劇場公開日 2022年7月1日

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「悪趣味が全力疾走するゴアゴア台湾ホラー!!」哭悲 THE SADNESS バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0悪趣味が全力疾走するゴアゴア台湾ホラー!!

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

台湾発のゴアゴア祭りな映画が日本上陸。

『X エックス』や、日本でいうと『真・事故物件 本当に怖い住民たち』と同じく、70・80年代のホラー愛が詰まった作品となっている。

謎の感染症は、明らかに新型コロナのメタファーではあるし、極度な中国批判も含まれている作品で、社会派と言えばそうなのかもしれないが、そんなテーマ性など見えなくなってしまうぐらいに、とにかく血がドバドバと豪快に噴き出す。

予告にも登場する電車の中のおじさんが、感染する前から気持ち悪いし、感染した後は言葉ではい表せないような変態な恐怖をまとって襲いかかってくる。

なんで考え付いたのかと思うし、考えたとしても撮影したくないほどに、悪趣味すぎるシーンは映画史上に残るショッキングなシーンだといえるだろう。

ゾンビものでは、お決まりの極限の状況下において人間の本性が浮き彫りになるといった、心理描写もばっちり描かれていて、王道といえば王道に間違いないのだが、ネタの豊富さと、悪趣味な演出の数々が、今作を究極のゲテモノ映画へと進化させている。

監督のロブ・ジャバズが今回が長編映画初監督となるが、どうやら……というか映画を観ていたらわかるが、B級ホラーオタクであることは間違いない。

『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』のカンタン・デュピューがタランティーノに憧れて、一時期クエンティン・デュピューと名乗っていたように、ロブ・ジャバズも名前の由来はロブ・ゾンビからきているような気がしてならない。

バフィー吉川(Buffys Movie)