トリとロキタのレビュー・感想・評価
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コンゴ民主共和国が彼女たちの祖国だと思う。
彼女たちを日本に呼べば良いと思う。
裏社会であっても、社会を回しているのだから、昨日見た『アシスタント』のア●ビー・リーグの高学歴才女よりもまともな裏社会のコマになっている。裏社会のヤバい仕事であれ、『AIの導入』がすすめば、彼女は宗主国の白人よりもまともな仕事することになる。言い方を変えれば、『AIの導入』がすすめば『宗主国の白人に明日はない』と言う事だ。白人女性はこのあと指摘するグループ(裏社会の様な物-それが表社会なのだ)でお金を稼ぐ事になるかもしれない。しかし、奴隷の如き彼女達が自滅したら、旧宗主国の白人達はヤバい裏社会の運営を諦めざるを得なくなる。従って、ひょっとしたらその方が社会が浄化されてよいのかも知れない。
だから、労働力が不足しているなら、彼等を日本に呼んだ方が良いと考える。彼らは生きるために真剣に働くと思う。75歳以上に10万円やるくらいなら、そっちの方が生産性の向上も見込める。
さて、ここからが、本題である。
ベルギーに限った事では無いが、西側諸国(?)の民主主義国家と言っても荒唐無稽だと知るべきだ。白ロシアやロシアを野蛮な国家と言っている事に異論は無いが、西側(?)の諸国であっても、ヨーロッパの国々はこの映画で描かれた様な社会なのだと思う。そして、大麻を違法とする事に全く異論は無いがその露営に伴った犯罪が行われる。誇張された犯罪だが、もっと身近な犯罪が横行している事に気づくべきだ。
それは『売春』である。ドイツ、フランス、オランダ、デンマーク、イタリアは売春が『合法化』されている。色々な理屈は語られるが、それで良いのだろうか?大麻を栽培する事と犯罪の程度はどちらが社会的に影響を及ぼすのだろうか?
日本には曲がりなりにも1958年に売春防止法がある。憲法9条と共に世界的にも異例な法律と言えるかも知れない。彼らには是非、日本に来てもらいたい気がする。
半分ドキュメント
冒頭のシーンで、移民の立場を理解させた演出は素晴らしいが、あの秘密基地からどうやって帰ってきたのか?とか、用意周到な犯罪集団が、そんなリスクを犯すのか?とか、素朴な疑問が複数あったけども
勝手に、暗黙の了解をしながら見続け、まぁ、この作品は『承』の部分が『結』よりも大切なんだろう。知らんけど。
情けは人のためならず
ダルデンヌ兄弟による移民問題を題材にした作品です。前作「その手に触れるまで」では、郷に入って郷に従わぬイスラム原理主義、その教義に感化された少年を軸に、3人の女性が登場。女性たちは「恋愛」「無償の愛」「赦し」を象徴する存在。根底には移民に対する暖かいまなざし、ってのがあります。
その基本的なスタンスは、今回も同じですが、登場人物の「象徴性」はやや希薄。ドラマ性を強調しつつ、ダルデンヌらしい淡々としたストーリー運びを、長回しのカメラと過剰演出無しの描写で、89分にまとめています。
欧州における移民政策は、中東から流入する紛争難民の増加で岐路に立たされています。元々、数世紀に亘るアフリカの奴隷支配に対する贖罪の意味合いから、人道的立場に立ち移民を受け入れてきた欧州諸国。アフリカからのボート・ピープルは、仮にイタリアに上陸したとしても、旧宗主国へと移送され支援施設に収容されます。中東からの紛争難民、アジアからの違法難民の増加は、こうした人々への支援に危機的な影響を及ぼしていると思われ。
特にフランスに関しては、これ以上の移民受け入れを拒絶する世論も高まっており、Objectionとして移民に対して同情的な映画が毎年のように製作され日本でも公開されています。その中で、ダルデンヌ作品は過度に左に振れることもなく、あくまでもニュートラルな立ち位置を崩しておらず、まるでドキュメンタリーでも見ているような感覚にとらわれてしまいます。
正式な手続きを経ていないがゆえにビザが取れない。就学も働くこともできないがゆえに法に触れる違法行為に手を染めるしかなくなる。ブローカーには際限なく集られ、裏社会からは都合の良い捨て駒として使われる。欧州に限った話ではなく、程度の差はあれども世界の先進国の、どこにでもある話のように思われ。
さあ、この問題、どうする?
