劇場公開日 2024年1月19日

「漫画チックな演出が勿体無い 大人には厳しい映画」ゴールデンカムイ しんさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5漫画チックな演出が勿体無い 大人には厳しい映画

2024年2月3日
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鑑賞方法:映画館

笑える

単純

興奮

原作未読です。
隠された金塊の地図が脱獄犯の身体の入れ墨との設定が面白い。アイヌの女の子と軍人がコンビで脱獄犯を探す展開も良い。随所のアクションも迫力がある。舞台の北海道の大自然や古い街並みも違和感がなく、それなりに金をかけたのでしょう。

それだけに、漫画チックな大げさな演出がとても勿体ない。箸休めにお笑いのシーンを挟むのはアリだけど、演出がいかにも漫画な感じで、とたんにリアリティがなくなり興醒めした。
お笑いシーンの他にも敵役の造形なども、漫画に忠実に作ったのはわかるが、作りすぎでリアリティが無い。アニメか? ってレベルのコテコテの造形に失笑した。

おそらく高評価をつけているのは原作ファンで、本作も原作ファンの集客を狙ったもの。その点で評価が割れると思います。
高評価に釣られて一般の映画ファンが足を運ぶとずっこけると思うので、お含みおきください。
ちなみに僕は漫画を馬鹿にしているのではなく、むしろ漫画好きです。ただ、漫画の演出を実写映画に持ち込むセンスには頷けない。
比べて申し訳ないが、山崎貴さんのゴジラ-1.0の方が荒唐無稽な設定なのに、リアリティはゴジラの方が遥かに上で人間ドラマもしっかりしており映画としての完成度が高かった。
それに引き換え本作は…という意味で、好みの問題。
しかし、設定が面白いだけにシリアスに作れば傑作になったのにと思うと本当に勿体ない。

最後に、山崎賢人さんの演技はキングダムよりもよかったかな。でも、もっと芝居力をつけて欲しい。アイヌの女の子の棒読みは論外。また、アイヌも山崎賢人さんの軍人も服が綺麗過ぎる。この辺りも、こうした邦画の残念なところ。
続編はテレビで見ることにした。

しんさん