「「リベンジアクションエンターテイメント」ではない」ノースマン 導かれし復讐者 moroさんの映画レビュー(感想・評価)
「リベンジアクションエンターテイメント」ではない
公式の宣伝文句「リベンジアクションエンターテイメント」から期待したものは得られませんでした。
漫画ヴィンランド・サガのようなストーリーで、ゲームFOR HONORのようなアクションシーンだったらいいなと思っていましたが、ストーリーもアクションもどちらも趣が異なるものでした。
ヴァイキングの死生観や北欧神話の基礎知識をもってから観たほうがよいでしょう。
全体を通してモノローグや世界観の説明はほとんどありません。
登場人物のビジュアルは素晴らしいです。
風習が具体的に描かれていて、特に儀式シーンは迫力があります。
グロテスクな描写は多くあり、戦闘中にできる傷口などにはこだわりを感じられるほどです。
主人公は孤独に行動するため隠密が多く、アクションエンターテイメントというには物足りない印象です。
ラストは、主人公にすれば最高の終末ですが、観ているこちらはそこに至るまでの没入感に乏しくカタルシスを得られませんでした。
地理的にも時間的にもスケールの大きなストーリのはずが、こじんまりした印象です。
映像美はあるものの、総合的にはあまり説得力を感じられない作品でした。
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