「(オンライン試写会は内容にネタバレがなくても一律ネタバレ扱い)」CLOSE クロース yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(オンライン試写会は内容にネタバレがなくても一律ネタバレ扱い)
今年184本目(合計835本目/今月(2023年6月度)9本目)。
fanvoiceさまのご厚意で、40日ほど早くみることができました。
まだ12~13歳という、子供か大人への入り口か…という微妙な年ごろの少年2人と、その2人に起きた出来事に焦点があたっている映画です。
当然のごとく、日本においても本国(フランス。一部はオランダ、ベルギーでも取られている模様)においても、12歳くらいの子であれば、仮に同姓であっても、それは「付き合う」とか「恋愛」であるとかという概念は薄いものです。「しいてあげるなら」程度にすぎません。それこそ幼稚園(保育園)の時から友達だった、というような背景がプラスされれば、この年頃であれば、十分にあっておかしくないのです。
しかし、今現在、日本も含めて一般的に「恋愛」の対象であるとこの「一般的な恋愛」以外のものは何かと軽視されたり、また当事者(この場合は、周りの子も同じ年ごろ)にも悪意(積極的悪害)がなくてもそのように、「男の子どうしで付き合っているの?」というような発言は、悪意(積極的悪害)がなくても生じうるものです。
全般的にストーリーの展開がゆっくりかつ、会話が少ないパートと多いパートの差が激しいため、ちょっとでも見逃すと(オンライン試写会では巻き戻しはできますが)、あれれ?という展開の読めなさが(実際の放映では)起こりうるのかな…というところです。
いわゆるクィア映画のタイプと考えられるところ、LGBTQを語るときの当事者の恋愛をナチュラルに表現するときに close friendship (密接な友情)と言い換える(このように「言い換える」ことが妥当かどうかはさておき)文化が海外には存在し、このタイトルの close もここからきているのではないのかな…というところです。
採点上においては、フランス映画ということもあり、一般的には余韻を残したタイプのストーリーが好まれるところ、この映画は上記のようなテーマを扱い(ただし、言われれば気が付く程度)、かつ、ラストも余韻を残す(どこまでのLGBTQ論を展開するかで、解釈も複数取れそう)ストーリーとなっており、特に減点するまで気が付いた点はないので、フルスコアにしています。