「一つの生き方」アルピニスト nobu_machineさんの映画レビュー(感想・評価)
一つの生き方
笑顔を見て、ADHDだとすぐにわかった。
特有の表情をするからだ。
独特の目をする。
ADHDというのはバスケットネームで、その内容は広いようだ。
発達障害という表現もある。
山を純粋に愛し、承認欲求とは無縁の人
という言い方をする人も多いが、
実際はそれとは違うものだろう。
感覚的な飛び抜けた才能、瞬時に見極める判断、
勘、感性、体力、僕らではわからない恐怖の取り扱い法。。。
とてもわからない世界の人は、天才と読んで片づけるしかない。
今のおかしい世の中にストレスを感じないで
生きづらさを感じない人がいるとしたら
麻痺か病気だろう。
生きづらさの裏側にとてつもない才能があり
その向かう先を見つけられたのが天才アルピニスト、マーク・アンドレ・ルクレール。
冒険と呼ぶには、その背景に危険や死が無ければならない、あるいはそれがあるから人の心を揺らす。という意見は確かにそうだし、そうじゃないかもしれない。
マークのように定義しない生き方が良いだろう。
よく知らないどうでも良い他人たちにどう思われるかより、自分が自分をどう感じるか、どう考えるかが大切だし、いやむしろ、何を?を取り外して、感じることと自然に行動することで良いのかもしれない。
憧れる世界でもあり、人はそれを社会不適合と呼ぶだろう。
それが、マークの世界だ。
憧れるが決して凡人はそれを選択できないし、
彼らは選択したのではなく、そこに自然に向かっている。
クライミングをすることを薦めた彼の母は
大正解だったろう
普通の子供とは違い育てる苦労が多かった、それだけにとても可愛い息子を早く他界させることになるわけだが、彼にはその場所しかなかった。
それが幸せとか不幸せとかではなく、そこしかなかった。
親から見たら子に先立たれることほど辛い方はないが、そこしかなかった。
幸せとは幸せと感じることだと信じてきたが、
幸せと自覚しない無意識の状態の幸せという世界を見せてもらった。
>それが幸せとか不幸せとかではなく、そこしかなかった。
親から見たら子に先立たれることほど辛い方はないが、そこしかなかった。
ずっしり響きました。
世間の枠にはめて長生きしたとしてもそれは本当に生きたことになるのか?つらいけどマークは確かに人生を謳歌した。命を燃やした。母は誇っていい。