「やはり天才の方に同情してしまう」チャイコフスキーの妻 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
やはり天才の方に同情してしまう
天才の妻になることを思い込んで実現して、結果的に自縄自縛になるヒロインには同情できなかった。フィクションの部分もあるようなので、すべてこの通りでなかったにしても、どうしても天才のほうに同情してしまう。イタい妻と笑い話にしてはいけないと思うが、われわれは天才の奇癖は許してしまう。映画としては、ロシアの教会の門前の様子や結婚式の面倒くささ、お祈りのクドさなどディテールが面白かったが、最後の締めの幻想ファンジー的な演出はその音楽ともども陳腐な感じがして頂けなかった。
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オプンチアさんのコメント
2024年10月1日
“天才は何をやっても許される”という台詞に尽きると思います。ゲイ=犯罪者の法律(英国は1967解除)を逃れるための偽装結婚は欧州のどこにでもあった話。社会通念に疎いこの妻の抵抗は、妄執にすぎず、周囲を苛立たせるだけで悪妻というより現代にもいる“イタい”タイプではないでしょうか。