劇場公開日 2023年2月23日

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「口論、議論と逆転のサバイバル」逆転のトライアングル ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0口論、議論と逆転のサバイバル

2023年3月2日
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鑑賞方法:映画館

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映画はレストランでの食事代をどちらが払うのかを巡りモデルの美女とイケメンカップルの口論で始まる(男が払うのが当たり前となっている風潮、社会のあり方に低収入の男性モデルが疑問を呈している)。ここではモデル業界の女尊男卑が語られる。ロシアの資本家である大富豪と船長(この船長、セレブ達の相手に嫌気がさしたのか船長室からなかなか出てこない)との共産主義と資本主義に関する議論。豪華客船でのセレブ女性の客室乗務員達への傲慢な振る舞い。これらの口論、議論、やりとりはなかなか面白い。傲慢さや口論の中身は日本映画にありがちなステレオタイプの描きかたではない。風刺とユーモアと皮肉たっぷりで、議論では政治家の発言を引用したりで興味深い。
そして豪華客船が転覆沈没し、10人ほどの乗客、乗務員が無人島?に漂着。そこではサバイバル(火起こしやら海での漁など)に長けた客船では底辺の存在であったであろうトイレ係の中年女性(小柄なアジア系)がリーダーシップを握る。豪華客船上でも日常でも考えられない、逆転した立場のなかでのサバイバル生活を送る。島でのこのリーダーと美女とイケメン、大富豪、船長など上級乗務員達とのやりとりもまた面白い。島で起きる逆転状態は滑稽であり可笑しい。

ゆみあり