EO イーオーのレビュー・感想・評価
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(バス遅れで15分見られていない部分があります)基本的に良作です。
今年149本目(合計800本目/今月(2023年5月度)6本目)。
映画館に「バス」で行くのって怖いですね…。地下鉄(大阪メトロ)を使うべきでした。
最初の15分ほどの鑑賞がまるまる抜けています。申し訳ありません。
で、ロバを主人公にするか、ロバ目線で見たとき「どうでいい」争いをしている人たち、各自を主人公にするかは微妙なところがありますが、ここはロバなのだろう、というところです。
「実は」本質的に考えれば、ロバでも馬でもウサギでも変わらず、ある人がもめているとき、第三者が見ているという状況があれば、そういう喧嘩って起きにくいのは確かに言えます(その代表例が監視カメラ)。
ちょっと名前を忘れたのですが、去年だったか2年前だったか、豚をテーマにして豚「しか出ない」(よって豚目線で進む)映画があったと思うのですが、テイスト的にはそれに似るところがあります。
見方としていろいろな解釈はできると思いますが、「どうでもいい言い争いはやめようよ」「その言い争い、見ている人いますよ」という警告的なもの(換言すれば、どうでもいい言い争いはするべきではないし、本質的な言い争いは自宅なりでちゃんと証拠を並べてするべき)ではなかろうか、というところです。
映画の作品の手法がこのように特殊な映画であるため、いわゆる動物愛護の論点も出てきますが、ちゃんとこのことについては記述があります(動物は傷つけていません)し、日本基準でみても概ね妥当だろうといったところです。
採点においては特に気になる点がなかったこと、また最初の15分の間を見られていないことなどこちら側の帰責性があることもあり、「便宜上の」フルスコアにしています(まさか最初の15分で極端に珍妙な描写ばかりということも考えづらい)。
人間社会の不条理な構造に一陣の棹さしても、 何の波風も立たず、
ポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキが7年ぶりに長編映画のメガホンをとり、
一頭のロバの目を通して人間のおかしさと愚かさを描いたドラマ。
人間社会の不条理な構造に一陣の棹さしても、
何の波風も立たず、
構造の目的に飲み込まれて消えて行く。
それは、ロバという獣であっても人間社会構造の一部で棲息しているからだろう。
そんな渇いた虚しさの中で生きて行けるのは、
愛してくれたカサンドラとの触れ合いが思い出があるからだろう。
それにしても、
シンプルなストーリーなのに、
複雑に凝った映像に、ケタタマシイ音響が作品の気鋭を見せるが、
兎馬の鈍重で優しさを損なわせた仕上げは如何なものか!?
^^
愁いを帯びたまなざしと溢れる好奇心を持つ灰色のロバ・EOは、
心優しい女性カサンドラと共にサーカスで幸せに暮らしていた。
しかしサーカス団を離れることを余儀なくされ、ポーランドからイタリアへと放浪の旅に出る。
その道中で遭遇したサッカーチームや若いイタリア人司祭、伯爵未亡人らさまざまな善人や悪人との出会いを通し、
EOは人間社会の温かさや不条理さを経験していく。
放水が逆流するようにロバの潤んだ目には世界が、人間社会がどの様に写るんだろう、を想像してみて映像化してみました…みたいな?
①映画が終わりエンドクレジットの終わり頃に、もはや見飽きたくらいの「この映画ではいかなる動物も傷つけられてはいません」といういつもの文章が写されるが、監督はもしや皮肉としてこの映画を撮ったのではと思ったくらい。
映画ではそうかもしれないが現実世界ではどうだろう。
我々人間は動物の肉を食べなければ栄養に偏りが出るからどうしても動物を殺して肉を食べなければならない(私は、ヴィーガンとか菜食主義とかは胡散臭いと思う主義。だって植物にだって命があるし何も意識がないと思っているのは人間だけかも知れないし。)
人間(だけとは限らず自然界とはそういうものだ)とは所詮他の命の上に生を営んでいるもの。
②人間のおかしさ・愚かさを描いた映画は数限りなくあるとはいえ、前例があるにしてもロバ(どんくさい生き物と見なされる)の眼から見たものとして描かれるのは前代未聞だろう。
予想とはちょっと違ってたけど悪くない だけど、なんか 途中で終わっ...
