「古代北欧の匂いがする物語」ノースマン 導かれし復讐者 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
古代北欧の匂いがする物語
復讐譚なのに主人公に感情移入できない。鑑賞後に調べてみると、ハムレットのネタ元になっているアムレートの伝説らしい。それであれば、主人公が人生の選択に悩むのも無理はない。
ロバート・エガースの前2作の『ウィッチ』、『ライトハウス』とも眠気を我慢しながら見た覚えがあるが、今回の『ノースマン』も画面も内容も暗い物語で、やっぱり睡魔がやってきた。寝落ちしそうな時にようやくアニャ・テイラー=ジョイが登場。アニャの大きな瞳がスクリーンに映っている間は、目がシャッキっとするから不思議。
10世紀の北欧だとまだ土着信仰で、キリスト教を敵視していたらしい。キエフから攫ったスラブの民がすでにキリスト教に帰依していて、そのスラブ人の奴隷を異教徒扱いしているのが意外だった。
ヴァイキングの儀式が、なんだか日本古来のシャーマニズムと雰囲気が似ている。和太鼓のような独特なビートの中でおどろおどろしい何かが行なわれる。アイスランドの厳しくて雄大な自然は、古代の神々がいてもおかしくはない。
アニャ以外にもニコール・キッドマン、イーサン・ホーク、ウィレム・デフォーなど有名どころがいっぱい出演しているし、ビョークまで登場する。そんな豪華なキャストで古代北欧の匂いが残っている物語を見るのもなかなかでございます。
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talismanさんのコメント
2023年1月25日
bionさん、こんばんは。ロバート・エガース監督の映画は初めて見ました。ゲルマン含めて北欧神話に少しは関心あるんですがこの映画ではよくわかんなくて残念でした。寒そうで海も冷たそうで、よく泳げるなーなど、そんなことばかり心配してしまいました