と言う投げかけ。問題提起。
そうなんですよ。問題提起で、特に強く何かを主張しているわけじゃない、ってところがダルデンヌらしくて好き。
奇しくも。つい先日、入管法修正案が衆議院法務委員会で可決され、5月にも衆院を通過する見通しです。一部野党は強硬に反対しており、メディアも「数々の事実」を報道しないまま、反対側に偏重した報道を続けています。特定野党は「改悪」って言ってますが、他国に比べても、まだまだ甘いです。某TV局なんて「入管施設での長期収容の解消を目的とした入管難民法改正案」なんて言ってますから。もう滅茶苦茶です。そんな話じゃないです。「出入国管理の形骸化」を招きかねない「ザル部分」を手遅れになる前に補修しよう、ですから。「補完的保護対象者」制度も新設されます。在留資格がない子どもらに「在留特別許可」を与える方向での修正も加わりそうです。更に並行して、「事実上の奴隷制度」だった外国人技能実習制度が廃止となり、完全な新制度への移行が推進されます。要するに、「ちゃんとした手続きを経て日本へ来て、ちゃんと働いて日本で自活していける人達は、受け入れていきますし、そうでなくても、もはや本国に帰ることができない子供たちについては柔軟に対応していきます」、ってのが大きな方針な訳で。メディアには、全体感を持った報道をして欲しい。
情けは人のためならず。根本的に、んな不幸な人々を生まないような法整備をすること、それを要求していくことが重要、って事で。
苦しい
ポスターの美しさとintroductionに惹かれ鑑賞。
まず始めに、本作を鑑賞する際にはメンタルが
健康である時をおすすめします。
個人的にはかなりの胸糞作品であり
でもそれが現実なのだという事をこれでもかと
痛いくらいに突きつけられます。
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89分と短い作品でありながら終始、
胸が締め付けられ心が痛くなる…。
ある程度想定していた、いやできるラストでは
あったけれど、思わず声が出るほどに衝撃的でした。
(この日劇場にわたしだけ)
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どこか頭の片隅で描いていたトリとロキタの行く末は、
それこそ考えが甘く、それまでにこの世界観を
見ていたにも関わらず、現実が見えていない
そしてこのような事象に遭遇したこともない
(現実としてはあるのだろうけど表面化していない)
ぬるい国日本に住んでいるからなのだろうと
痛感しました。
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トリとロキタ役の2人がとても素晴らしかったです。
トリ役 #パブロシルズ( #pabloschils )と
ロキタ役 #ジョエリームブンドゥ ( #joelymbundu )は
本作が演技初経験というから驚きです。
本当の姉弟ではない2人が、生きるために
双方を強く思いやり支え合う姿もまた胸が締め付けられます。
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全国では3月に公開だったこの作品を
広島ではいま上映していて、それを劇場で観ることが
出来た事に感謝します。
そしてまだ劇場で観る機会が残されている方々は
ぜひ劇場で…。
そうでない方はぜひ配信で鑑賞してください。
ただし、元気なときにね。
搾取され、使い捨てられる人々。
いまや移民の数は世界で2億5千万人以上いると言われている。多くは国内紛争や貧困から逃れてきた人々だ。
彼ら移民は時には遭難により海上で命を失ったり、あるいは人身売買の対象となったりとその生命や人権が侵される事態が後を絶たない。
彼らを守るため国連による国連移民協定が採択されたが、世界は一枚岩とは行かず弱い立場の移民にとってはまだまだ受難の時は終わらない。
アフリカのベナン共和国から移民としてベルギーに渡ってきたトリとロキタ。トリは虐待を理由にビザが下りたがロキタにはなかなか下りない。真の姉弟かを疑われたためである。
