表情、雰囲気(所作)から表情の演技、ふと見せるあの顔。そしてアクションシーン。昨年大きな話題になったsilentからは、1ミリも想像出来ない程のギャップで。こんな声(張り)なのか、こんな表情も出来るのか、こんなに派手なアクションも出来るのか、と。彼の役の幅はどれだけあるのか、、。今後の出演作品がとても気になります。清霞の原作イメージからいくと、目黒さんだと体格がいいのでは?と思っていましたが、部隊を率いる軍隊長(戦闘シーン)から考えれば、違和感なかったですね。CGシーンも多く、完成イメージを膨らませ想像しながら演じていたとの事でしたが、とても自然で、CGと動作が違和感無く合わさっていました。ラブストーリーだけでなく、アクションシーンが想像以上にしっかり描かれていて、清霞の色もキチンと感じられました。劇中の名簿は、目黒さんが一人一人手書きし、1度書き直ししたそうで。美世に対し、徐々に見せるあの表情は、久堂清霞の役としての反応はもちろんでしょうが、素の目黒蓮が出ていた(出てしまった?)ように感じる場面もありました。ラストシーンは特に。思わずポロッと出ちゃったみたいな。モロ目黒蓮を感じました。宮内省を訪れた際の正座をして話をしているシーンで一瞬、声のトーンから、月の満ち欠けの三角哲彦が見えたのは気のせいですかね。目黒さんの声も個人的には好きでした。着物姿(所作)も軍服姿も似合っており、とてもかっこよかったです。ラストシーン、ぜひ劇場の大画面で観て頂きたいですね。赤い傘にも注目です。
時代背景やファンタジー要素がありながら全く違和感無く、最初から最後まで観る事が出来ました。ファンタジーは避けがちでしたが、これは良かった。CGも全く違和感がなかったです。
ただ、原作を知らない方は内容理解がしにくかった事、少しセリフが聞き取りずらかった事、美世の虐げられている時のビジュアル(窶れ具合)が無い事、アクションシーンが少し盛り下がる事、が気になりました。
ゆり江役の山本未來さんは
原作より少し若いのでは?と思いましたが、山本未來さんの醸し出す雰囲気、穏やかな声、表情と動き(所作)がとても自然で、清霞と美世に寄り添う感じが好きでした。
鶴木新役の渡邊圭祐さんは
スタイル(ルックス)、どこか掴めないミステリアスな雰囲気の演技、とてもかっこよかったです。パーフェクトな男。感が醸し出されていて。スーツの着こなし最高です。スーツフェチの方は必見かと。
五道佳斗役の前田旺志郎さん
清霞との関係性を自然に演技されていて、五道の存在によって清霞の内と外のメリハリが、より出ているなと感じました。
花役の小林涼子さん
花そのものでした。苦しくもありましたが、美世の母の死後、美世を愛し、美世は愛されていたと分かる、人の心の温かさが溢れ出ていたシーンでした。
辰石幸継役の小越勇輝さん
美世への好意はあるものの、親や香耶の手前、臆病さ、優しすぎる青年感の塩梅が本当にぴったりでした。
斎森香耶役の髙石あかりさん
ビジュアルが寄せられており、とてもよかったです。演技は少し気になったところがあったので、今後出演される作品観てみたいです。
斎森香乃子役の山口紗弥加さん
継母はこの方以外いないのではと感じる位の眉の動き、出演シーンラストのあの表情、、。観てるこちらが怖くなる位すごい。
賀茂村紀夫役の津田健次郎さん
声、演技、とてもよかったです。最近ドラマ等でお見かけする事が多く、幅広い演技をされる方なんだなと思いました。ファンの方は特に、冒頭のナレーションのあの声でやられるのでは、、。
キャスト陣の配役が、どの方もハマっており、しっくりきました。脇を固めるキャストの方々の登場シーン、もっと観たいと思ってしまいました。
壮大な映像美、アクション、清霞と美世の美男美女を観る事が出来て大満足です。また、これらをより一層美しく仕上げる為に、現存の国宝や重要文化財で実際にロケを行い撮影している為、歴史的建造物が好きな方にも、とても刺さる作品だと思います。
劇場パンフレットには、衣装担当の方、CG担当の方のお話(裏側を知る事ができ、本当にオススメ)や、監督等の雑誌やTVの媒体で明かされていなかった話も載っており、それを読んだ上で映画を観ると、より映画の深さが出て良かったです。映画に浸りたい方は、購入をお勧めします。
1回目は表情に見惚れて?夢中?になり、内容はそこそこで体感長く感じましたが、、2.3.4回と表情と内容合わせて観た為、体感、秒で観終わった感覚です。1回目では内容理解が追いつくのに難しい部分もあるかと思うので、2回は観る事お勧めします。
また、これは映画の作品自体には関係ないのですが、、。
目黒蓮さんが番宣等で、映画のタイトルにちなみ、『結婚観や恋愛観』の質問をされているのを見かけ、本当に数多くの媒体からされているでしょうし、正直な性格は理解しますが、、。
言葉の端々に、『彼女の存在』を自ら、匂わせる様な、発言や写真等があり(勝手にこちらがそう捉えてしまっているだけかもしれませんが)
こちらとしては、わたしの幸せな結婚への(今田美桜さんとの)没入感が、とても浅くなってしまって。
彼の言う、この作品には多くの方が携わってくれていて感謝していると言う言葉に嘘がないのならば、少し配慮して頂きたかったです。受け取る側の勝手かもしれませんが、没入感に少し水を差された様な気分になってしまいました。
映画では、小説の半分程しか描かれていませんし、最後の終わり方も、続編を期待してしまいます。注目する点を変えて、また観に行こうと思います。