マッシブ・タレントのレビュー・感想・評価
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愛すべきニコケイが演じるセルフパロディの楽しみ方
1990年代のハリウッドを代表するスターでありながら、近年は公私共に不遇の時代を過ごしていたニコラス・ケイジが、満を持してカムバック。それも、セルフパロディ映画で。ファンの気持ちがざわめくのも無理はない。かく言う私も。
ニコケイ(もしかして死語だろうか?)演じる落ち目のハリウッドスターが、疑惑まみれの大富豪に潜入捜査をかます。そんな物語の端々に挟み込まれたパロディを拾い集めるのは楽しい。冒頭、後に人質に取られる女性が『コン・エアー』を観て『ニコラス・ケイジ最高!』と叫ぶ。実はニコケイの大ファンだった大富豪のコレクションルームには、『フェイス /オフ』を始め主演作の関連グッズの数々が収められている。そして、劇中のニコケイの前に過去作でのニコケイが突如現れる、etc。(個人的には『パディントン2』がベスト3の1本に挙げられるのが嬉しかった。ニコケイには関係ないけれど)
そして、気づくことがある。これほどまでキャラクターが立ちまくり、何を演じても愛嬌がある俳優はニコケイ以外にはいないことに。
既視感のある潜入捜査ものにニコラス・ケイジ自身を当てはめたことで新しさを追求しようとした試みは、100%成功しているとは言い難い。最後の捻りが足りないとも感じる。
でも、ニコケイはニコケイなりに俳優としてしっかりサバイバルできていることを改めて確認できて、少しだけ気分が高揚する。そこがいい。
ニコラス・ケイジへのとびきりの愛情が迸った痛快作
ニコラス・ケイジという存在は計り知れない。昨今の出演作といえば、低予算やB級ばかり。本作もその類かと誰もが思うだろう。しかし蓋を開けてみてビックリ。ケイジはこの映画でケイジ自身を演じ、つまるところ、なかなか俳優としての仕事に恵まれずに途方に暮れるというセルフパロディに等しい役を嬉々としてやってのけている。かつて栄華を誇った俳優がこんな役をやると痛々しさが目につくものだが、ニックは違う。とにかく全力投球で見ていて気持ちよく笑えるし、コメディと不条理の間で絶妙な立ち回りを見せる演技力の”本領”に触れられるのだ。それでいて物語は、人質事件が絡まり、『フェイス/オフ』にも似た組織への潜入捜査を委ねられつつ、愛する娘に尊敬される父になりたくて憑依型の演技メソッドでついつい過剰に頑張り過ぎずにいられない。過去の出演作の引用なども気が利いている。本当に愛されている俳優である。ニコラス・ケイジは幸せ者だ。
ニコケイ、第2黄金期の幕開けとなるか
ニコラス・ケイジと言えばアカデミー主演男優賞を受賞した「リービング・ラスベガス」(1995)を皮切りに、「ザ・ロック」「フェイス/オフ」「スネーク・アイズ」などハリウッド超大作に次々と出演した90年代後半が第1の黄金期と言えるだろうか。だがその後、浪費癖がたたって多額の借金を背負い、出演作が大コケしてハリウッドからのオファーが激減するも、地道に低予算映画に数多く出演して借金も無事完済したという。
そんなニコケイの俳優人生を彷彿とさせる“ニック・ケイジ”役をケイジ自身が演じるという、自虐まじりのセルフパロディ映画と言えるだろうか。意匠としてはジャン=クロード・バン・ダム主演作「その男ヴァン・ダム」に近いが、落ち目の俳優が復活にかけるストーリーという意味ではマイケル・キートン主演作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、さらにエンタメ業界でのカムバックに話を広げるならミッキー・ローク主演作「レスラー」、レニー・ゼルウィガー主演作「ジュディ 虹の彼方に」なども想起されよう。
本作の監督・脚本を務めたトム・ゴーミカンはこれが長編2作目の若手で、あふれんばかりのニコケイ愛を注ぎこみ、ニコケイの過去作への直接的な引用やオマージュをたっぷり詰め込んでいる。家族の危機、映画業界、バディもの、サスペンス、スパイアクションなどさまざまなジャンルと要素を盛り込み、ほどよく枯れてきたニコケイが気負わずに、いつもの困惑気味の表情で好演している。第2黄金期の幕開けになるのでは、と期待してしまう。
最高だよ!ニコラス・ケイジ!!