何とかビザを手に入れて家族に仕送りしたいロキタだが、密航業者からの仲介料の取り立てや家族への仕送りのために麻薬の売人のような非合法な仕事や性的搾取に甘んじなければならない。麻薬密売業者も彼らの弱みを知ったうえでいいように利用している。
ある日ロキタは違法にビザを手に入れられるという誘いで大麻栽培工場で働くこととなる。しかし、まだ十代な上にパニック障害を抱える彼女はトリと共に逃げ出して結局は業者に殺されてしまう。
共に異国の地で姉弟のように助け合って生きてきた二人は無残にも引き裂かれることとなる。
この移民の受難の物語は欧州が舞台だが、これは日本を舞台にしても成り立つ話だ。
なにかと問題のある外国人技能実習制度は途上国への技術援助などとは名ばかりであり、実質途上国の人間を安い労働力として搾取しているのである。
日本に来る実習生たちは仲介業者に多額の借金をして来日する。そして安い賃金から借金を返しつつ仕送りもしなければならない。
だが、職場環境は劣悪で差別から虐待を受けることも多い。あまりの過酷さから逃げ出す実習生は後を絶たず、そのまま在留期間が過ぎれば不法滞在となり入管に収容される。そしてその入管でも酷い扱いをうけ、最悪死に至ったケースもあるのは周知のとおりだ。
自国優先主義、排外主義が台頭するいまの社会。富めるものが貧しいものを搾取するこの社会構造がなくならない限りトリとロキタのような悲劇は永遠になくならないのだろう。
けして目を背けてはいけない問題を知らしめてくれる良作だった。
アフリカのベナンからベルギーへ渡って来た少年トリ(パブロ・シルズ)...
アフリカのベナンからベルギーへ渡って来た少年トリ(パブロ・シルズ)と年長の少女ロキタ(ジョエリー・ムブンドゥ)。
トリは母国で迫害を受けたということで難民申請が認められたが、ロキタは現在、就労ビザの審査中。
今日も面接、口頭試問がある。
ふたりは姉弟と名乗っているが、実は地中海の密航船中で知り合ったのだった。
移民孤児の施設で生活しているが、母国にいるロキタの母に送金するためにふたりで隠れて仕事をしている。
ひとつはイタリア料理店でのカラオケショー、もうひとつはその料理店のコック、ベティム(アウバン・ウカイ)が扱う大麻の密売・・・
といったところから始まる物語で、ヨーロッパでは移民問題は避けて通れない。
ダルデンヌ兄弟も移民問題を正面から描くことになったが、正面から描くと、やはり犯罪などの闇世界を描かなければならなくなるのかと思うと、気が滅入る。
今回のダルデンヌ兄弟作品はこれまで以上にシリアスでサスペンスフル。
兄弟のうちフォトジェニックな映像表現にこだわる兄ジャン=ピエールの演出が強烈で、夜、自転車で疾走するトリの映像や、ふたりの密売のシークエンス、ベティムに性的サービスを強いられるロキタのシーンなど、リアルで丹念ながら、実に歯切れがよい。
後半の大麻栽培工場では、丹念な栽培作業と精神的に疲弊しパニック障害を起こしてしまうロキタのつなぎもよく、トリが侵入するシークエンスもスリリング。
そんな、これまでにない娯楽要素も交えながらの映画なのでハッピーエンドだったらいいんだけれども、ダルデンヌ兄弟の映画だから、そうはならない。
その終盤のシーンも、驚くほどあっさりと即物的に描かれていて、かえってショック度が増しました。
なお、トリとロキタがカラオケで歌うフランス語曲はシルビー・バルタン「恋のショック」。
「メリーさんの羊」が元歌ですね。
イタリア語曲は「Alla fiera dell'est」。
東の市場で、父さんが二銭で子ネズミ買った・・・というものですが、どんどん数珠つなぎになっていきます。
映画では途中までしか歌われないのですが、最後は、
最後に、神さま現れた。
ぼくの父さんが市場で買ったその子ネズミを
食べた猫に嚙みついた犬を叩いた棒切れを
焼いた炎を消したその水を
飲んだ牡牛を殺した肉屋の上に
現れた死神の
そのまた上に
神さまが最後に現れた
となるようです。
ダルデンヌ兄弟がこの世に少し希望を残したというわけですね。
ダルテンヌらしいけど・・
いかにもダルテンヌらしい作品だったけど、ロキタが殺されるのは予想外でショックだった。
