「作り変わり得るもの」逆転のトライアングル berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
作り変わり得るもの
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Triangle Of Sadness
上品な老夫婦は手榴弾と地雷で成した財を語って過去に思いを馳せる、笑って良いのかさえもわからない。金は美しく美は正しい、富豪達はそれなりに正当性があり(監督がそう述べる)故に愛とは何かを語るのだが、船長を含め乗組員達は皆うんざりしている。
酒には溺れていても船酔いはしない船長と、資本主義者のオリガルヒの自虐的なやり取りが船内に響き渡る。閉鎖的な空間に自ら乗り込んできた人々を、あるべき結末に導く水先案内人のように思える。
島のシーンでは登場人物が絞られるが、そこからも関係性は刹那に移り変わっていく。問題は最後にもう一度戻そうとするかどうかだが。邦題は逆転のトライアングルだが、変化への悲観的な視点を併せ持つ。
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琥珀糖さんのコメント
2023年9月11日
berkeleyさん
返信と共感ありがとうございます。
やっと少し追いつきましたので、観た映画が増えました。
詩的で哲学的で含蓄のあるレビュー。
素敵です。
ラストでそこがリゾート地だと種明かしがあり、現実に戻されてしまいましたね。
私はこの映画とても好きです。
意地悪い視点が好みでした。
berkeleyさんが4・5を付けてらして
嬉しかったです。