「子供には厳しすぎる世の不条理」アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 Jongoさんの映画レビュー(感想・評価)
子供には厳しすぎる世の不条理
世界は自分中心で回ってると考えている小6の主人公。だがこの世は不条理に溢れており、それを受け入れないと成功は掴めない。レーガン当選を背景に描くことで、トランプが選ばれた21世紀もこの不条理が存在し続けていることを鋭く示す。
鑑賞中は「さすがにお前らやりすぎだろ...」と思わずにはいられなかったが、鑑賞後冷静に自分の小学校高学年時代を思い返すと、人のことは全く言えなかった。彼らのように犯罪は起こさなかったが、大人は全員敵だと思っていたし、自分に出来るその時々での精一杯の抵抗をしていた。授業中嫌がらせを続ける彼らを「ガキだなあ」と見ていたが、全く同じことをしていました。自分こと棚に上げてすみません。
ただ、やはり犯罪にまで手を出すのはさすがにアウトとしか言いようがない。
不条理に押しつぶされる子供たちを描きたかったのだろうが、これでは単なる因果応報である。一線を越えない純真さが彼らにあるからこそ、不条理性が際立つのではないだろうか。
彼らが劇中取る手段と、伝えたいメッセージがうまくかみ合っていないと感じた。
おじいちゃんが言っていた「高潔であれ」はそういうことじゃないと思うぞポール!
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