それだけにラストに取り残されたトリの悲しみがより引き立つ。
人はどこかの誰かの不幸に対して無力で、せめて祈るしかないということを痛感させられた。
切羽詰まったロキタと賢いトリ
冒頭からロキタは、度々事情聴取で上手く答えられず、ビザ申請が認められないようだった。仕事先でも良いように搾取され続け、母国の母親からも仕送りをひたすら頼りにされ、入国時の仲介人からも返金を迫られて非常に切羽詰まり、トリとの連絡が途切れるとパニックになるほど依存的な情況だった。トリの方は、施設に引き取られ、自転車を借りたり、様々な言い訳を咄嗟に考えつき、ロキタの救出にも立ち回れる賢さを如何なく発揮していたので、入国後の境遇や行動力がかなり対照的な描き方になったように感じた。さらに、ロキタのビザが下りないからといって、不審な死に方を遂げたにもかかわらず、事件性が捜査されることなく身柄が教会での葬儀に届けられるのも不自然に感じた。
ベナン共和国の安寿と厨子王
ベナン共和国から手配師の仲介によりベルギーに来たロキアとトリ。人身売買の被害者同士なのかもしれません。ロキアはベナンの母親に送金をして弟たちが学校に通うための学費にしてほしいとスマホで母親にたびたび電話している。本人は売られたことも知らないでいるとすると余計に不憫でならない。ベナンはたけしの付き人になったここが変だよ日本人でブレイクしたゾマホンの出身国。ゾマホンは日本で稼いだお金で故郷に小学校をいくつも建てた。
密航のボートで出会った2人が生きてゆくために支え合う関係となり、本当の姉弟のように離れ難い仲になってゆく不安な立場は痛いほどわかるから、辛くて仕方ない。厳しい現実に圧倒される。歌は2人にとって大切な絆。葉っぱ売り、違法葉っぱ栽培を強制されるロキタが哀れでなりません。嫌な予感が的中。ゾマソンは恵まれた家に生まれて日本に来たけれども、世界にはこんな子供がいっぱいいることを告発する映画なのでしょう。こうした子供の弱みにつけこんで、麻薬商売をしているクズの大人たち。レストランの悪いコックはロキアに麻薬の売人をさせて小遣い程度の分け前を与える。50ユーロ(約7500円)をエサにフ○ラさせたと思われるシーンもあり。賢くて勇気のあるトリにはロキアの分まで幸せになって貰いたい😭
今も起きてる現実社会
この作品を観てる間、ずっと切なくて心が張り裂けそうでした。見終わった後もしばらくロキタとトリの事が頭から離れなくなりました。
以前、梁石日の『闇の子供たち』を読んだ時の衝撃を思い出しました(ちなみに2008年に阪本順治監督が同名小説を映画化。タイで横行している幼児売春や臓器密売等々を巡る闇の実態を恐ろしいくらい描いた作品)
本作も大人達が子供を搾取する話でそこには映画で良くある救いの手を差し伸べてくれる優しい人もホロっとさせるいい人も一切登場しません。この作品には子供から搾取する人か、見て見ぬふりする人しか登場しません。少しでも自分にリスクがありそうな時は助けを求める子供を車にも乗せてくれません。
自分に出来るほんの少しの事でもこういう人達の助けになる何かがあればと思わずにいられない作品でした。
君は私の安定剤
偽りの姉弟トリ(弟)とロキタ(姉)、年上のロキタはビザを持ってない為、正規の職に就けずドラッグの運び屋をして金を稼ぐ、少年のトリは学生ながらも学業が終わるとロキタの手伝い。
たまにパニック発作を起こすロキタ、薬を常備してるが薬だけでなくトリが一緒に居てくれる事で落ちつける。
個人的にはハッピーエンドを願ってたけど、正規のビザが取れず、偽造ビザを作る為の金を作る為、運び屋からマリファナ栽培の仕事に変わった時に何かもうヤバそうだな!と。
挙句の果てにロキタが働く場所にトリが潜り込んでマリファナ盗んで街に売りに行った辺りでもうアウトだねって感じ。
話は飛ぶけどマリファナ栽培の場所から二人は脱出するも見つかってロキタは射殺、トリは隠れて逃げ生き延びれたんだけど、これは作品だけどリアルでもこういう事があるのかなと何か悲しい気持ちになりました。
終始作品に引き込まれ私個人的にはいい作品に出会えたな!って感じです!良かった!
