「Brain Sugar」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Brain Sugar
リバイバル上映された「ビデオドローム」の奇怪さにハマりクローネンバーグの新作も鑑賞。予告を見る機会が無かったので情報源はポスターのビジュアルのみです。
この作品を完璧に理解するのは不可能なんじゃないのかなってくらいカオスな内容で、置いてけぼりにされそうなところをボディホラー的な楽しみ方でなんとかしがみついていきました。
ゴミ箱を食べる子供をいきなり映されて唖然としたところに、母親が子供を殺すという急展開にお口ポカーンとしましたが、これが始まりに過ぎないというのが末恐ろしいところです。
主人公の不思議な体質を利用して、実験もといアートとして活かしている構図はまだなるほどなと思えるところがあったのですが、自分の腹部を切ってジッパーみたいに開閉しやすくした挙句、臓器をチョロチョロっと弄って快感を覚えるというシーンはインパクト絶大でした。体に傷をつけても痛みなんかよりも快感が増すとかいうマゾもマゾなので、半分引きながら見ていました笑
近未来的な設定を多く携えており、食事支援や快眠サポートの機械、モニュモニュしたリモコンで切開する装置、電動ドリルで脳をぶち抜いて殺す手法、体についての犯罪を専門とする捜査課などなど、SF小説のような設定が多く盛り込まれていました。あまりにも多いので、散漫になっている感じは否めませんでしたが、一つ一つ興味深いものがあったのは収穫でした。
なんでこれPG12で通ったんだ?と疑いたくなるくらい乳房を曝け出しまくっていますが、セクシーだと思えるのは前半だけで、後半に差し掛かってくるとどんな解剖されてるんだろうという目でしか見れなくなってしまいました。傷だらけにしまくるのが監督のお好みのようで、齢80にしてこれだけ性欲を全開にしているので、クローネンバーグはまだまだ成長途上です。
絵面の派手さと設定の凝りっぷりにハマれば確実に沼る作品だと思います。痛覚を感じない体や多くのキャラにもっとフォーカスが当たればなとは思いましたが、現代にここまでオリジナル性の突き抜けた映画を観れたことに感謝したいです。
鑑賞日 8/26
鑑賞時間 18:25〜20:20
座席 B-6