「「この車は赤い」の意味が気になる」女神の継承 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「この車は赤い」の意味が気になる
悪霊の正体を明かにしようとするあたりまでは、謎解き風の面白さがあり、ドキュメンタリーとしての話の進め方も、それなりに楽しめた。その謎があっさりと明かになるのは、やや物足りないが、先祖の業が子孫に祟るという説明は、いかにもアジア的で、日本人としても理解しやすい。
主要な登場人物の一人が、これからという時に死んでしまうのも、予想外の展開で、逆にクライマックスに向けた期待が高まる。
しかしながら、そのクライマックスのシーンで、ドキュメンタリーの手法が、完全に裏目に出てしまう。
除霊の儀式が失敗しそうになったり、目の前で人が殺されそうになったり、あるいは、自分が殺されそうになってさえ、漫然とカメラを回し続けている様子を見るにつけ、撮影クルーの余りの間抜けぶりに、恐怖よりもイライラを感じてしまうのである。阿鼻叫喚の修羅場を映し出すカメラワークも、不自然さを通り越して、もはやドキュメンタリーの体をなしていない。
ラストにこれがやりたかったのであれば、始めからモキュメンタリーにはするべきではなかったのではないだろうか?
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