「皆さん上手くて心に迫るものの、、」ぜんぶ、ボクのせい mamiさんの映画レビュー(感想・評価)
皆さん上手くて心に迫るものの、、
いやつらい。全体的に説明台詞が多めなのと少女の背景と行動の動機には弱さを感じつつも、「誰も知らない」の柳楽優弥を思い起こさせる主演の白鳥くんの目の力強さ、オダジョーや若葉竜也、仲野太賀、松本まりか…皆さん上手すぎるので引き込まれます。ラスト好きです。
ただ、あちこちツッコミどころはまあフィクションだし置いておくとしても、何人かの「まっとうとされる社会からははみ出してしまった人たち」を描く中で、ひとりだけ出てくる女子高生に「売春」設定が充てがわれてるのがしんどかったな。いろんな女の子が出てくる中にいる、とか、そういう女の子たちを描く作品ならわかるんだけど。
「女の子で社会からはみ出すと言えばこれでしょ」的な扱いがしんどかった。しかもそうする動機が弱い。背景についても父親についても説明不足。
見た感じ、そこまでひどい父親にも見えない。姉が「大学で解剖学が…」と言っているのでおそらく父親は医師で姉も医学部、少女もそれを期待されてはいるが本人的には本意ではないし成績も良くない、といったところか。
それだけで、「病死」と聞かされている母の死因を「自死では…」と疑い始めるかなあ?ふつうは信じてしまうよね。姉妹にも暴力三昧、とかならともかく。売春の動機としては非常に弱い。
自分の口から「何不自由なく」「悪い友だち」「悪いバイト」と言うのもすごく不自然で。それはまわりの大人が言うことだよね。
とにかく「世の不条理を描くため」に、簡単にふつうの女子高生にパパ活という名の売春をさせて欲しくないなというところ、、
ホームレスの男と仲良くなるのもリアリティがなさすぎる。女の子ならこわいもん、ふつう。これが生前の樹木希林とかが演じてるおばあちゃんのホームレスとかだったら、ずいぶん違ったかも。