予想とはちょっと違ってたけど悪くない
だけど、なんか
途中で終わっちゃった感がかなりある
私程度の映画ファンレベル
最近、幾つかの作品に「目に付く」形で登場が話題(?)のロバ。ついには全編「ロバ目線」という本作『EO イーオー』は賞レースでもかなり話題になっていたこともあり、上映を楽しみにしていました。せっかくなので、トレーラーは勿論のこと、レビューサイトの評判も覗き見ることもせず臨んだわかですが、、、
観終わって、作品に対する複雑な思いのままレビューサイトを巡回(採点のみ確認)してみると、総合評価よりもレビュー付きの方の採点が高めです。判りやすいのはRotten Tomatoesで、TOMATOMETER(映画批評家)97%に対し、AUDIENCE SCORE(一般視聴者)67%。
そもそも、私、本作の監督(・脚本)のイエジー・スコリモフスキ作品は『イレブン・ミニッツ(16)』だけしか鑑賞しておらず、しかも、あまり高い評価を付けていません(正直、内容も忘れています)。ポーランドの「巨匠」と呼ばれ、カンヌの常連でもある監督について、おそらく私程度の映画ファンレベルでは理解しきれていないのでしょう。卑下するわけでなく、正直にそう思います。
物語は終始EOの目線で見ながらすすみます。あるきっかけで自分を愛してくれた女性の手を離れ、居場所を転々とします。作中において度々「動物愛護」が謳われますが、どこに行ってもEOにとって居心地が良さそうには見えません。なんなら偽善的とすら思いますし、「EO目線で見る人間」を観ている私たちは、人間が如何に滑稽で、身勝手で、愚かなことをしているのかを感じざるを得ません。
エンドロール中、Castに見る「EO」には6頭の名前がありましたが、そもそも作中で数頭ロバが画面内に映ると、どれがEOの見分けすら微妙です。そして、ロバって見た目可愛いし、力持ちで健気に働いて、もう嫌いになる余地ないくらいに思いますが、あの奇声だけはひきますね。確かに、夜中にジャングルの奥からあれが聞こえてきたら(他の映画からの引用)怖くてしょうがないw
と、脱線しまくって文字数稼ぎましたが、ご批判を恐れずにつければ、私の評価は「高め」につけても星2つ半でした。(なんか)すいません。
愛しのカサンドラ
サーカスで飼われていたロバのEOと、その周辺で絡む人や動物達の様子をみせるお話。
ヴロツワフ市の条例で動物愛護がなんちゃら言い出し、サーカスへの動物出演が禁じられたことで売られて始まっていくストーリー。
ロバの目を通してとはあるけれど、語ったり喋らせたりという描写はないし、EOの一人称視点は少々、ポーランドからイタリアへの放浪旅なんてありました?
どれだけ距離が離れているかわからないけれど、ポーランドの馬牧場で働かされて、今度は子供と触れ合う幸せそうなロバ牧場。
なんか人間今作模様というより動物模様?が多いのですかね…。
そして脱走して彷徨って波瀾万丈な旅が続いて行くけれど、気づけば間違いなくEOがその場にいない状況での、訳の判らないショートドラマが増えてませんか?終いにはどういう経緯でその牧場へ?
EOが絡んだ人や動物達をみせる群像劇ってことなんだろうけれど、動物の扱いに対する悲しさみたいなものがホンノ~リある程度で、自分には面白さが解らなかった。
不思議で、独創的で、刺激的で、美しい映画!
美しい映像の予告編を観て(あと、ゴールキーパーの動きも気になっていた。)絶対に観なきゃ、と思い、映画館へ。オープニングの赤と黒の映像や、なんだかドキドキするような音楽で一気に引き込まれて、途中、一体何を観ているの?、ストーリーどうなってるの?とやや混乱しつつ、、まさに、体験する映画でした。
楽園追放:ロバの場合
2022年。イエジー・スコリモフスキ監督。あるサーカス団で少女にかわいがられていたロバのイーオーは、サーカス団の解散によって別の場所に引き取られていく。幸福な日々を失ったロバは、少女との日々を忘れられずに逃げ出すが、人間世界の思惑に巻き込まれていく、という話。
ロバの主観をなぞる不思議な感覚だとおもいきや、そこでとどまらず、人間の主観にも寄り添っていく。人間とロバの間を視点が揺れ動くことで、自然のうちに、複数の主観の一つとしてのロバの主観に入り込んでいる。そのうえさらに、誰の主観ともいいきれないイメージ映像のようなもの(動物のような動きをするロボットとか)も挿入してくる。ロバからは能動的・積極的な意味が出てこないので(言葉でしゃべれないし表情をつくれない)、人間ではなくロバ、ロボットではなくロバ、という対比を通じて「ロバなるもの」が表現されているのかもしれない。だからことさら、どうでもいい人間たちの姿や、どうでもいいロボットの姿が描かれるのか。
ロバ主人公のスコリモフスキ監督の新作
イエジー・スコリモフスキ監督の新作なので、日本公開日(5月5日)にHTC渋谷で鑑賞。
ロバの眼を通した見た世界が描かれているようで、ロバに見られている自分を感じるような映画であった。
ロバが主人公の映画…と言えば、すぐに出て来るのはブレッソンの『バルタザールどこへ行く』だが、バルタザールでは1頭のロバが様々な飼い主を転々としていくが、本作もそれに近い。
