「意外にも邦題が的確だった」逆転のトライアングル Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
意外にも邦題が的確だった
クリックして本文を読む
さまざまな権力関係が状況に応じて変化していくさまを描いています。まさに逆転が何回も起こります。
ジェンダーやルッキズム、人種だけでなく職業上のものなど、細かいところまで丁寧に描いています。
「逆転の」がダサいと思ってましたが、実は的確な邦題だったんですね。
ラストシーンはこれ以上なく皮肉が効いていて、しかもわかりやすいと思うんですが、意味がわからない人がたくさんいるようですね。
日常を取り戻した途端、日常的な人種的偏見も元に戻ってしまう。やっぱりアジア人は下働きかよ!と誰でも叫びたくなると思いましたが。
監督はアジア人は黒人より差別されているということを、既に船のシーンからきちんと描いていましたね。
たしかに船のシーンがちょっと長い。あそこを少し刈り込んでくれたらもっと高評価でした。
この映画はおそらく、現在の性差や人種的な権力関係も、偶然にできたものにすぎないという点まで描いていますね。男女の小さく見える話から始まって、そうしたスケールまで達している作品だと思います。
コメントする