劇場公開日 2023年2月23日

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「「流されて・・・」を思い出しました。」逆転のトライアングル カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「流されて・・・」を思い出しました。

2023年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年カンヌのパルムドール受賞作。
本作の監督リューベン・オストルンドについて自分はよく知らなかったがこれが2回目の受賞だとか・・・。

貧富、ジェンダー、人種、職種なんて別の社会に置かれると何の意味も役にも立たないという事を皮肉まじりに描いた映画。

個々のSDG‘Sへの意識が定着しつつある先進国において、そのテーマ性から一部の支持層や運動家などから評価されたというのは頷ける。

一方、表現がストレート過ぎて観るに耐えないシーンが多かったことは残念でならなかった。
自分勝手なセレブの乗船客達が船酔いで嘔吐するシーンがもしカウンター狙いでスカッとさせる効果を期待してのことだとしたら、鑑賞者の寛容さを過大評価し過ぎだと思う。

キャストを見て知ってる俳優はウッディ・ハレルソンのみだったが、主役のハリス・ディッキンソンを見て「ザリガニの鳴くところ」でいけすかない男を演じていた俳優だと言う事がすぐにわかり少しだけ嬉しかった。

ウッディ・ハレルソン演じる船長のキャラクター背景への説明がもっと欲しかった。

清掃のおばちゃんが無人島で何もできないセレブに対しマウントを取り、主従が逆転するというプロットはイタリア映画の「流されて・・・」思い出したが、現実社会に戻っても自分を認め頼ろうとしてくれるモデルの子の一言で犯行を思いとどまったのは唯一監督の良心を感じたシーンだった。

カツベン二郎