「アイヌの遺した黄金を巡り、北の大地で繰り広げられる壮大な争奪戦を描いたお話。クセのある登場人物・壮大なストーリーに綺麗な風景と、観る者の期待に充分応えてくれる力作です。」ゴールデンカムイ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
アイヌの遺した黄金を巡り、北の大地で繰り広げられる壮大な争奪戦を描いたお話。クセのある登場人物・壮大なストーリーに綺麗な風景と、観る者の期待に充分応えてくれる力作です。
原作の漫画は連載中から読んで知っていました。
連載当初は、突拍子のないストーリーに余り良い印象が
無く、斜に構えて読んでいたのです。・_・;
それが、実はアイヌの文化・風習をものすごく丁寧に
調べ上げて作品に反映している事、そしてアイヌ研究の
中川裕さんが監修している事などが分かり、マイナスの
イメージが払拭されました。・_・ハイ
そんな事はさておいて、このお話は…
杉本と出会ったアシリパさんが、味噌の美味しさに気付く
まで(=オソマだろう と疑いながら口にするまで ^_^;)
のお話です。 …って う~ん
嘘ではないけど この説明ではあんまりな気が…・_・;
仕切り直し。さて、このお話は… ・_・;;;
明治末の日本。
舞台は、蝦夷地から北海道へと名前を変えた北の大地。
そのどこかにアイヌが隠したという膨大な量の金塊。
それを手に入れようと繰り広げられる争奪戦。
その序章となるのが、今回のお話です。
原作は全31巻に及ぶ大作。 完結しています。 ほっ ・_・
登場する人の数がとても多い作品なのですが、この作品では
主要な人物がバランス良く登場する感じです。
なので、今後のためにもキャラ覚えましょう ♡ ・∇・ネ
(間違いなく続編があると思いマス ) …あと何本かな?
※
主な登場人物は、大きく3つのグループに分かれます。
簡単にまとめてみたのが、こんな感じ。
(全員は紹介できません。・_・; ゴメンナサイ)
■主人公たち(杉本&アシリパご一行様)
・杉本佐一(山崎賢人)
不死身の杉本と異名を持つ男。二百三高地の生き残り。
・アシリパ(山田杏奈)
アイヌの少女。狩りや山で生き抜く知識に詳しい。
・白石由竹(矢本悠馬)
脱糞王。…じゃなくて 脱獄王。(お約束です♡)
杉本とアシリパさんは、最後まで「良き相棒」として行動を
するわけですが、その出会いと、絆が深まるまでが描かれます。
白石も、話の最後まで関わる大事なキャラクターです。
■他の登場人物A(鶴見中尉ご一行様)
・鶴見中尉(玉木宏)
旭川の第7師団所属の情報将校。実はある壮大な企みが…
・月島軍曹(工藤阿須加)
鶴見中尉の忠実な部下。
・尾形百之助(眞栄田郷敦)
射撃が得意なスナイパー。生い立ちに隠された秘密が…
・谷垣源次郎(大谷亮平)
もともと阿仁マタギ。獣の狩りならお手の物だが戦は…。
■他の登場人物B(土方歳三ご一行様)
・土方歳三(館ひろし)
新撰組鬼の副長。函館戦争で死んだと思われていたのだが…
・永倉新八(木場勝己)
新撰組二番隊の組長。新撰組最強の剣士との評価もあるとか。
・牛山(勝矢)
鋼の額を持つ頑強な男。後に○ンポ先生と呼ばれるらしい。
この3つのグループに出たり入ったりする他のメンバーも
今後たくさん登場するものと思われます。が、
最初にこの3つのグループの代表を覚えておけば、理解が早
いと思います。
今後は、杉本・鶴見中尉・土方歳三を中心としたグループが
埋蔵金の隠し場所を記した暗号の収集合戦を繰り広げます。
(あれ? アシリパさんのコタンはどこにあるんだろう…)
◇
で、今作を観た感想としては…
面白かった。・∨・デス
映像(風景)が綺麗。
登場人物の再現性の高さ。
ストーリーが原作にほぼ忠実。
作品世界に浸りきった2時間と少々。
満足です。・_・♡
◇あれこれ
■再現度の高かったヒト
フチ(大方斐紗子)
アシリパさんのお祖母さん。
原作イメージそのまんま でした。びっくり @-@
鶴見中尉も土方さんも脱獄王白石も良かったですが
やっぱりフチが一番かも。
※フチは、原作の最終回にも登場する人物です。
この作品があと何本か作成されるものとして、是非
大方斐紗子さんがお元気な内にお願いしたい…
現在84歳と高齢でいらっしゃいますので ・-・。
「太陽の王子ホルス」のホルスの声を演じてから55年。
時の経つのはなんとはやいもの。しみじみ。
■ヘンな顔も頑張ったヒト
アシリパ(山田杏奈)
原作でもヘンな顔を沢山見せてくれるアシリパさん。
今作でも「味噌」にまつわるエピソード中心に、原作の
イメージに近い「ヘンな顔」を魅せてくれました。・_・
原作は漫画だけに、かなり強烈な表情も描かれます。なので
吹っ切れた演技力の持ち主でないと再現できないのでは…と
案じていたのですが、杞憂でした。熱演でした。
■印象に残ったアイヌの風習
フチが自分の首筋に、箸で掴んだ食べ物をもっていく動作。
自分の守護霊(先祖?)に捧げるのだとか。
先祖を敬う気持ちが、日常生活の中に溶け込んでいるのが
分かります。
そして、その意味をアシリパさんから教えてもらった杉本。
自分の首筋に、フチと同じように食べ物を持っていくのです。
相手の風習に敬意を表して、同じことを行う。
これって出来そうで出来ないことかもしれませんが、相互理解
のための第一歩になるのでしょうね。・_・
■話に出てきたアイヌ語(まとめ)
・アチャ (父) 今回はほとんど出番無しでしたが重要人物。
・フチ (祖母) 口の周りの入れ墨も再現されてました
・ニシパ ( 旦那) スギモトニシパ
・オソマ (ウ○コ)アシリパさんが連呼します ・∪・
・ヒンナ (食事に感謝を捧げるコトバ)ヒンナヒンナ♪
・レタラ (白) 白オオカミの名前。白石のアタマが好き。カブ
・コタン (村) 昔「コタンの口笛」を読みかけて挫折 … う~ん
・チセ (家)新津”ちせ”の名の由来はこれなのかな?_?
・カムイ (神)日本語と発音が近いコトバ、他にもあります。
・ウェンカムイ (悪神) 人を食ったクマの末路。 きゃー
◇最後に
冒頭でも書いたのですが、アイヌの文化風習を相当詳しく
検証して描かれている作品と思います。
杉本とアシリパさんが、互いの生活習慣や食文化の違い(※)
に驚きながらも尊重しあう、そんな姿を作品から感じられた
のがなんか嬉しいです。
次作以降も、そんな丁寧に作られた作品に期待してしまいます。
(※)杉本もアシリパさんも、リスが好き。
「リスは可愛いよね? アシリパさん」
「リスは大好きだぞ 杉本」
チタタプ チタタプ ♪ ・∀・
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
共感&コメントありがとうございました。「アシリパさん」に杉元の性格が出ていて良いですよね。
アシリパは優しさと豪胆さを併せ持っていますね。「アイヌは熊の子供は大切に育てるぞ」みたいなセリフがありましたね(もしかして、大きくしてから食べる為?💦)