今日のキネカ大森の名画座は 「B級俳優と思われがちなニコラスケイジの真価を観よ。」という(受け取り方によっては失礼な)企画で、「ドリーム・シナリオ」と「マッシブ・タレント」の二本立て。 失礼な、と書いたが、そもそも「マッシブ・タレント」の前宣伝文句が「君はまだ、本当のニコラス・ケイジを知らない」だから、みんなそう思っているのは否めないかもね。しかし、俺はこの企画のおかげで真のニコラス・ケイジさんを、憑依型俳優の真価を観たよ。
なんとニコラス・ケイジが現実と同じ俳優役で実名の主人公を演じる映画。仕事は途切れず多いのに、大衆からは働きすぎと言われたりあきられたり、さらに思春期の娘ともうまくいかず、いっそ俳優業に見切りをつけようかと迷う主人公が、借金返済のために、参加費100万ドルで招待されたある富豪の誕生会に嫌々参加する話。主人公が映画の話題で心からわかり合えたその富豪は、なんとCIAが追う犯罪グループの首領で、主人公はCIAから、引き続き潜入して情報をとれと命令され従う話。
真面目に作ったコメディは面白い! そこかしこで演技すべき役に憑依する主人公が見ものだが、そもそもこの主人公自身が演技している姿なんだよな、という「鏡の中の鏡に無限に映っている姿を観ているような錯覚にとらわれる映画。もはやどこからどこまで映画なのかすらわからない。楽しい。
おまけ1
「あれがいいぞ。、これがいいぞといつも伝えてくるパパだから、いつのまにか『同じものが好きじゃないと、パパに嫌われるかもしれない』と、いつも緊張してた」と訴える娘のセリフは、わが身を振り返っちゃうよね。反省。
おまけ2
「走ってください。ナショナルトレジャーで足が速かったし、特典映像で『あのシーンはスタント(吹替)ではない』と言ってた」と言われた、ちゃんと走る。特典映像に嘘はない、とする俳優魂、みましたよ!
おまけ3
AFTRA? 思わず、調べちゃったよ。American Federation of Television and Radio Artists。米国テレビ・ラジオ芸能人組合。 1937年結成。 2012年、映画俳優組合(SAG)と合併し、SAG-AFTRAとなった。 なるほど。
ニコラスケイジによるニコラスケイジファンのための映画
ニコラスケイジがニコラスケイジの役として出てくる映画。
良い演技をするがハリウッドスターとしては落ち目のタレント・ニコラスケイジ。家族ともうまくいってなく、仕事も失敗。そんな彼に大ファンと称する男が主演に映画を一本撮りたいと近づいてくる。ニコラスケイジは最初は嫌がっていたが、彼のあまりのファンっぷりと熱意にだんだん心を開き映画を撮ることにする。しかし、ファンと称する男には大きな秘密があった…。
バカバカしくもあり、しっかり泣けるところは泣け、ニコラスケイジのファンの人はもちろんニコラスケイジのファンじゃなかった人はこの作品でファンになるでしょう。
ポップコーンがすすむポップコーンムービーとして良作です。
おススメ。
最高
⭐︎4.4 / 5.0
最高の2.5評価の映画を観たことあるか?
全体的に変な感じで面白い
どことなくB級臭漂うシュールさがじわじわ面白い。
ニコラスケイジの過去出演作の話がちょくちょく出てくるので、全部知ってるとより面白く感じられそうだなと思った。
ダラダラと話を引き延ばすことなくコンパクトに纏められていてよかった。
まだ早い
なにこれ面白すぎる
ニコラス・ケイジが自虐的な役をやり始めて久しいけど、これは集大成じゃないか?監督のセンスが良い。どうでもいい靴を取り替えるシーンとか二丁拳銃のエピソードとか鼻でフフンと笑うレベルのくすぐりがちゃんと後で伏線回収される、とは言っても別に回収する必要もないくだらなシーンばかりなんだけど、とにかくニコラス・ケイジと映画への愛があふれている。冒頭からなんだかやけにいい俳優が出るなと思ったけど、この映画に出てる俳優はちゃんと本質を見極められる人たちなのでしょう、今後この人たちが出てる映画は信用しよう。その極めつけがデミ・ムーア、ノリが良い、顔見ただけではさっぱり分からなかったけど、この人もいい人なんだろうなー。
パディントン2を見直したく(見たく)なる映画
ソファに埋もれて 映画愛
やっぱりニコラス・ケイジはいい。 八の字眉毛のダメ親父からシリアス...
やっぱりニコラス・ケイジはいい。
八の字眉毛のダメ親父からシリアス顔のアクションスター、ラリった陽キャまで表情の変化でここまで演じ分けられるのはすごいし、それを一本の映画に詰め込むアイデアも面白い。
内容も起承転結わかりやすく、ストーリー、構成等The映画として楽しめる。
観終わった後にすぐもう一度観てみたいと思える作品。
娘役のリリー・シーンがかわいい。
コメディ寄りです
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