ビザが欲しいだけだったのに…
①新聞の社会面の一隅に小さく「アフリカから違法入国した少女がドラッグ取引にまつわるトラブルで殺害された。当局は犯人を捜査中。」とでも記載されればまだよいようなヨーロッパ社会(に限らないと思うけれど)の陰で起こる有象無象の悲劇を当事者の少年と少女の視点で描く。
声高に問題提起するわけでなく如何にもありそうな話を淡々と描いてより忘れ難い映画になっている。
②救いのないラストだが、あのラストでなければ此だけの劇的インパクトは残さなかっただろう。
③こういう映画を観るとどうしても立ち竦んでしまう。
世の中に、世界に、社会(もちろん日本社会も含めて)に、不合理や不平等や不合理が有ることは分かる(おおよその犯罪も不幸もそこから生じていることも)。
格差社会での移民/搾取問題を軸に、子ども道具のように使い捨て教育の機会も取り上げ見捨てる大人をドキュメンタリータッチで描く。見る側はその大人たちを批判しながら実は自分もその一人であることを痛感する。
アフリカの母親から送金を無心されたり、トリを守らなくてはならないという使命感と幼さゆえの不安定な精神状態で度々パニック発作に襲われるロキタ。一方、年下ながら「姉」を助けようと大胆な行動にでるトリ。騙し合いの大人たちとの汚れ仕事を担う中で、嘘や強引なやり方も自然と身についてしまう悲しさ。本来の子どもが持つのびのびした楽しさとは無縁と思えるが、「歌」が二人の心の支えになっているのが救いだ。
無理強いされたり搾取されたりしながらも、心を通わせ信じあえる二人の、強くて弱い姿が悲しい。
ダルデンヌ兄弟はいつものようにBGMを排し、観客はその場に居合わせているようなカメラワークで臨場感を出している。レストランの厨房、施設のベッドの上、ロキタの仕事場。現実は映画よりも過酷なのだろうが、この現実に大人はどう向き合えというのか・・・。
マダム
ラスト。
ロキタが道に出て車を捕まえる。
一度止まったマダム。
彼女はロキタを警戒して、去ってしまう。
そして車を停め続けたロキタは
銃殺される。
あのマダムは大衆の象徴のよう。
厄介な者は出来るだけ自分のスペースに入れたくない。
自分の日常を崩したくないし、
自分だけはセーフゾーンに居たいのだ。
すぐそこにどれだけ困っている人がいようとも。
それがこの世界の多くの人々だ。
あの車はその象徴だ。
だから、車が見捨てたロキタは殺される。
見捨てるという事は、殺すと同義なんだ。
この映画では、
女性の搾取についても描かれる。
女性はあらゆる権威と暴力を駆使され、
経済的困難を利用されて、性的に搾取される。
考えられないほど子供たちは冷静で
生きる為の知恵に溢れていて、
それでいて笑顔が少ないのが余りにも悲しかった。
後ろめたさを抱えながら劇場を後にした。
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