本作では、EОと呼ばれるロバはサーカス女性カサンドラに可愛がられるが、その後転々と様々な人たちと接することになる。そして時々、可愛がってくれたカサンドラを思い出す。
このカサンドラを演じた女優は、ちょっとだけエル・ファニングに雰囲気似ている感あり。
また、本作はアチコチで「う~ん、映像美!」というシーンが多々あり。
『2001年』スターゲートを想起させられる場面なども印象的。
EОはサッカーやトラック運転手に運命的な作用をしているかに見えたりするが、サッカー場面では「♪チームカラーはわれらの誇り」とか「♪青と白が勝利をつかむ」などというチャントが、個人的に気になった。
明日(2023年5月6日)、3度目のアジアチャンピオンを目指す浦和レッズの対戦相手アルヒラルのチームカラーは青。ちょっとタイミング的に「青い方が勝利をつかむ」などと勝手に伝わって来て困った(笑)
奇しくも、5月5日はスコリモフスキ監督の誕生日。映画会社としては「金曜日だし、GWだし、…丁度いい」という感じだろうか(笑)
さすがスコリモフスキ監督、なかなかの佳作。
EOどこに行く
現代でロバがそんなことになる?って疑問だったけど、ちゃんと現代のバルタザールどこへ行くだった
恵比寿のポーランド映画祭の先行上映に向かう途中でチケット完売ツイート読んでガッカリして、一般公開を首を長くして待った甲斐があった
あのちょっとびっくりするシーン、観客がオォッ…って物凄い一体感があったな
映画館で見られてよかった
なにを観ていたのか なにを見させられていたのか
最初に感じたのは映像の美しさでした
正直こんなに綺麗だとは思っていなかったので一気に惹き込まれるきっかけになりました
そしてこの映像と音がセリフのほとんどない世界にぐっと没入感を与えてくれます
スクリーンとの距離があるはずなのに…気が付けばこの世界の先頭に立っているような
そんな錯覚さえ覚えるほどに
最後エンドロール前、私の魂が幾分か失われた
そんな気持ちになる作品でした
ロバ目線で描かれる人間社会の愚かさ。
ロバ目線で描かれる人間社会の愚かさ。
サーカス団のロバのEOが、あることをきっかけにポーランドからイタリアに一頭で旅に出る姿を描いた、社会派ロードムービー。
EOの純粋さや感情が段々と表情から分かるようになるので物語が進むほどハラハラ…。
ロードムービーとしての面白味と絵画のような映像美に引き込まれます。
これは、スクリーンで観たら圧巻かと👀
ポスター通り"赤"がポイントになった視覚演出は結構インパクトがあって、不穏さが際立っていました…。
直接的な暴力描写はないものの、動物好きな私にはズシン…と来ました。
GUNDAを彷彿とさせられる特別な一作だと思います。
ロシナンテ
2023年4月22日
映画 #EO #イーオー
愚鈍のイメージのロバのつぶらな瞳から見た人間世界の不条理を描いてます
ロバの感情?表情?はほぼ瞳からのみ発せられるけど、何かが伝わるんですよね
アメリカの民主党のイメージトレードマークはロバでしたね
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
手堅いプロの技術、豊かな寓話
ともかく撮影技術の面では現在の世界最高峰に連なる作品。目を引かれるのは周到に組み立てられた照明だけど、本当に斬新なのはサウンドデザイン。水滴が落ちる、木々の間を風が吹き抜ける、車のタイヤのきしみ、どれもきちんと考えられ練り上げられたサウンド。
そして物語は、映画史的伝統にしっかりと根ざしていて、複雑な記号の網の目が豊かな読みを可能にしている。文学や哲学の研究者が見ると夢中になるのでは。とりわけ、映画の終盤でロバのイーオーが湖にかかる高い橋をわたって、天国へ向かう途中のような静かな庭園に至る場面は、近年まれな美しいショットだと思う。
ブレッソン『バルタザール』からの広義の翻案だけど、そこに現れる暴力や悪意がむき出しで苛烈なのも、まさにいまの時代の映画として撮られた証拠。
喋らずとも大きな瞳が雄弁に語る
1頭のロバの目を通して描かれる、人間のおかしさと愚かさ。ある者は友人のように接してくれたかと思えば、ある者は野良ロバとみなして荷物の運搬に使おうとする。一方が幸運を呼ぶシンボルと崇めれば、もう一方は不運をもたらした厄介者扱い。1頭の動物を主軸に描く人間模様といえばスピルバーグの『戦火の馬』もあったが、本作ではよりシニカルだ。
セリフはしゃべらずとも、どこかしら憂いを含んだ大きく映し出されるEOの瞳が、物語を幻想的かつ雄弁に語らせる。「自分の役柄に想定された意図に従って仕事をし、監督のビジョンに口をはさまない優れた俳優」とロバを称賛するスコリモフスキ監督。『15時17分、パリ行き』で、88歳(製作時)のクリント・イーストウッドが実際に起きた銃乱射事件を、俳優ではなく当事者本人を起用して撮影したように、84歳(製作時)の奇才の手にかかれば、動物すら名優にしてしまう。
奇才には、年齢などただの数字でしかないのだ。
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